うめ

地方で小さな学習塾を開いています。

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打算が働いてしまう

学習塾に就職して1年目。 私の入社とほぼ同時に入塾してきた中3のMくんという生徒がいた。 志望校は地域で偏差値1番のA進学校。今のMくんの成績だとだいぶ厳しい。 それどころか、2番目のB進学校でも厳しいという状態だった。 国語と英語が苦手で、その2教科に特に力を入れるという方針で進めていった。この塾は週1回から通えるのだが、彼は週4で通っていた。数が多いので接する機会も当然増える。 私にも少し慣れてきてくれたかなというころ、「将来学校の先生になりたい」ということを打ち明けて

    • 不信感が募ったけれど、的を得ていた指摘

      仕事をしている間、生徒からは「先生」と呼ばれている。だけど、もう二度と自分で自分のことを「先生」とは言わないぞと強く心に決めている。 塾講師の仕事に就いて間もないころは、生徒に対して自分のことを「先生」と称していた。 「先生は~と思うよ」とか「こないだ先生が渡したプリントは?」 というふうに。 周りの講師もそんな感じだったので、特に疑問も持たなかった。 そのまま1年が過ぎたある日。朝礼で中途入社のK先生が紹介された。 朝礼後トイレに行くと 「でもその割にはネクタイが古臭く

      • どんな道に進んでも大丈夫

        講師の仕事に就いてから、よく思い出す言葉がある。 時は高校の卒業式までさかのぼる。 国公立の前期試験を終えて、結果を待っている状態の生徒がほとんどであった。つまり大半の生徒が進路が決まっていない中、卒業する。 私もそのひとりだった。 式を終えて教室に戻り、最後に担任からの話。 「これから合格発表でみんなどうなるか分からないけど、たとえもし落ちたとしても、君たちなら大丈夫だ」 高校では常に競争だった。中間期末の定期テスト、国英数の一斉テスト、長期休暇明けの課題テスト、それ

        • 自己紹介

          中学生対象の小さな学習塾をひとりで営んでいます。 大学卒業後、学習塾に就職して、3年後に退職。 大学に編入して2年勉強し、今の学習塾を開きました。 この塾は、受講生それぞれが自分の課題に取り組み、必要な時に講師が見るという個別授業の形式をとっています。最近知ったのですが、「寺子屋方式」とも言うそうです。 個別授業形式なので、勉強が得意な子も苦手な子もいます。 実は私、先入観をもっていたんです。勉強が苦手な子は親に無理やり連れてこられている、と。 でも実際に接してみると、

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