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2021年上半期ウメキワークスでS判定企業14選

まとめ記事的な感じで、2021年1月から新設された「S判定」企業を振り返ります。

ウメキワークス最大の特色として、迷惑なことに勝手に私がそのラウンドで出資した投資家が回収可能かどうかを下記のレンジで判定しています。

S(5倍以上)
A(2〜5倍以下)
B(1.1〜2倍)
C(1倍以下)
D(ほぼゼロ)

一応私も判定している手前、「梅木が回収不能判定した案件、IPOしてたぜ!」とかなると、説得力ゼロなので、ここは神経を使って判断します。大体1案件5-10分程度記事見たりして考える程度なのですが。一方で、高評価した企業が回収不能になる。というのも避けたいw

S判定を設置してはどうか?と読者様からご助言いただきた、素直に導入した次第であります。

自分がS判定と判断している企業やその判断背景にどういうロジックがあるのか。改めて見直してみたいと思います。

S判定ロジック①:シリーズA,Bであることが多い


身も蓋もない話ですが、5倍以上での回収となると、レイターステージでは難しい場合が多いです。

IPO直前のラウンドでは、2倍リターン確保できればOK。くらいの期待値である場合の方が多いかと思います。

数年前にとあるVCに聞いた話だと、シリーズAで7倍の回収見込みがない案件には投資しない。という基準がありました。

逆にいうと、投資時に「7倍以上で回収できる!」と思っても、その通りに回収できる確率は1/7くらいと言っていました。

ファンドによってはもっと勝率は良いでしょうが、VC業の構造として、ホームラン案件でファンド全体の元本を回収できれば理想(当然ファンドサイズの問題はありますが、ここでは100億未満の国内ファンドを想定)というのがあります。

なので、シリーズAで7倍以上のリターン、国内市場でいうと100億近いM&Aが皆無なので、IPOを狙いに行ける企業に限られてしまいますが、シリーズA,Bの投資家はほとんどの投資案件に対して、IPO行ける!と思って張っているはずです。

それでいうと私の判断としては、「5倍以上いける!」と自信持てる案件はさほど多くはなく、「まあ手堅く次のラウンドはいけるだろ」とA判定でお茶を濁すということは多々あります。

B判定の場合など「優先株で元本回収可能なので、ダウンラウンドM&Aでも1〜2倍以内は確保可能」という記載をしている場合もあります。A判定は次のラウンドは高い確率でいけるだろという確信があるけど、B判定はそうではない。という感じですね。

S判定ロジック②:レイターの場合は、5年以内に時価総額1,000億突破の可能性あるとみている


今回紹介する企業の中で、このパターンに分類される企業は少ないのですが、レイターステージ、例えばバリュエーション200億のラウンドに対して、S判定つけると、1,000億超えのバリュエーションで回収可能。という判断をしていることになります。

シリーズA,Bはバリュエーションが15〜50億くらいなので、5倍だと高くて250億でIPOの公募バリュエーション。的な読みをしています。

250億の公募時価総額というのは、過去事例から見ると平均値的な数値なので、実現可能性は高いです。

S判定ロジック③:SaaSには甘い


熟読してくださっている読者は気づくと思いますが、SaaSには甘いです。

というのも、SaaSは特に導入社数の開示があるとARRの推計がしやすく、その市場を信じることさえできれば、時間経過と共にバリュエーションの高騰も許容できるからです。

最も予測可能で数学的(算数的)なビジネスモデルであり、それゆえレイターで機関投資家が入りやすいのも、SaaSなのですよね。

一方で、ゲームとか広告代理店系は、そのジャンルのディール自体を見かけないですが、あまり評価しません。自分がVCなら、投資しないですね。アセットが積み上がらないモデルに思えるので。

仮に自分が今VCをやるならSaaS専業という立ち位置が最も合理的に思え、共感できます。起業家から選ばれるか、とか数あるVCの中でどう差別化するか、とかそういう話は別として、ピュアに投資したいのはSaaSです。

メディア、EC、D2C、そういったC向けのものよりも、確実にVCとしてリターンを上げられるのがSaaSだと思う。そこに浪漫があるかは、別として。

告知コーナー)過去記事まとめ、更新しました(7/9)

それではS判定まとめ、いきましょう。記事公開当時のコメントを少し整理して掲載。調達額が多い順に並べます。

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