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やや緊急・アナログペン先廃盤問題について✒

高石さんのつぶやきで知りましたが…(._.)

アナログマンガペン先の雄、ゼブラのG(ハード)まで廃盤とは知りませんでした(-"-)

好きなペン先がこれから減少していくことは間違いないのである。

そこで本日はド渋い記事になることをお許し願いたい。







…よろしいか。

まず喫緊の課題としてペン先の減少・廃盤に備える方法を提案したい(*´з`)。
ザックリ言って対応は3つです。

①買い置きする

・他人に迷惑にならぬ程度に、品質のいいもの(後述)を確保しておくこと。

②他のペンにも慣れておく

選択肢を狭めないために特定のペン先にこだわり過ぎないこと。

③減らない画材を使いこなす

消耗品であるつけペンのペン先以外の画材を見直すこと。

が重要かと思われる(-"-)。

・・・・・・

もっとも急がれるのが①買い置き、でありましょう。
ここで気になるのが、ペン先の品質である。つけペンはこだわる人には種類、メーカー、時代によって品質にかなりばらつきがある…という。実は当方、時代的にあまりその不利益を受けなかったのですが(Gペン不遇時代には丸ペンばっかり使っていた)買い置きするとなるとこれは知っておいた方がいいですね。粗悪品を大量に抱え込んでも意味がない。

これはメーカーも認めておられることで、ゼブラさんのこのサイトにはこうある(._.)

銀行の帳簿付けや企業でも一般に使用されていた筆記具であった「つけペン」。ゼブラの主力商品がボールペンやマーカーになるにつれ、漫画やイラストを描くためのものとなりました。
しかし、ゼブラではある時期から、熟練の職人の退職により、品質が低下。多くの漫画家が、手描きの「つけペン」からパソコンソフトでの制作に切り換えるきっかけになったとまで言われました。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000041.000006581.htmlより引用

問題はこの「ある時期」なんですがwそれは描いてありません(笑)
そこでのっけから結論を言ってしまいますが、

ペン先は1980年以前のものを狙おう('ω')

と言いたいのです。

根拠として、漫画家さんの証言を上げておく(._.)。

「ペン入れはタチカワのかぶらペン。アルミニウム製のもので、丸ペン並みの細い線と幅5ミリの太い線まで、『えいやあ!』と引くことができた」。若いころに挿絵画家の木俣清史の絵に学んだという平田弘史は、かぶらペンで筆の味を出そうと腐心している。たとえば3ページ7コマ目の大ゴマでは、太い線、細い線を巧みに使い分けて絵柄に立体感を与えている。ちなみに、最近のかぶらペンは鉄製にアルミメッキをしたもので弱いと聞く。

(『超絶サムライ画の描き方』平田弘史・玄光社 p85より引用)

これは当方自身、古いペン先を使って感じたことなのですが。中まで同じ材質のペン先は圧倒的に粘りと腰が強い。それがどうも1980年(昭和55年)ごろから、メッキのものが出て来たようですね。(当方もさすがにこの問題の専門家ではなく、本やネットで調べたことと自分の体感でモノをいっておること、ご了承ください。ホントに調べようと思ったらメーカーの社史でも入手せねばならんでしょうね)端的に言ってメッキは表面と中身が違う材質なので、ペン先の劣化というより別物になったと言っていい。

平田弘史センセイが言われるには『薩摩義士伝』(78年)はまだメッキ以前のペン先で描いておられたそうな。根拠はこのページである。

(編集者の竹熊健太郎氏が平田弘史センセイ宅にて行ったインタビュー)

なのでざっくり80年以前のものを狙おう、と提案いたします。

といって、そんな年代物は新品では買えません。古道具屋、ネット、なぜかメ〇カリ(当方は利用したことありませんが…)などでよく売っている(笑)これを常識的な量、確保しておきましょう。

当方の在庫はこんな感じである(._.)

左からタチカワのニュームG、右上がライオンペンシルク、その下がエレガントスプーンのニュームである。当方はほとんどクロームを使いません。
これらの定価を見ると

グロスで千円、相当の年代物だとわかるでしょう。当方生まれてません(笑)。

古道府屋さんで買った時でも2000円くらいで、実はこの安さも古ものをススめる理由である。ペン先って水にでも濡れない限り経年劣化しませんしね。安心して求めるべし。

件の平田弘史センセイは筆圧が恐ろしく強く、果てはペン先を破壊するほど(笑)と書いてありましたが、それでもペン先ひとつで30枚は描かれたらしい。筆圧低く行けばグロスで5000枚(単行本20冊分ほど)は描ける計算です。正直、プロでもない限りひと箱確保すれば十分でありましょう。コレが①買い置きについて言いたいことでありました。

