ローズセレモニーの答え合わせ
昨日(というかつい先ほどですが)東カレバチェラーNIGHTなるものが実施され、企画者ながらに参加者として楽しんできました。
今回のイベントは、東カレデートというデーティングアプリのリニューアルローンチイベントだったのですが、私がバチェラーにハマりすぎたため、「こんなイベントなら自分めっちゃ行きたいわ!」と「自分が行きたいイベント」を企画しました。
オペレーションは皆さんにお願いして(スタッフの皆さま、お疲れ様でした)
私は参加者として純粋に楽しんできましたが、参加者視点で見ると、過去の東カレNIGHTでも最も面白いものだったと感じます。その気配を感じ取ったのか、応募者数も過去最高でした。
個人として参加した視点で、この東カレバチェラーNIGHTを語っておくことは、高倍率すぎてお越しいただけなかった方や、興味はあったが応募されなかった方にとって、良いコンテンツになるかなと思い、書いてみました。(かなり長いですが、臨場感はあるかと)
まず、誤解なきように言っておきますが、私はさくらではなく、ガチな参加者です。「自分がやりたかったイベント」を企画しただけなので、企画がボツれば、プライベートで企画しかねない勢いでした。
イベント内容は、冒頭のイベントリンクの記事をご覧いただければと思いますが、今回のイベントは「バチェラーNIGHT」なだけあり、最後に「ローズセレモニー」があります。
東カレバチェラーNIGHTのローズセレモニーは、バチェラーと異なり、「女性が数名ずつ登壇し、気になる女性に男性がローズを渡す。しかし、女性は1人の男性からしかローズを受け取ることができない」というルールです。
結論、私のローズは、受け取っていただけませんでした。
さすがプロデューサー!おいしいな!というツッコミもあるでしょうが
ローズセレモニー、案外、ガチで傷つきますね。
さらに付け加えると、男性は「薔薇1本ずつ」渡されますが、1万円で僕が持っている「30本の薔薇」を買えます。この30本の薔薇、見栄え的になかなかのインパクトです。30本の薔薇は「真剣さ」の表れや、差別化ともいえるでしょう。まあ、僕は誰に渡すにせよ、30本薔薇で行こうというのは決めていました。差別化になりますからね。
僕が薔薇を渡しに行った女性は、僕以外にも5人くらいの男性が薔薇を私に行っており、今回のイベントの中で上位3名に入る人気の方だったということは、事実としてお伝えしておきます。やはり僕は人気銘柄を嗅ぎ当てる嗅覚があるなと、再認識しました。「知り合いの知り合い」だったのですが、実際に美しい方だなと思っていました。
しかしながら、薔薇は受け取ってもらえなかったわけです。
あのローズセレモニーの約30分の時間は、あの場にいた人にしかわからない、相当独特な空気がありました。ある意味では、バチェラー本体よりも過酷な環境であったと、参加した人であれば、感じることができたでしょう。
自分にローズを渡してくれる人はいるのかという女性の気持ちと、自分のローズは受け取ってもらえるのかという男性の気持ち。
かなり、シビアな空気が漂っていました。
僕は今回、自ら企画したイベントであり、東京カレンダーWEBプロデューサーといういわば「圧倒的なホーム感」ある中での試合でした。中東でアウェイ戦を戦っているわけではありません。プロデューサーの矜持として、絶対に負けられない戦いだったはずです。
しかし、薔薇は受け取ってもらえませんでした。
自分は一体何がまずかったのか?
ローズセレモニーの敗因分析を、イベントの時系列順にしてみようと思う。
1.フリートークセッション:相変わらず地蔵プレイ
今回のイベント構成は、①フリートークセッション、②ツーショットデート(3分で1on1を10人くらい回す)、③フリートークセッションの3本で、その後ローズセレモニーに移るというものでした。
最初のフリートークセッションは、かなり大きな会場の中で、見知らぬ人に話しかけて、話を盛り上げるという時間です。これは百戦錬磨のクラブプレイヤーにとってはお手の物ですが、基本的にこういう会場においては「地蔵(動けない人)」と化す僕にとっては、苦手な時間です。
事前に東カレデート内でメッセージしていた、KさんとかYさんという方を見つけて「はじめまして」とご挨拶をします。僕のことを「うめきち」とか呼んでくる方もいたりしましたね。女性に「うめきち」と呼ばれたのは、人生で初めてでした。
ここで印象に残ったのは、やや競合媒体っぽい方でした。「もし東カレに転職したかったらぜひ声をかけてください」と名刺を渡します。実はこの日僕が持っていた名刺は5枚だけで、「誰に渡すか」というのは相当慎重に考えていました。僕はむやみにLINE IDとかを聞いたりはしませんし、現に一人も聞きませんでした。
これは僕の中ではいつものことなのですが、根が地蔵ですので、そこまでたくさんの方に話しかけることができない点が、反省点でした。とはいえ、イベントは2時間強の長丁場です。時間配分を考え、体力を温存しておくことが大事です。
