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MONSTER GIRLSの喜び「R3BIRTH〜First DELIGHT〜」感想

2022年1月22.23日に「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 UNIT LIVE&FAN MEETING vol.4 R3BIRTH FIRST DELIGHT」が開催された。これまでファンミは現地、配信何かしらの手段で各グループ1回は観ており今回は2daysとも配信で観ることにした。

まずは本公演の感想の前に三船栞子、ミア・テイラー、鐘嵐珠(ショウ・ランジュ)の3人について私個人の気持ちを書いておかないといけない。なぜならR3BIRTHというユニット、そしてこの3人に関しては人により思うところが全く違うと思っているからだ。

個々人としての感想はともかくとしてあまり高評価とは言えない、ハッキリ言うならば人によってはヘイトが溜まりに溜まったスクスタ2nd Seasonを経て新規加入したメンバー3人によるユニットだからだ。キャラクターとストーリーは切り離して考えても良いとは思っているが、坊主憎けりゃ袈裟まで憎いとはなるのは至極当然にことではある。かつてこのような記事を書いたことももはや1年以上も昔のことであることに目眩を覚える。

今更白状するが2nd Liveの感想を書かなかったのは、良いライブではあったのだがオンラインで無観客という環境でキャストのみなさんを見て感情を良い方向では無い方向へも揺さぶられたからだった。頭を抱えたと言っても良い。
そういった部分もある程度作用したと思うのだがでライブを見て栞子についてどう思ったかについてにあまりフォーカスが当てることが出来ず結論は保留、まぁこれから彼女を好きになっていけるでしょう。とポジティブに言えば期待、ネガティブに言えば妥協ともいえるものだった。

それから一年が経った。今更終わったことをグダグダと言うのは生産的でないこと承知の上で私個人としての2nd seasonへの気持ちを書くと、「やりたいことは分かるけど…道の組み立て方がヘタクソすぎるし1年間もダラダラかけてやることではない」という感想になる
2ndSeasonの終わり時点での3人の偽らざる評価書くなら
栞子→加入したものの見せ場が宙ぶらりんなのでいつまでも10人ではなく9+1の印象に見える(それはアニメにより分断され、肝心の現実でのライブ活動にも栞子がほとんど参加出来なかったという状況によるところも大きいが)
ミア→I'm still…までの話は純粋に評価出来るもののその後の出番が薄い
ランジュ→常に一貫して同好会の皆が大好きということは分かる。ちゃんと謝ったから許すけど…さぁ…
とお世辞にも良い気持ちと言えるものでは無かった。

割り切って彼女達が加入することでニジガクにどのような展開が産まれるのかという部分を考える一方で、いつまでこれが尾を引くのか…と消えない頭痛のような気持ちを抱えながら日々を過ごしていた。(やや嫌な言い方だがLiella!!とAqours含め3グループ体制で動いていたことは幸いであったといえよう)

ただこれだけは常に感じていたが「Monster Girls」はじめとした4曲を収録された彼女たちのCDには圧倒的な""強さ""を感じており、「悔しい…でも感じちゃう…」ではないが反対感情すら楽曲の強さでねじ伏せてくるのは彼女たちらしいな…と思っていたりもした。

さてそのような複雑な心境を抱えながら臨んだ本公演は結論から言うと非常に満足がいくものだった。現地補正を差し引けば1番かもしれないと思うほどだった。
ミア、ランジュのお披露目はカウントダウンライブがあったとはいえ、事実この3人だけの1st Liveと言ってもよい本公演はニジガクが始動し、彼女らが加入するまでの3年近くというブランクを埋める為の全力を感じられたのだった。
セットリストは以下の通り

M1:MONSTER GIRLS(short ver)
 ――ファンミーティングパート――
 M2:決意の光
 M3:I’m Still…
 M4:Toy Doll
 M5:Queendom
 M6 : 夜明珠
 M7:翠いカナリア
 M8:MONSTER GIRLS
 ――MC――
 M9:TOKIMEKI Runners(3人ver)
 M10:Love U my friends(3人ver)
 M11:全速ドリーマー(3人ver)
 ――ソロダンスコーナー――
 M12:ミラクル STAY TUNE!(3人ver)
 M13:Just Believe!!!(3人ver)

