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ワクチン接種ゼロ回の自分が実際に「ワクチン・検査パッケージ」を利用して旅行してみた

 先日こちらの記事を書きました。

 これを書いてから、じゃあ実際に使ってみたらどうなるか試したくなりました。
 あとはもう勢いです(笑)。二泊三日の日程で、群馬・長野と旅行してみました。

前日

 旅行で「〇〇割」を適用してもらうには「新型コロナワクチンを3回摂取している」か「PCR検査(検査当日含め有効期間4日)もしくは抗原検査(検査当日含め有効期間2日)」のどちらかを宿泊する際に提示する必要があります。これを提示できないと割引された宿泊プランは使えず、他のプランで、割引やクーポン無しで泊まることとなります。
「〇〇割」を使えるホテルや旅館も限られているし、その中でさらにプランが限られています。
 今回自分が利用しようとしてる抗原検査の場合、有効期間はたった2日間と短く、検査結果が陽性だった場合、当然旅行には行けませんから、予約を先にしてしまってると、キャンセル料が発生してしまいます。検査をして陰性と分かった後にすぐ予約できるよう、泊まりたい宿をいくつかピックアップしておきます。
 地元で検査できる機関も調べます。自分の場合は駅前の薬局が対応だったので、そこに行くことにしました。

1日目

 開店時間より前に薬局に向かいます。すでに2人、待ってる人がいました。
 9時に開店。自分含め3人がカウンターに向かい、検査を受けたいと伝えます。
 整理券が渡され、申込書へ記入します。
 整理券はぱっと見たところ10枚か20枚程度しか無いように見えました。事前にその薬局のホームページを調べた時、「その日の予定の検査数に達したら」終わりということが書かれていたので、おそらくその枚数が上限なのでしょう。
 つまり検査を確実に受けたいなら、朝一番で行ったほうが良いということになります。イベント参加に使うけど夜だから検査は午後でいいやといってると、無くなってしまいかねません。
 その薬局で検査を受けてる人を午後に見たこと、一度も無いですから。朝一番で無くなってる日もあるだろうと思います。

 検査目的は事前に「②」にチェックが入っていました。つまり①の「社会経済活動」を理由とせず、自動的に「感染不安がある」にまとめられてしまうわけです。
 わざわざ細かい理由を述べるより「不安だ」とだけ言っておいたほうが簡単ですもんね。

 申込書を書き終わった順に検査です。自分以外の2人はカップルで、しかも身分証明書を忘れてきたので取りに戻らねばならず、自分が一番最初の検査となりました。(無料で検査を受けるのは、その県の住民であることを証明する必要があります。隣の県の施設のほうが近いとしても、対応してくれないので無理です)

 その薬局は自分が毎回処方箋を持っていってる行きつけの薬局なのですが、薬剤師の方は普段と違って、大仰な検査服やフェイスガードを着用し、奥の検査ブースへ案内してくれました。
 そこで検査キットの使い方を説明されますが、検査の動作は全て自分が行うとのことでした。必要に応じて助言はするが、薬剤師がなにかをしてくれることはない。よくテレビで見る綿棒を突っ込まれ痛い痛いとなるのかと思ったら、まさかそれも自分でするとは、驚きでした。
「マスクはあごマスクにして、くしゃみが出そうになったらすぐにマスクをしてください」との説明もありました。

 綿棒の入った袋を自分で開け、取り出し、自ら鼻に差し込んで左右数回、回転させます。「もっと奥の方に」とか「回数少ないと検出できずとなることがあるので、あと何回か回してください」など、細かい指示が入ります。
 その綿棒を検査用のチューブに挿して、中に入ってる液体にぐりぐりともみつけます。このときも「液体はチューブの奥にあるので、そこまでしっかり挿して、指でしっかり挟み込んでください」との指示が。
 もみつけ終わったら綿棒は専用のゴミ箱に入れ、検査用チューブを薬剤師が奥に持っていきます。

 その後14分45秒くらいでカウンターに呼ばれ、ストップウォッチが15分になる瞬間を見守ります。その時点で検査キットを見ると、検査は有効(検体はしっかり取れている)こと、結果は陰性であると認められます。
 その場で名前入りの検査結果通知書が手渡され、晴れて新型コロナウイルス陰性が2日間認められる立場となります。
 これがPCR検査だとその薬局では結果がもらえるのは2日後で、有効期限は検査日含め4日ですから、実質、3日目と4日目の二日間だけとなります。結果も3日目午前中にもらえるとは限りません。午後になると動き出せる時間はだいぶ短くなります。
「検査結果を使える時間」としては、1日目の朝に結果が確実にもらえる抗原検査が最長となります。

 薬局を出たのは9時半くらい。検査の説明と検査に10分くらいかかってますから、自分より後の人はそれだけ待つことになります。1人2人ならともかく、10人とかになると、検査結果が出るまで2時間位はかかるかもしれません。

