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素顔のフォトエッセイシリーズ Rainbow Days~は必読のアニガサキ補完書である

アニガサキことアニメラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会が放送されその周辺の展開も活発になっている。聖地お台場でのキャンペーンや、購買部での毎週展開されるグッズ、タペストリーコミックBookなどなど。どれが発売してどこの特典がいいのか。供給に……予算が追いつかない!嬉しい悲鳴ではあるのだが。

だがその中でも特にこれは!と言うべき書籍が刊行された。それが『ラブライブ!虹ヶ咲スクールアイドル同好会 素顔のフォトエッセイシリーズ01Rainbow Days~かすみ・愛・せつ菜~』である

これを見てラブライブシリーズのファンならあの本を思い出すことだろうことは想像に難くない。SIDことschool idll dialyだ。しかし本書のテキストを担当してるのはGOD、公野櫻子氏ではなく犬井楡(いぬい にれ)氏によるものである。キャストインタビューなどもキャラクターを考察するにとても有用だが、本書はアニメのキャラクター自身に1人20Pほど×3の寄せた1冊となっておりその内容はまさに素顔、に偽りなしで個人回1周したらこの内容アニメでやりませんか!?な内容となっている。私は虹ヶ咲については珍しくヒトリダケナンテエラベナイヨーな状態となっているのだが、推しの有無による贔屓目なしでも本書がアニガサキの補完として非常に有用なものとなっている、ということをお伝えしたい。
発売から1週間以上経過しているので購入を検討している方への参考になれば、と思い本書の感想を書いて行く。
(以下に記載するあらすじは私が勝手に抜粋した内容です)

chapter01:かすみ編

ある日、中須かすみはクラスメイトから何気なく同好会メンバーと比べられてしまったことにへこんでしまった。自信をつけるためにダイバーシティで開催している優勝賞品がティアラの"一番かわいい自撮りプリンセスコンテスト"に応募する。これに優勝すればかすみんがいちばんかわいいって大きな声で叫べるはず!と意気込んで申し込むかすみ。だが落選してしまったかすみは……!?

初手から申し訳ないのだが『ううううううううう!!!!!(汚い高音)』みたいな声があがってしまった。本書はスポットの当たっているキャラクターのモノローグで綴られるのだがそうなるとかすみにとって最も大事な部分である「かわいい」に幾度となくスポットが当たる。
癒し担当、ともするとオチ担当にもなってしまいがちな彼女。ここから先の内容は伏せておくが紆余曲折を経てかすみん自身の可愛さを見つけ、自信を取り戻す彼女の姿がそこにある。それは2話挿入歌『Poppin ' Up!』の『オンリーワンのきらめきを信じるよあきらめない』というまさにその姿勢そのものであり、そんな彼女が報われたことがただただ嬉しくなる。
なぜそこまで彼女がかわいいにこだわるのか、スクールアイドルをするのかもここではサラリと描写されている。しかし、ファンの前ではキュートでかわいいを見せたいはずの中須かすみの素顔なだけあって「ほ、本当に見てしまっていいのだろうか……?」というようなイケナイ舞台裏を見てしまったようなそんな気分にすらさせるものだった。

chapter02:愛編

バスケ部の助っ人もスクールアイドル活動も順調な宮下愛。週末、実家のもんじゃ焼きの屋の手伝い中、常連のおばあちゃんたちにスクールアイドルをやっていることを伝える愛。
「あれ?……なんだろ。なんか……ドキドキしてきたかも」
発表会でのお芝居や運動会でも緊張したことのなかった彼女がめちゃくちゃ緊張していて……!?そんな中愛さんをたずね1人の少女が……。

3本あるエピソードの中で最も突き刺さったのはこの話かもしれない。
アニガサキ4話では超人のようなスペックを見せつけた愛さんだったが、
本エピソードでは緊張してることをメンバーに相談したり、高校からの仲間であるメンバーに地元のことを話して照れたり、彼女も人間なんだよ……人間なんですよ。と思わせるような内容だった。
そして4話でフィーチャーされたリケジョ、宮下愛はここでも発揮される。ドキドキしているのはそれだけ愛さんにとってスクールアイドルが特別だからというメンバーからの言葉に対して「でもなんで特別なんだろう?」と答えが分かってるけど数式が導き出せないという例えを持ち出し、彼女はそれを楽しいと思うようになる。4話『未知なるミチ』で描かれた内容をまた別角度の切り口での描写していて、アニメのエピソードの補完にも役割を果たしている。
そして、このエピソードの挿絵、開いた時ギャッっと声が出てしまった。心臓が握りつぶされそうなほど良い。

chapter03:せつ菜編

放課後、たまたま数学のテストでせつ菜が100点を取ったことが話題に上る。中川菜々としても優木せつ菜としてもうまくやってることを褒めてくれる同好会のメンバー。しかし(それはみんなが自分の大好きを認めてくれたおかげなのに……)と悩む菜々。何か、みんなにありがとうの気持ちを伝えたい。でもどうやって……?
そんな時かすみ達から勉強を教えてくださいとのSOSが。優等生だったことがみんなの役に立つのかもしれない!せつ菜による勉強会が始まる!

描かれたのは中川菜々と優木せつ菜について。中川菜々は3話で優木せつ菜であることを封印しようするも、侑の言葉に奮い立たされ、再びせつ菜として再始動を始めた。しかしこれまでの優等生中川菜々が彼女から否定されるわけではなく、文中でとても柔らく、あたたかな着地を見せる。せつ菜がこれまでの中川菜々を過剰に否定してしまうことを危惧していた自分にとって、そのおとしどころには思わず拳をつきあげたくなるものがあった。

アニメ3話で彼女の大好きという気持ちを尊重してくれた同好会。そんな同好会との勉強会の中でせつ菜がどう変わったのか。
大好きな気持ちをお返ししようとする、せつ菜視点で描かれる同好会の姿はあまりに温かく「や、優しすぎる世界だ……」と感嘆してしまった。楠木ともりさんの活動理念でもある「みんなの心に灯りを灯す」という言葉を思い出したりもした。

またアニメでは親にかくれてスクールアイドル活動していた彼女だったが、本書では母親との関係性も短いながら描写され最後の一言には「良かったなせつ菜ァ……」と思わずにはいられないものだった。



さて、この3人の中に推しがいる人、もし推しがいないとしてもこのメンバーの話が良かった!という人。いやむしろヒトリダケナンテエラベナイヨーな人にも強くオススメできる1冊となっている。箱推しが加速してしまう。
1月末には彼方・エマ・璃奈編が、
3月末には歩夢・しずく・果林編
が刊行される予定となっている。




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