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創作童話 「光のキャンディ」

「さあさあ、みなさんおしゃべりはやめて、一列に並びなさい」

ワイワイガヤガヤおしゃべりしていた天使たちは、ピタリと鎮まり、まっすぐ一列に並びました。

「いよいよ、君たちが地球に生まれてゆく日が来ました。」

わーっと歓声が上がりました。

「これからみなさんに大切なプレゼントを渡します。」

「わーい、プレゼントってなんだろう?」

「プレゼントはこれですよ。」と校長先生が手の平の上にキラキラ光るものを差し出しました。

「これから地球に生まれる君たちは、大切なことを忘れた地球の人たちのお手伝いに行くんだよ。」

「地球は宇宙の中にあって、まだ戦争をしている星です。」

「人々の心は、自分さえ良ければいいという悲しい心になっていて、ものごとの価値基準が狂っています。本当の自分を忘れてしまったからなんだよ。」

校長先生の話にみんなは動揺を隠せませんでした。

「ああ、そうだった。地球のことは学校で学んだんだ。」

「それでも僕たちは地球に生まれることを志願した。」

「でもさ、生まれる時は全部忘れるんだよね。やっぱり地球やめようかな」

「いや、僕はそれでも地球に生まれるよ。だって僕たちは天使じゃないか!」

「みんな!がんばろうよ」

みんながそれぞれの思いを口にして、また決意を新たにした時、校長先生が話し始めました。

「大丈夫だよ!君たちが天使だってことを忘れても、ちゃんと思い出せるように、この光のキャンディを君たちの心の中に置いておきます。」

「この光は神様の光だよ。つまり愛そのものなんだ。」

「君たちは愛を心に抱いて生まれて行くんだよ。」

「さあ、上を向いて大きな口を開けてね。」

校長先生が一列に並んだみんなの口の中に光のキャンディを入れてくれました。

「この光は一つのつながった光なんだよ。人間の目には見えないけれどね。そして暗闇を照らす光だ。」

「君たちが誰のことでも自分のことのように、喜びを感じられたら、輝きが世界に広がって、大きくなるんだよ。」

「もし誰かが寂しくしていたら、君がその光を分けてあげれば、笑顔を思い出してくれるよ。光は与えれば与えるほど大きくなるからね。決して無くならないんだよ」

「本当は誰にでもこの光は心の中にあるんだ。それを知らないで忘れているだけなんだ。」

そうして僕たちは地球に向かって飛び出した。

光のキャンディ、神さまの愛を心に抱いて。

天使はすぐ近くにいるよ!

分かるでしょ、君なら。


おしまい

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