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シャッフルされ見えるもの「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 シャッフルフェスティバル」感想

ヘッダーはday2の壁紙に描かれた応援メッセージ「PIA Message Wall "RENGA"」です


3月20、21日に行われた虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 校内シャッフルフェスティバル。期待半分、不安半分が正直なところだった。

時にライバルとして、時に仲間として、それぞれの思いを胸に日々活動する
「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」。
メンバーひとりひとりが大切にしている、スクールアイドルとしての気持ち。
大切なライバルで、大切な仲間だから――
もっともっと、知りたくなるんだ。
まだ知らない君を、見つけにいきたい!
それぞれが大切に歌ってきた楽曲を交換してパフォーマンスをすることを決めた少女たち。
それは、お互いの想いを伝えあうことで――。
「ねえ、あなたは誰がどの曲を歌ったらいいと思う?」
公式HPより

まず、そもそも無事に開催が出来るのかという不安。day1は冒頭地震で一時中断となったが、無事に終わることが出来て何よりだった。

そして、ライブ内容への不安。スクスタ1周年を記念して発表された本企画、よくよく考えると正気の沙汰の企画ではない。彼女達の持ち曲は彼女個人の為に作られた曲であって(いやそれはμ'SでもAqoursでも同じなのだが)ソロ活動メインの虹ヶ咲にとって、よりウェイトが置かれるはずのものだろう。それを入れ替えて、いったいどうなるというのだ…?

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「もし~~が***を歌ったら?」

オタクのたらればの話としては珍しい内容ではない。スクスタで新MVが出るたびに推しに踊らせたりするだろう。それに声優アーティストがソロイベントで本来自分の楽曲ではない曲を歌うこと自体は珍しいことではない。カバーアルバムというものも存在する。しかしそれを前面に押し出したライブを、しかもキャラとのシンクロが売りの1つのラブライブ!でそれをやることの意義は……

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そして虹ヶ咲のコンセプトは『仲間でありライバル 』。それはマンスリーランキングや、1stライブではまさかの最後にもう1回歌う人を客席に選ばせるという形で飛び出してきた。私には1st liveのあれが良かったことなのかどうなのか、未だに答えられない。
仲間でライバルという言葉がお題目となっていないか?というか、その方便を使えばキャストを曇らせても良いと思ってるんじゃないのか?と思った時もありこのイベントに対し100%肯くことが出来ないでいた。
しかしファンが、キャストが(例えばふりりんはコワレヤスキを歌いたいと幾度となく語っている)与太話として何度もしてきたことをマジで行うからには、そんなカラオケ大会みたいなノリで終わるはずが無いという期待もあった。

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蓋を開けてみれば、何を不安に思っていたのだろうと自分をこき下ろしたくなるくらいの満足度があった。運が良く2日目は現地で参加することができ、スタートが間近に迫りBGMが爆音になった時、久々に全身が震え上がり生を実感したりもした。

まず、虹ヶ咲10人の終始楽しそうで、嬉しそうな顔。2020年9月の2ndは無観客配信で、その中でできることを探しつつ、新たな可能性を見つけるという意味で有意義ではあった。だがキャストにとってそこに観客がいないということはとてつもなく精神的にキツいということが突き付けられ、相良さんや指出さんはMCで涙を溢し、何もできないオタクの心は千々に引き裂かれた。虹ヶ咲の有観客でのライブは2020年1月のラブライブ!フェス!以来。彼女たちが「虹色Passions!」でスタートした時の晴れやかな顔はまさにフェスティバル~お祭りのごとく。また彼女達に逢え、そしてすごく楽しそうな彼女の姿を観れてすごく嬉しかった。

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実際入れ替えられた組み合わせは以下の通り。私のは投票した組み合わせはほとんど当たらなかったが(歩夢だけはCHASE!が来ると勝手に確信していたので、ギリギリまで焦らされたday1では意表を突かれた)「そう来る!?」という組み合わせばかりだった