※余談
ネットでは「2005年以前のものが良い」といって確保しているプロ作家さんもおられました。当方調べではなぜ2005年なのか根拠がハッキリしなかったのでここでは通説の紹介だけにとどめておきます。理由をご存じの方、教えていただけると幸いです。

・・・・・・

つぎ、②他のペンにも慣れておく、ですが。特にGペン派の方々には、

ぜひカブラペンを試していただきたい('ω')

いやこれは、なにも当方がカブラ派だからという身内びいきばかりではない。根拠はいくつもあります。

左がライオンのタマペン、真ん中がタチカワのカブラ。これは今でも買える新品です。

まず、Gペンが流行る前はカブラペンが主流だったという事実。テヅカセンセイも使ってたwのち劇画ブームでGがどんどんのしてきますが、別に人物はGと決まったわけじゃありません。

なんか当方の時代は「人物はGでしょ」という謎の雰囲気があった(笑)

師匠もGだったし。でもこれ別に根拠があるわけじゃなくて、プロは好き好きで使ってただけなんですねwアシ時代、どうも師匠のようにうまくいかなくて、何年か後にフト、カブラを試してみたら

「ああ梅ちゃんはカブラがあってるね」

と兄弟子に言われた(笑)早く言ってくれよ、と思いましたが…。
どうもアナログマンガ描きはコレと決めた道具を使いこんでしまう嫌いがあると思う(*‘∀‘)。
前述の平田弘史センセイの引用にも、カブラは太い線細い線が出せる汎用性の高いペンだとあります。Gペンがなくなりそうで怖い人にはぜひ試してほしいですね。

で、カブラ推しにはもう一つ、非常に重要な理由がある('ω')

80年以前の古く品質のいいペン先の在庫は、圧倒的にカブラが多い

のです。これは是非もない。カブラペン、タマペン、サジペン、スプーンペンと異常に別称の多いことからもわかるように、筆記用具としては

要するに昔、つけペンといったらカブラのこと

だったのである('ω')。在庫の多い道具に慣れてしまえば、廃盤におびえる恐怖ともおさらばデス(゚∀゚)。

でもまあ、カブラの「先っちょがぺったんこ」感がちょっと気になる人もあるかもしれん。そういう人にオススメたいのが柔らかい丸ペンである(._.)

これなら先っちょも尖がっている。丸ペンというとカタイ、細い線が出るように思いますが、探すとものすごく柔らかい丸ペンというのが結構売っている。写真はジロットの丸です。こないだ描いた絵に使ったやつ。

当方はアシ時代、先っちょが短くて硬い書き味のニッコーの丸を愛用していましたが、同じ丸でも全然違うんですね。ジロットならGに負けない太い線も最初から出る。書き味は軽い。外国のメーカーなのでジャパンのマンガ事情に左右されない。一度お試しいただきたい。

このへんが②他のペン先にも慣れる、ですね。

・・・・・・・

さて最後③減らない画材を使いこなす、ですが、

ペン先はどうしても消耗品(描き方によってはだいぶ持ちますが)なので、いっそ擦り減らない画材をもっと活用したらどうか。

たとえば線の強弱が要らない、細かいカケアミなんかはなにもつけペンでなくてもいい場合もあるでしょう。ミリペンでやる人もいる。でも当方、ミリペンはあんまり好きじゃない(;'∀')消しゴムかけると薄くなるんで…

そこで昨日気づいた(笑)んですが、

カラス口の先っちょガッチリ絞って描いてみたらどうか?


ヨコに引くのですよ

すごくいいですよ(笑)(*‘∀‘)

ちょっとこれはコロンブスというか、カラス口はつけペンですからね、強弱はつかないけどとてもハッキリした線が出る。かすれない、消しゴムで薄くならない。慣れればベタフラもイケる
で、カラス口はちょっとやそっと使ったくらいで減るような根性なしとは違いますので、カケアミ要員としてまずいっぽん数年は使えるであろう(*‘∀‘)なるほどこういう「ほとんど減らない画材」というのはもっと探せばあるはずです。

カラス口ほどじゃないですけど、ガラスペンとかもね。筆圧弱く行けばだいぶ持ちますね。

軸がないので自作したナサケナいガラスペン(笑)

というか、まあ先っちょが尖がってればワリバシでもカラスのハネでも針でも編み棒でもつけペンになるっちゃなるんで。キャラの主線とまではムリでも細かいカケアミ用画材くらいはこの際

カスタムに走ってみるのもいいかもしれません(*´з`)

それで主力ペン先が節約できるなら(*‘∀‘)。

・・・・・・

とまあ、ルル申しましたが、ペン先は1,2グロス確保しつつ他のペンも試してみる、というのがいいのではないかと緊急提言する次第でした。

ではお粗末様でした(*- -)(*_ _)ペコリ


たくさんのサポートを戴いており、イラストももう一通り送ったような気がするので…どんなお礼がいいですかねえ?考え中(._.)