2014-2018年の5年間の国内テックIPO:上場意義がないと思う企業16社を検証
久々に結構エグめの企画です。(多くのスクショを入れているため、タブレットでの閲覧が一番見やすいかと思います)
本マガジン(ウメキワークス&新高値投資マガジン)では国内テック企業のIPO分析速報をお届けしてきました。しかし、毎年「この企業、IPOする意義あるの?(いや、ないだろ)」という企業が数件は散見されます。いえ、初見時の印象だけでいうと毎年最低10件はあります。
IPOとは一体なんなのか。
成長性がない企業をマザーズに上場させたり、成長率が低くとも、利益が数億出ていれば上場承認するのか。
東証の上場承認基準ってなんなのか。
私が東証なら承認しない企業がたくさんあるんですが。
上場前の印象で語るのは主観でしかないため、長年のその疑問を「IPOしてから3年以上が経過した企業」を調査対象に、「この企業のIPOは意義があった、意義がなかった」と分類してみました。基準となる評価項目については下記としています。
全てを満たす企業としたわけではなく、これらの多くを満たすことを「意義なし」の判定基準としました。
今後はIPO速報分析の際は、記事に「この企業のIPOは意義なし、意義あり」の判定を入れていきます。自分のその当時の判断を、未来に検証できるため。
上場意義がない企業だったと判断する4項目
調査対象企業群とその理由:上場後一定の期間を検証しないとフェアではないと判断したため、今回は2014-2018年の国内テックのIPOを対象とした。最低でもIPOから3年経過
1.株価が綺麗な右肩下がりのチャートとなっている企業を選出。右肩下がりのチャートはほとんどのセカンダリー投資が現時点では損していることを意味する。IPOの公募価格や需給の設計が、短期視点により過ぎであり、長期視点を度外視した可能性を指摘する。直近株価が軟調でも、上場後に初値からかなり高い株価が付くなど、「見せ場があった企業」は意義がないとは判断していない。
2.時価総額規模が主に二桁億円でずっと推移しており、機関投資家の投資対象にならず、個人投資家のおもちゃにしかなっていない企業。時価総額が大きくとも、他の基準を満たせば容赦なく意義なし判定。
3.下方修正を出している。ないしは、上場直前期の決算(売上と営業利益)が現時点で最大の数値となっている(公募調達を先行投資してIPO直後に赤字になることは容認できても、上場直前期の売上がその企業の売上のMAXの場合、事業売却などの要因がなければ明らかな上場ゴールなのでは)
4.ジャンルとして新規性があるIPOの場合、「意義がある」と判定することがある。
注記:発行体にとっては既存株主の利確などで上場意義はあるであろうが、あくまでセカンダリー投資家に多大な損失を与えてないか、社会的意義があるかなどの、マーケット観点での意義を本記事では論点としている。発行体の利確のためだけのマーケットに陥ってはならない。
1.2014年組:2社
gumi
トップバッターはやはり外せないこの企業。代名詞感があるgumiですね。
一応多角的に検証すると、2013年頃はDeNAやGREEに勢いがあり、gumiはその次を担うか的な空気はあったのかもと思います。ゲームに対して「新規性」という評価はしづらいのですが、業績が好調だったのでイケイケな空気はあった。
しかし、株価チャートは上記の通りの右肩下がり。公募初値騰落率は「0%」と発行体にはある種理想の滑り出しではありましたが、直近3ヶ月前のラストラウンドの株価から公募価格が3倍だったのは明らかにやりすぎだった。「公募が高すぎた」だけではなく、業績も売上は申請期の2015年4月期が最大でした。
営業利益のボラはあったり、2018年には2015年の売上水準まで回復しましたが、現時点ではIPOからもうすぐ8期経つ中で上場直後の売上が最大でした。2020年には営業利益は22億と最大となりましたが。売上はIPO直後が最大で、それ以降は下降していくというのはいただけない。2015年が強すぎたという見方もできるのでしょうが。
「意義があるかないか」という論点だと悩ましいのですが、やはり多くのセカンダリー投資家が損している右肩下がりのチャートであり、かつ業績も上場時がピークとなると、セカンダリー投資家やマーケットの観点では「意義のないIPO」という判断は致し方ないと思います。
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