上原歩夢「あなたの理想のヒロイン」
中須かすみ「CHASE!」
桜坂しずく「ドキピポ☆エモーション」
朝香果林「めっちゃGoing!!」
宮下愛「ダイヤモンド」
近江彼方「Evergreen」
優木せつ菜「決意の光」
エマ・ヴェルデ「夢への一歩」
天王寺璃奈「眠れる森に行きたいな」
三船栞子「Starlight」

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入れ替えて、いったいどうなる?と冒頭で書いたが、不思議なものでどのキャストがどの楽曲を歌っても声優が歌っているのではなく、キャラクターが歌っていると私は感じた。キャラクターとのシンクロがラブライブでの見どころあるのはもはや言うまでも無いのだが、自分の楽曲ではない曲であってもそう感じさせるのは、並大抵のことではない。

それは無論歌い方やダンスの努力もあるのだろうけどシャッフルされたくらいでは揺るがない、そのキャラクター、演者の強度を感じた。と言えば良いのだろうか?きっと別の楽曲であってもそこに大西亜玖璃が立って歌えば上原歩夢になるのだろう。

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そこには上原歩夢が歌う「あなたの理想のヒロイン」がそこにあったし、宮下愛が歌い、踊る「ダイヤモンド」を、近江彼方の歌う「Evergreen」をたしかに観た。

そして、別の人が歌うことでその曲(人)の新たな一面や、この人が歌うことで楽曲に新たな文脈が生まれるということ。

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初日、第一手「夢への一歩」をあまりにものびやかに歌い、不安をスイスの向こうへ吹き飛ばしたエマ
まりあは涼しい顔で踊ってるのから大丈夫なのかなと思っていたらキツくて普段どんだけ頑張ってるんだと語った彼方の「Evergreen」
璃奈ちゃんの歌う「眠れる森に行きたいな」はそのままオフラインにしたくなる誘惑にかられた
「めっちゃGoing」を歌う果林先輩はよ、陽キャ~~~~~。ていうか歌のお姉さん!?となり
これまでのしずく曲からはありえないほど体を動かし、アニメ要素を持ち込んでしずちゃんボードを爆誕させたしずくの「ドキピポ☆エモーション」
初めて有観客の舞台で、袖を振り、真剣に「Starlight」を歌い風紀の乱れを引き起こした栞子
合いの手をアレンジし、元気かわいく歌い切った愛さんの「ダイヤモンド」
Day1,2で栞子リスペクトと、自分の中に落とし込んで歌うと歌いかたを変えて披露したせつ菜の「決意の光」
しずくにはなかった最後の「好きだよ」の口パクの後に照れたように笑いヒロイン力をカンストさせた歩夢の「あなたの理想のヒロイン」
かすみがかっこいいを引き出し、MV以上に高いハイキックを繰り出したり、腕のアクションを「ダイヤモンド」などでは見せなかったキレを見せた「CHASE!」

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原曲へリスペクトを込めて歌う人
このキャラがこの歌を歌う意義を考え歌う人
自分の楽曲ではない曲を歌うことで本来の担当メンバーが如何に努力しているかを改めて実感する人
自分以外の人が歌うことで楽曲の新しい一面に気付く人。

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これは10人それぞれがMCで語ったことで、(ほとんど思っていたこと言われてしまった…)という感じなのだが、今回のライブは虹ヶ咲の「仲間でありライバル」というテーマ性が良い形で飛び出してきたのではないだろうか?と思っている。私はこのシリーズで当たり前だと感覚が麻痺していた、キャラクターと演者のつながりの深さというものを今回のライブで今一度思い知らされた。

そしてこれまでライブではニジガクの誰かしらが涙を流していた。今回はうれし泣きこそあったように見えたがマイナスな意味での涙は無く、ティッシュ係こと前田さんが出動することが無く、お祭りらしく楽しいまま終わったことが彼女たちがより強くなったのだなと実感させてくれるライブだった

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最後に、今回もライブのラストに披露された10人曲である「Just Believe!!」だが衣装として実装されることが決まった。個人的には私はあの曲はライブTこそが正装であると思っているのだが。実装するなら無論MVも3Dで実装されるだろうけど、どうなるだろうか?

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