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「Dazzling White Town」と「無敵級*ビリーバー」を観ていると

激熱な夏に激アツなCD2枚がリリースされた。

7月29日に虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会より、中須かすみソロ曲CD『無敵級*ビリーバー』が

8月19日にラブライブ!サンシャイン!!より、Saint Snow 1st single
Dazzling White Town』がリリースされた。

数多くのCDのリリースが延期しAqoursも6thツアーのテーマソングCD、Club CD、虹ヶ咲は1st liveのBlu-rayが延期の影響を受けたがこの2枚のCDは無事延期も無く発売されて良かったと思う。

しかし、このPVを観ていると……

ニヤニヤしてしまうね。

先に言いたいことだけ言わせてもらうと、この2つはシリーズとしては革命的であると思っている。ラブライブシリーズにおいてアニメーションPV付きの楽曲というのは特別な楽曲に位置するのは言うまでもない。無駄な曲などあるわけないが、それでも他の曲よりこれらの曲は重要な立ち位置に置かれるはずだ。
革命的であると書いたが、この2つに共通しているものは何か?
それはこの2曲はラブライブ!シリーズにおいて特異な存在だからだ。特異な存在でありながらPV付きでリリースされた。そのことにとてつもない意味を感じる。

無敵級ビリーバーはラブライブシリーズにおいて現状唯一ソロ曲でのアニメーションPVだ。
曲を歌えるのは1人だけ、というコンセプトのもと総選挙が行われ、中須かすみが見事1位を獲得した。
楽曲前後のドラマパート、間奏で他8人の虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会は登場するものの、その映像は中須かすみの、中須かすみの楽曲の、中須かすみの為のPVである。この楽曲が中須かすみにどういう意味を持つのか、曲が伝えんとしていることはなにか?は他の方noteやはてなブログなどで書いている方がいるのでそちらを参考にされたし。

虹ヶ咲は全員がソロ活動の9人の集まりであり仲間でありライバルという立ち位置だが、そのコンセプトの中アニメーションPVを獲得できるのは1人だけというのは前代未聞のため物議を呼んだ。事実私も投票しながら100%それを肯定することはできなかった。
しかしその完成度の高さは私の中に残っていた批判的な気持ちすら打ち消すだけの圧倒的なパワーがあった。
いよいよCGと手書きの境界線すら危うくなるほどに進化した作画はもちろんだが、今まで9人平等に描くために割かれていた映像(無論多少のセンター優遇はあるものの)をたった1人のために用いるのである。単純計算でも与えられる情報量は9倍になる。9倍、つまり9人楽曲のアニメーションPVが9本作られなければ元が取れない量である。
しかも作画はアニメの作画と来ている。人類は無敵級ビリーバーでアニメ作画で動く同好会のメンバーにはじめて出会うのだ。

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新規の1枚絵ですら見ると未だに違和感と新鮮さの狭間でドキドキするオタクには与えられた情報量に窒息しかねないほどである。
豪華だとかそんなレベルではない。比喩表現抜きに一生これで食っていけるほどの情報だ。中須かすみ推しだったら神棚に飾って毎朝CDに排礼していただろう。


Dazzling White TownはSaint Snowがついに単独で名義発売したCDだ。Saint Snowはラブライブ!サンシャイン!!においてAqoursのライバルでもあり仲間であるというポジションだが、ライバルポジションが主役を飾るアニメーションPVも史上初だ。μ'sには同じくA-RISEというライバルがおりライブシーンも存在してはいたが、このように単独名義でCDを発売してPVも付くのはSaint Snowが初だ。
今まで描かれなかったSaint Snowの日常、PVから描かれる仕草、2人きりだと2人はどんな会話をするのか。それは欲しかったものであり、夢想していたものだ。聖良にぬいぐるみをねだる理亞、大量のブロッコリーに青ざめる聖良、バイクで函館の街を疾走する聖良。朝、お店の看板を開けニッコリとほほ笑む理亞。これだよこれ。嗚呼。

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しかし、サンシャインにおいてこれらは今まで描かれたことがなかった。何故か。それに対する答えはAqoursの物語だからとしか言いようがない。身もふたもない言い方だが、扱いがどれほど良くなったとしてもAqoursの物語である以上カメラのフォーカスは9人に当たる。Saint Snowは9人にかかわる人でありAqoursが函館にいくか彼女たちが沼津にくるかでしか彼女たちは描かれることない。それ以外で描かれたとしてそれは千歌と聖良の通話なり、Aqoursの誰かしらを通して描かれるものだ。
それがついに、このような形で描かれることになった。


ラブライブシリーズは10年目に突入し、虹ヶ咲は10人目が加入し、新シリーズもスタートしたが、この2曲のPVは10周年にふさわしい挑戦だと思っている。

無敵級はPVの作画がこれまでと全く違うというのもあるし、1人にスポットが当たっているというのもあるが、これまでとは確実に何かが違う、と感じさせるものがあった。まだそれが何かは明確な回答は出せないがそれはひょっとすると作曲にこれまでのラブライブワールドとは全く違うDECO*27氏を起用しているからなのか。
それとも私含め、視聴する人が虹ヶ咲に「あなた」という立ち位置で関わっているから目線がAqoursやμ'sのPVを観る目線が自ずと違ってくるからなのか。
とにもかくにも表情豊かに描かれる中須かすみはラブライブでありながらこれまでに全く体験したことのないものだった。良くも悪くもラブライブ慣れしていた私に全く知らないラブライブ!を見せてくれた。
ラブライブ、お前こんなことも出来たのか……。

Saint Snowだが、一つとてつもなくいいな。と思ったことがある。

駅の広告である。文字通りSaint Snowが看板となった。Saint Snowがラブライブ!サンシャイン!!の看板を背負って立っているということだ。え?みんなご存じSaint Snowですよ?Saint Snowはサンシャインの看板を背負えるだけの存在ですよ?というメッセージに他ならないではないか。
あの「遊びじゃない」と言っていた2人がaqoursとタッグを組み曲を歌い、現実でのライブにも参加し、劇場版でもライブを行い、ついには単独名義でCDを発売し看板を背負えるだけの存在に勝ち上がっていった。サンシャインはAqoursの物語だと上で書いたが、訂正しなければならない。立派なもう一人の主人公となったと言える

2019年にAqoursの4thシングルとして未体験horizonがリリースされたが、2020年にリリースされたこの2つのCDは未体験horizonが示したラブライブシリーズの地平線の広さを象徴しているように感じる。まだまだ底知れぬラブライブの可能性を期待するとともに、はやく何も気兼ねなくこれらの楽曲をライブで味わえるようになってほしいと思う。

うう……6th live……。

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