ワクチン・検査パッケージの利用方法からわかる「意地でも3回目接種をさせたい政府」の思惑

 数泊の旅行に行こうと思いホテルの予約サイトを見てると「〇〇プロジェクト」とか「〇〇割」などのお得なプランが並んでます。
 一泊7500円のホテルが、「〇〇割」で5000円キャッシュバック、さらにその自治体のクーポンが2000円分もらえて、実質500円で泊まれるとかですね。
 そういえばGoToトラベル(今は全国的ではなく各地でですが)がまずはその県の中(県民割)で、4月からは隣接県なども含め(ブロック制)、GW前までで実施されているんでした。これを全国やもっと大きな地域に広げるかは、GWが終わってから検討すると、ニュースで言ってましたね。GWは割引無くても旅行したい人はしますから。
(記事を書き終わってからニュースを確認したら、昨日の時点で5月末まで延長、ただしGWは除くと発表があったようです)

 そこでどうやってその「〇〇割」を利用するためのワクチン・検査パッケージを利用するか、少し調べてみました。(以下、自分は埼玉県民なので、埼玉県民の場合にどうなるかを基準に調べています。ですが全国、ほとんど同じようです)

 適用条件はどれを見ても、こんな感じになっています。

① 新型コロナワクチン3回接種済 
② PCR検査(検査当日+3日有効)もしくは抗原定量検査(検査当日と翌日まで有効)陰性 
③ 年齢11歳以下 

 PCR検査はともかく、抗原検査は当日に結果が出ても翌日までしか使えないので、せわしないです。
 検査自体は、自分の住んでる都道府県なら、無料で受けることが出来ます。
 では実際に検査を受けようとすると、どうなるか。
 検査機関(病院、薬局、検査専門店etc)によって様々ですが、検査申込書を出す必要があります。
 埼玉の申込書はこちら。

https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/209929/mousikomisyo.pdf

 しかしこれを見て、とても違和感を感じました。それはここ。

 イベントや旅行目的で使う場合、原則として抗原検査になると書いてあります。でも抗原検査は当日と翌日しか有効ではないですよね。数泊の旅行では使えません。
 そうなるとPCR検査にしてほしいのですが、4.でPCR検査を選択しようにも「数日に渡って必要なため」という項目がありません。
 そういう目的では「例外としてのPCR検査」は受けられないので、抗原検査になってしまいます。
 抗原検査は当日と翌日の二日間しか有効ではないですから、あまりに不便です。
 それにPCR検査の結果を当日や翌日にもらえればまだマシな方で、中には二日後というところもある。そんな遅かったら抗原検査と有効期限ほとんど変わらないでしょう。

「ワクチン3回目」を打てばこの煩わしさからは解放され、何泊でも好きなように旅行が出来ます。
 海外渡航においても「3回目のワクチン接種」を条件に入国時の検査や隔離を免除しているところがあったはずです。
「さあ、みんな3回目を打とう! 打てば自由になれるよ! 面倒から開放され、選択肢も増え、お得な人生を送れるようになるよ!」
 こう言われてるようなものですね。

 ネットでは「ワクチンを打ってる人は恐怖を克服し、義務を遂行したのだから恩恵を得られて何が悪い。打たない人間が悪い」という意見を見かけます。「打ちたくなければ打たなくてもいいけど、割引は受けられないのは当たり前」というような意見も。

 ワクチンを打った人間に恩恵を与え、優遇する。その財源は当然税金ですが、税金は打ってない人間も等しく徴収されるわけです。
 見方を変えれば、打ってない人間には罰金が課せられてるようなものです。

 2020年のGoToトラベルでは「旅行に行く暇人に税金が使われ優遇されるのはおかしい」という意見があり、また「高額な旅行をする人・プランを提供する施設が得をし、安価な方にはお得感がない」という意見もありました。
 ただそれはそれで、コロナでもっとも打撃を受けた旅行業界に経済効果を及ぼすという目的がありましたし、今後再開されると言われているGoToでは、より安価な施設や旅行にも恩恵が行き渡るようにするとは言われています。

 これはまだ旅行だけの話ではありますが、こういう優遇措置(逆から見れば懲罰措置)は今後、他の色んな所にも拡充されていく可能性があります。例えば携帯電話の通信料金をワクチン打ってれば割り引くなんてことも出来るわけです。
 鉄道などはどうかというと、海外の例を見ると、近距離交通はともかく、遠距離交通(新幹線、飛行機など)はワクチンを打たないと利用できなくさせた国がありましたよね。
 日本の場合は打たなくても利用できるが、打ってる人は格安で利用できるところ、定価でしか乗れないとなりそうな気もします。
 使うには不便で融通の効かない検査も今は無料ですが、いずれ無料の扱いが終了とされ、さらに検査ではダメでワクチン打ってないと適応にならないと、対象を狭めていくことは当然想定できます。

 こうなるとワクチンを打たない人からすると社会のあらゆるものが「割高」になってしまうので、家から出るのが億劫になります。ワクチンを打たない者を排除する社会が、これで出来上がります。
「海外のようにワクチンを打たないことを直接的に罰するような規制はしない。だが、打たない人間には、社会参加をしづらくさせ、結果として罰せられるのと同じような効果をもたせる」わけです。

 日本におけるマスクと同じようなものですね。
 日本政府は一度として、マスク着用を義務化したことはありません。ですが緊急事態宣言や蔓延防止措置の時に営業できる店の認証などで、感染対策の徹底を要求しました。そこには当然、入店者へのマスク着用励行もあった。
 その結果、ほぼすべての店に、「入店時にはマスク着用をお願いします」という掲示がされるようになり、マスクをしない者に対して強い同調圧力、プレッシャーを与える社会ができあがってしまいました。
 飛行機は現実問題として、マスクをしないと乗ることが出来なくなりました。着けずに乗ろうとしても機長命令で降ろされてしまいます。

 どう見ても「ワクチンを打たない、マスクをしない人への差別」としか自分には思えないのですが、日本の多くの人はそうは思わないみたいで……。
 なんとも暗い気持ちになります。

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