1分港区おじさんに出演されていた由美さんともお話しできましたが、会場で最も綺麗な方はあの方だったなと思いました。船田さんの人気が凄まじく、ミッキーマウス的に写真撮影に応じていらっしゃいましたね。
2.ツーショットデート:ターゲットを絞りきれない
続いてのツーショットデートセッション。これは円卓上に男女が6:6で集い、1on1を3分ずつ繰り返していきます。
これは強制的に様々な人と話さなければならないシステムなので、多くの人と話すきっかけがあるという点では、良かったです。このツーショットデートでは10人くらいの方とお話ししましたが、何人かは僕を「twitterで見ている」とか「東カレ女子選手権見ました」とか、おお、顔バレしてるな!(ちょっと嬉しいw)という現象がありました。
僕は全く自分の身分を隠すつもりはないので、むしろ「東カレの者です」と名乗り、根掘り葉掘り「今回なぜ応募したのですか?」とか聞いていきます。普通のユーザーヒアリングです。ええ、仕事してます。
この「3分ツーショット・デート」ですが、たくさん話せるのは良いですが、気になった方を掘り下げるには時間が足りません。このツーショット・デートで気になった方は、次のフリートークセッションで深堀りする必要があったと感じます。
僕がここで2人気になる方がいました。
3.最後のフリートークセッション:3つのミスを犯す
これが最後のトークセッション。一応また円卓テーブルを指定されて移動しますが、比較的フリーに動けます。
振り返ってみると、戦略としては、1,2の時間で気になった方に対して、しっかりフォローできるか否かが鍵でした。ベンチャー投資でいう、「良い銘柄にはフォローオン投資を」という考え方と同じです。
しかし、会場には70名強の女性がおり、この時点でせいぜい15名程度しか話せていなかったので、「まだ他に話せる人がいるのではないか」と思ってしまい、新規のソーシングを試みてしまいました。
結果として、最後のフリートークセッションでも、5名程度の新規の方と話すことはできたのですが、そこから気になる方は出てこず。この段階になると、目ぼしい方には男性の厳しいマークがついており、人気の女性ほどフリーになりません。横から奪い取るくらいの、ラフプレイが必要となります。
ここで僕は最大のミスを犯します。
気になる女性に「薔薇を受け取っていただけますか?」とヒアリングを始めたのです。
いわば、インサイダー取引のようなもので、「受け取ってくれるなら渡す」的な考えで、気になっていた方にそう言ってしまいました。
彼女は「いやいや、私より可愛い子、たくさんいるでしょ。笑」とかわされていました。この方をYさん(仮称)としましょう。
そして僕は「もう一人気になっている人がいる(仮称:Mさんとする)」とYさんに言い、YさんとMさんを比較し出すという、日頃の思考の癖をこの土壇場で体現してしまいました。しかし、Mさんは無邪気に「薔薇欲しい!でも、どうしよっかな。笑」と言っていました。
この一連の流れは、振り返ると相当なミスを乱発しています。そのミスを一つずつ解説していきましょう。
1つ目のミスは「薔薇を受け取っていただけますか?」とインサイダー取引を持ちかけてしまったこと。これはやはり、男らしくないというか、絶対的な気持ちの量の足りなさや、相手の様子を窺うというチキンぶりが良くなかったと感じます。
2つ目のミスは「脈なしのサインに気づいていない」ということです。Yさんは謙遜するふりをしつつ「お前はタイプじゃない」というサインを送ってくれていたはずです。この謙遜を額面通りに受け取ってしまった。自分に都合の良い風に解釈してしまった。
3つ目のミスは言わずもがな「素直に迷っていると本人たちを前にして比較してしまったこと」です。これは僕のことを知っている方なら、容易にその姿を想像できるでしょうが、僕は素直すぎるんですね。駆け引きとかができないわけです。「うーん、どっちも気になるよなあ」と。
おそらくこの時点で、僕の負けは確定していました。バスケットボールだと、3ファウルで退場手前なのでベンチに引き下がるべきレベルのミスです。海南戦で陵南の魚住がベンチに引き下がったシーン、ありましたよね。
しかし、正直に言うと、この短時間で「覚悟を持って薔薇を渡せる人」を見つけるのは、容易ではありません。悩んだお二人も、純粋に「ルックスが好みっぽい」のと、バックグラウンド的に相性が良さそうとか、そういうロジックはあれども、真剣に1人の相手に薔薇を渡せるほどの覚悟を持てなかった。こういった「真剣さの枯渇」が、3つのミスを招いたと考えます。
ゲストでお越しいただいた久保さんにお話を伺った際に、実際のバチェラーでも「相手が前かがみか後ろかがみか」はその場で対峙していればわかるとおっしゃっていて、これは「真剣さ」に言い換えられる話だなと感じました。
決してサクラとして参加しているわけではないので、「普通に真剣」なはずなのですが、ある意味で真面目すぎて「真剣スイッチ」が入らなかったのかもしれません。
ローズセレモニー:なぜこんなにも傷つくのか?