まず初披露から1年4ヶ月もの月日を経て栞子の「決意の光」のフルVerでの有観客での初披露である。そしてミアの「I'm still…」での歌唱力を見せつけた後の「Toy doll」で会場を沸かせランジュの「Queendom」「夜明珠」、そして新衣装を引っ提げ現れた栞子の2nd曲「翠いカナリア」の連続披露で思ったことは「3人とも場の制圧力が強すぎる」と感じた。
虹ヶ咲はどのキャストもそれぞれのステージの魅せ方があると思うのだがこの3人は和ロック、洋楽、中華とまるで異なるものなのにメンバーが変わるごとに一瞬でこれまでの余韻を掻き消しステージを自分色に染め上げたのだ。

何もかもあなたの全てを支配してあげる 

というまさに「Queendom」の歌詞の通りなのだが、「Queendom」は20章で「ハァ!!?」という衝撃とともに襲ってきた楽曲なのである種トラウマでもあったのだが、かつて自分を苦しめた敵が放つ必殺技が自分の味方となると頼もしいというような錯誤感を覚えた。

Toy dollは全英語なので「何言ってるかわからねぇ…」となる人は多いと思うのだがCDの歌詞カードや公式のYou tubeには和訳歌詞があるので読むことをお勧めする。2番の歌詞などあまりにもセンシティブで「この……14歳がよ!」となること請け合いである。

幕間のドラマは栞子、ミア、ランジュの3人がDiverDiva、  A・ZU・NA、QU4RTZのために最高のステージを探すというもの。3人は機材や設備が充実しているステージを提案するがDiverDivaは宇宙、QU4RTZはカフェ、A・ZU・NAは遊園地と各々が「ここが素敵!」と決めたステージをチョイスする(この選ばれたステージはこれまでの各ユニットのコンセプトとなっている)
そして各グループが披露するステージは最高のものとなった。栞子、ランジュ、ミアの3人は「最高」というものはスクールアイドルの数だけあるのだということに気づく。R3BIRTHも私達だけの「最高」を探そうとステージに立つというストーリーだ。

これはスクスタのシナリオで皆が幸せになるために適性に見合った活動を強いろうとした栞子、
最高の機材とスタッフでの楽曲を(本人の意に沿わずとも)しずくへ提供しようとしたミア、
スクールアイドル部という最高の環境を同好会の意思を蔑ろにして提供しようとしたランジュとも相似する内容だ。
個性を尊重する。皮肉なことにあれだけ自分の心を逆立てた2nd seasonがあったからこそ感じいるものがあった。おそらく何も知らなかったら「ふーん」くらいで終わっていただろう。

そしてR3BIRTHの楽曲「Monster Girls」ファンミパートではこれからどんどん強い曲歌っていきたいと語っていたが、強い。現在放送中の某柱ではないけれど、ド派手にレーザービームとミラーボールを光らせ、3ヶ国のボイスを組み合わせ魅せてくるパフォーマンスにはアタマ以上にカラダでわからせてしまった。トリップしたような心地よさがある。3人とも全くバラバラとファンミでも語っていたが実際A・ZU・NAとも違い、ライブで聴くと改めてそれぞれの主張が強く我の強さが出ているのに統率が取れている。フワフワした頭で(キングギドラかよ…(?))。と思ってしまった。見事にかませられてしまったわけである。


そしてこのライブのクライマックスなのだが「まだまだついていけますか!?」というレスポンスを聞けはあと2.3曲で終わりというのが定番だろう。しかしR3BIRTHは「まだまだついていけますか!?」の合図から3人でのトキランからの5曲(ダンス含めて6曲)連続というここ数年でもそうそう無い未知の領域に突入していったのである。ただでさえ9人のパートを3人で歌うことで負担が増えているというのにこれまでトロッコ曲であり振り付けは未公開であった全速ドリーマーはまさかのスクワットやら正拳突きやら某ブートキャンプの彷彿とさせる筋トレを振り付けに組み込んでいるのだ。しまいには組体操だ。一体何が起きていたのだろうか…
加減を知らないのか!という感じだがランジュは(その是非はともかく)仲良くなりたいという気持ちだけで部を立ち上げてしまった人なのでそんな人がライブをすればこうもなるだろう…という感じだ。