 薬局を出たらすぐに、昨晩チェックしておいた「〇〇割」が適用されるホテルを旅行サイトを使って予約です。運良くまだ空室が残ってました。これで埋まってしまっていたら第2第3候補に予約を入れることになりますが、もしそれも埋まっていたらどうなってしまうのやら。

 観光やご飯を楽しみながら移動し、その夜は群馬県草津市のホテルにチェックイン。一泊7100円の宿ですが、5000円はキャッシュバック。2000円のクーポンがもらえましたので、なんと実質100円で泊まれることになります(実際は入湯税なども別にかかります)。3000円渡して、おつりが返ってきました。

 夕ご飯やお土産などでこの2000円のクーポンは使い切りました。タダ飯、タダお土産です。

 お稲荷様にマスク。なんとも痛ましい光景です。本当に罰当たりですよ……。

2日目

 一泊で帰っても良かったのですが、抗原検査の有効期限は2日間。つまりあと1日使えるわけです。
 そこで長野県長野市のホテルを調べてみたらちょうど「〇〇割」の適用のあるところが見つかったので、そこを予約しました。

 今日も観光やご飯を楽しみながら移動。国道最高地点の雪の壁、すごかったです。

 長野市のホテルは一泊6800円。今回は2500円のキャッシュバック、2000円のクーポンで、実質2300円となりました。どれだけの還元があるかは県や地域によって違うようですが、十分安いです。普通のビジネスホテルですから。

 これでお土産を買い、夕ご飯も済ませました。ホテルで朝食もついてくるので、一泊して朝夕食お土産で2300円。安い、安すぎる。

3日目

 抗原検査の有効期限は昨日までの2日間。つまりもう、「〇〇割」の魔法は効きません。家に帰り、二泊三日の旅は終わりました。
 もしワクチンを3回打っていれば、まだまだどこまででも旅を続けることが出来ます。ゴールデンウィークは使えないとか、対象の県とかいろいろあるので、あくまでもその範囲内ではありますけどね。

感想

 実際に使ってみた感想としては、以前のGoToトラベルもそうですけど、インチキと言いたくなるくらい安くなり、なんだかおかしくなりそうな気がしました。一泊100円、さらにご飯もお土産もって、逆にお金をもらってる状態ですから。
 純粋に利用者目線に立つとともかくお得すぎて笑いたくなる制度ですが、そのあたりの批判はGoToでもさんざんされたので脇に置いて、今回はワクチン接種と検査の面についてだけ考えます。

 先日の記事でも書きましたが、やはりこの「ワクチン・検査パッケージ」制度は、徹底的にワクチン接種を3回した人を優遇するためのものですね。検査で利用しようとすると、あまりにも綱渡りです。

  • 事前予約して検査で陽性になったら旅行自体無理

  • 検査結果の陰性を確認してからホテルを予約しようとしても、埋まってたら無理(当日空いてることに期待するしか無い)

  • 検査結果が出るのが最速でも9時半(自分の地元の場合)なので、そこからしか動けない。しかも当日含めたった2日間

  • イベント参加の場合も、もし下手に「陽性」判定が出たら、参加できなくなる(ワクチン接種3回済みの場合は検査しないので、実は感染してたとしても、自覚症状がなければそのまま参加可能)

 やはり「いざ検査したら陽性だった」場合のリスクが大きいですね。でもこれは海外渡航でも同じことで、それだとさらに航空券などが無駄になるわけで、昨今の状況下で海外旅行してるみなさんは、それだけのリスクを負ってることになります。脱帽したくなります。
 海外の国でも、ワクチン接種を条件に検査免除としてる国が増えています。やっぱりここでも「ワクチン打ったほうが楽になるよ、リスク減るよ、ストレス少ないよ」となるわけです。そういう方向に世界中が持っていってますよね。
 ですが中にはイギリスのように、ワクチン接種も検査結果も一切不問で、以前のように観光客を受け入れるとする国が増えてきてるのも事実です。

 しかもこの検査、無料です。もちろんそれは税金から出てるわけです。「〇〇割」も税金です。安く旅行したい人の検査も旅行代も税金から出てるわけで、他の人からしたらたまったものじゃないでしょう。
 ワクチンも無料で、当然それも税金から出てる。じゃあワクチン接種者に報いるのはリスクを負って社会貢献をしたのだから問題なくて、打ってもないのに税金使って旅行する奴はひどい奴? でもそもそも、ワクチンを接種することを強制するのも問題なら、打ってない人を差別するのも問題です。
 これって考えれば考えるほど、何が正しくてなにが間違ってるのか、わけがわからなくなります。

 以上、いろいろありますが、実際に使ってみたらこうなったというレポートでした。
 個人的には、こんな歪んだお得制度も、ワクチンも、検査も、早いところ全部なくしてもらって、2019年以前のような当たり前の旅行ができる社会が、一日も早く戻ってきてほしいと思います。
 思うと同時に、ワクチン打たずにどこまでやれるか、やってみたくもなります。我ながら度し難いと言うか、なんと言うか……。

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