そしていよいよローズセレモニー。女性陣が全然登壇したがらない(相当シビアな場面ですからね)というアクシデントがありつつ、進行が進んでいきます。ローズセレモニーが始まっても、どちらの女性に渡すのか決断できていませんでした。
しかし、最後のフリートークセッションで3つのミスを犯していたことにこの時は冷静になって気づいておらず、「魂の声」でYさんに渡そうと気づきました。「薔薇欲しい!(けどどうしようかな)」と言ってくれたMさんではなく「いやいや、私より可愛い子たくさんいるでしょ(女訳:あなたのことはタイプじゃありません)」と言っていたYさんを選んでしまったのです。
そういった文脈も完全に無視して、Yさんだったのです。
僕はイケメンでもなんでもないのですが、この「圧倒的なホームの地の利」でなんとかなると思っていたのでしょう。しかも、30本薔薇です。気合が違います。そして、Yさんのローズセレモニーへと挑みました。
すると、Yさんは5〜6人の男性からローズを渡されます。おお、人気なんだな!さすが僕が決心した方だな!と思いつつ、涼しい顔で30本薔薇を捧げていました。しかし、Yさんが選んだのは1本薔薇...
あっ...マジ......か...
受け取られなかった30本薔薇を持って帰ってきた僕の気持ちは、サッカー日本代表がW杯出場を逃した、「ドーハの悲劇的」なものだったかもしれません。僕はしばし、頭が真っ白になって、立ち尽くしてしまいました。
たった2時間のイベントで、70人の女性の中から1人を選び、薔薇を渡す。
はっきり言うと、この短時間で僕はYさんにもMさんにも誰にも恋をしていません。あくまで「好きになれる可能性のある方」を見つけようとしていた。
しかし、薔薇を受け取ってもらえないというのは、思いの外ダメージがあり、「恋に落ちていないのに振られたような気分」になりました。なんでしょうかね、納得感がないというか。
おそらく、会場で薔薇を受け取ってもらえなかった男性、薔薇をもらえなかった女性は、この感覚に共感いただけるのではないでしょうか。
そして僕はなぜか悔しくて、こんな時間(宇多田ヒカルもびっくりの夜中の3:30AM)にこんな記事を書いてみたわけです。
今回のバチェラーNIGHTやローズセレモニーから学んだことがたくさんありました。答え合わせもすると、こんな感じでしょうか。
・Contents is King「面白がられる」企画の重要性:今回は成功
・中途半端な気持ちでは、ローズは受け取ってもらえない:今回は失敗
・不用意なミスは命取りになりかねない。やはり「失点しない戦い方」が重要:今回は失敗
・「マッチング数」を最大化できるような仕掛けに需要がありそう:今回は失敗
バチェラーという番組自体は、今回の僕のように「別にいい感じでもなく、脈なしサインも見逃して薔薇を30本渡そうとしてしまった」結果としてバラを受け取ってもらえないのではなく、「本当にいい感じだった相手」から薔薇をもらえない、というのは、かなり精神的ショックが大きそうだなと、ローズセレモニーもどきを疑似体験して感じました。バラ恐怖症になる気持ちも少しは理解できました。
今後、東カレデートではこのようなイベントを懲りずに企画していく予定です。今回のバチェラーNIGHTの教訓を生かして、企画及び参加者として、クオリティを高めていきたいと思います。
今回会場でお話できた方も、できなかった方も、僕は「東カレデート上」にユーザーとしていますので、興味をお持ちいただいた方は、ぜひメッセージください。検索条件は「32歳」「居住地東京」「職業:経営者」「身長:180cm」まで絞れば、簡単に出てくるはずです。
この記事を読んでの感想とか、「薔薇、受け取ってもらえなくて、ドンマイ!」とか、慰めのコメントやメッセージ、お待ちしております。もちろん、イベントに来ていない知り合いではない方でも「薔薇欲しいです!」などのメッセージ、大歓迎です。現実的には、東カレデート上での「いいね!」からですかね。
実際に東カレデート上にはバーチャルギフトの「薔薇」が存在します。むしろ、同情のあまり、東カレデート上で薔薇を僕に贈っていただいても構いません。薔薇はちょっと...という方や男性は、noteで投げ銭か、VALUでも買ってください。
しばらくは「バラ恐怖症」に陥らないために、東カレデート上で様々な方に薔薇を大盤振る舞いしてみるといいかもしれませんね。あっ、そういうことすると「真剣さがない」ということで、ダメなのかもしれない。。
6,000字近くなりましたが、書き殴らないと気が済まなかったので、書いてみました。やはり僕は「薔薇を受け取ってもらえない」くらいの方が、面白くていいのかもしれませんね。こんな薔薇を受け取ってもらえなかったくらい、失敗でもなんでもありません。むしろ、最高のネタですよ。
逆に、この記事から良い出会いがあるかもしれませんしね。
ありがとうございます!サポートは希少なのでとても嬉しいです^^