しかしR3BIRTHに限らずファンミでのセットリストの柔軟さ(DD2人でのめっちゃGoing!!やQU4RTZのアコースティックverで未来ハーモニーなど)はシャッフルフェスティバルなどを経てきたニジガクらしさがある。
それにトキラン〜からの楽曲は「ミラクルStay Tune!」を除けばこれまで9(10)人曲という扱いでありR3BIRTHの3人はトキランやLUmfのオリジナルVerには誰一人としていなかったのだ。それを歌うのは彼女たちなりの物語に文脈が乗り安直な言い方だがエモい。12人での披露はおそらく4thまでのお預けだが、先に3人だけで披露されたことに私は喜びを覚えたのだ。
「涙を越えたら虹がねぇ見えたの」なんてこの3人に言われて感じるものが無い人はいないだろう。
それにつけてもJust Believeの大団円感よ…

会場の熱気とともにアクセル全開で駆け抜けた後day1でのMCで法元明菜さんは「自分がステージに立つ側になって今まで自分が観客側として観てきた笑顔でパフォーマンスをしているニジガクの皆がいかに凄い努力をしているのか分かった」と語った。
それはグループとして加わることが決まっていても自分は加入していないから公的にはステージに立てず観客側として観ていた法元さんだから言える言葉だと思う。そして私は無印ラブライブ!での穂乃果が真姫に笑顔で腕立て出来る?って聞いたエピソードを思い出した。

正直なことを言うと彼女自身「ダンスが得意ではない」と告白している通り、完璧なパフォーマンスが出来るキャラクターであるランジュとしては幾分か怪しいところがあったがキャラクターを理解し、ランジュならこうする、と彼女なりに考え渾身の力でその想いを我々に見せつけてきたのだ。
内田秀さんも「自分に自信が持てなかったが今日はそれをやめようと思った」とday2で語り
ファンミでは「自分と栞子の共通点がない」と語った(2人とも姉がいるじゃん!と法元さんに突っ込まれてたが)小泉萌香さんは2ndの苦い想いをバネに再び同じ地に栞子として立ったのだ。
このライブで虹ヶ咲の1st~3rd分のライブの経験値を積みあの9人並んでやるといわんばかり。その3人の凄まじき気迫を、楽曲とパフォーマンスの激しさと楽しそうな笑顔から受け取ったのである。

当たり前だろ。と言われればそうなのだが、R3BIRTHの3人たちもまぎれもなくラブライブ !しているのだなぁと感じたのである。きっと私がR3BIRTHの3人に必要と感じていたものは彼女達だけでラブライブ !を感じられるかどうかだった。ラブライブ !を感じるとは何か。については色々あると思うが、少なくとも私としては1つはキャストの姿にキャラクターを見る事が出来るか。だと思っている。
何年もラブライブ !の沼に浸かっていると忘れがちだが、顔も性格も異なるキャストがキャラクターに寄せてパフォーマンスまで寄せるのは並大抵のことでは無い。
つまりそこに栞子が!ランジュが!ミアがいる!となれるかどうかだ。それを見事に見せつけられてしまった。幕間で語った最高のステージを見せる為に尋常ではない努力の果てに笑顔で歌って踊るミアがいたしランジュがいて栞子がいた。

彼女達の勝ちである。好きだなぁと思ってしまったのだ。好きになってしまったのだから仕方ない。苦々しい想いを抱えた人全てが気持ちが変わった!となるには時間がかかるとは思うがその大きな一歩を踏み出した、と思っているしこれを12人並ぶ4thの前に観れて良かったと本当に思っている。
モンスターエナジーの愛飲者である法元さんはライブ前やライブ中もモンスターエナジーのことをネタにしていたが、そのロゴのように爪痕が光るイベントであった。

更に強くなったR3BIRTHの3人が虹ヶ咲として再びかましてくれることを私は楽しみに待っている


余談
法元さんのYoutubeちゃんねるラジオ「あきなさんち」を昨年の下旬あたりから聴くようになったのだが約2時間を週1回で80回以上も行なっており、大変クセになる。沼に両足を突っ込んでしまった自覚が、ある。コメント拾いながらとはいえ1人喋りを1年半もやってればトーク力はそれは鍛えられるだろうな……と思った

これを書いている際に生放送が行われた。まさかのケチャラー設定が追加された。


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