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大丈夫じゃないのでオードリーの話をさせて

オードリーと言えばかの大女優オードリー・ヘップバーンかお笑いコンビのことかと思う人が多いだろうが私が話をしたいのはラブライブ !虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の楽曲のことだ。

歌うキャラは桜坂しずく(CV.前田佳織里)で2ndアルバム『LOVE U my friends』に収録されている。

 12月14 .15日に行われた1st liveで披露されたオードリーに私は頭を粉々にされてしまった。本当は1st liveすごく良かったという感想を先に書かなくてはいけない気もするんだが、約1ヶ月経ってもオードリーのことを考えているしこの幻覚を何かしら形にしておかなければいけないと思った次第である。
まずオードリーについて話す為には桜坂しずくの話をしなくてはいけないと思うので、長くなるけど話をする。知っている人は飛ばしてほしい。

自分らしさって

 桜坂しずくは虹ヶ咲学園通称ニジガクの1年生で演劇部に所属する傍らスクールアイドル同好会に所属している。夢は女優になることでスクールアイドルをすることが女優としての勉強にもなるというのが所属する理由だ。

彼女は根っからの女優であり演じることが何より好きな人だ。しかしアイドルであるということは他の誰を演じるわけではない、桜坂しずくを表現して歌わなくてはいけない。自分はどうすれば良いのか?桜坂しずくとして何を表現して何を観客に見せなくてはならないのか?スクスタのキズナストーリーではしずくの悩み、それに対してのアプローチが5章〜10章にわたりニジガク、時にはμ'sとAqoursのメンバーとやりとりと共に描写されている。

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そして11章で彼女の出した答えはこうだ。

自分はやはり演じることが好きだし演じるということなしに自分は表現出来ない。だから自分の理想のスクールアイドルを設定しその娘を演じることで自分を表現しよう。


 ……いや、さすがに「えぇ……っ」となってしまった。人畜無害そうな顔をしていて、とんでもないことを言う娘である。キズナエピソードの中で主人公である私(通称あなたちゃん)はしずくに「誰かを模倣しているようでしずくちゃん個人としての部分が出ていないのでは?」というアドバイスを彼女にする。上記の悩みはそれを受けての悩みであるがそもそもそんな事を考えもしなかったとは彼女の言葉である。
しかし彼女は先輩スクールアイドルやニジガクの仲間とのやりとりの中でやはり自分はお芝居をすることが好きということに気づいた。役になり切ることでその人の人生を生きる、それが楽しいと。
なのでこのスクールアイドルの為の曲をあなたに作って欲しいと。

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そして生まれたのがオードリーだ。この章の次のライブ前日を描いたストーリーを読むことでスクスタ内でオードリーがプレイ可能になる。(虹ヶ咲メンバーのキズナエピソード6〜12章は虹ヶ咲1st liveの2週間前に追加されたため、ゲーム的にも現実の展開においてもこれ以上ないタイミングだった)

 しかし、なんてことを言う娘なのだろう。他のキズナエピソードでもあなたちゃんのアドバイスが何かしらニジガクメンバーに影響を与えておりそれが新曲のテーマとなる。朝香果林などその最たるものだろう。が、彼女の場合原点に立ち返りあなたちゃんの意見を突っぱねる。この意思の強さである。「好きな物は好きなままでいていいし、捨てる必要はない」とはラブライブ シリーズで何度も描かれたことだ。それをこのような形でもってくるとは……想像だにしておらず意表を突かれたのが正直な感想である。

私は大女優

さてそんな出来事から生まれた曲『オードリー』。
『あなたの理想のヒロイン』がスローテンポなのと対極的に曲調のテンポが良く、サビでめっちゃ韻を踏むのが楽しい。
いや、それよりも、だ。
キズナエピソードを踏まえた上での歌詞がヤバい。

憧れのオードリー
ならばすぐに行動に
苦悩なんて見せちゃいけない
そうよ、そうよ私は大女優

いや、何だこれは??????

それまでこの曲は桜咲しずくのオードリー・ヘップバーンへの憧れを描き、こうありたいという意思の歌だと思っていた。だが、上記エピソードを踏まえると全く別の歌に変貌する。
悩んだ末に自分の素を出すよりも自分自身は演じることしか出来ないし演じることを貫くと決めた彼女が設定したスクールアイドルの為の歌を彼女が歌っているということだ。
『あなたの理想のヒロイン』と全く毛色が違う歌なのも納得がいく。おそらく『あなたの理想のヒロイン』の方はしずく自身を歌っているのだろう。

しずくがどのようなスクールアイドルを設定したかは具体的には描かれない。しかし彼女が設定したスクールアイドルでありながら、演じることの苦悩を歌う歌詞が入っている、これはどういうことだろうと考えた。単純に楽曲が先に作られてキズナエピソードはそれをもとに作られているからと言われたらそれまでだが……

ここから考察を通り越して妄想の領域に入るのだが、おそらく彼女が設定したスクールアイドル自身も彼女と近しいものがある、というより俯瞰的に観た?デフォルメ化した?彼女自身かもしれない。桜坂しずくが演じる桜坂しずくといったところか。

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しかし、私(あなたちゃん)は全てわかった上でオードリーを作ったと思うと……

そして1st Live

しずくパートは歩夢ちゃん、かすみんに続く3人目だった。『ワンダーランド』のノリノリっぷりで会場を虜にし、武蔵野森かすみんキングダムが建設されたと思ったら暗転、レトロな映写機のフィルム映像とともに

「Audery」

と書かれていた。

そして楽曲とともに登場したしずく役の前田佳織里さんは赤いコートに傘を刺していた。

 頭が粉々にされてしまった。まずビジュアルが良いだとかそういうのは置いておくとして上記のエピソードを踏まえた上でどのように前田佳織里さんが桜坂しずくを演じるのか、ライブ前にキズナエピソードを読んでおくことは公式から推奨されていただけに期待を寄せていた。
こう来たか……というのが感想だった。それは1つ前の中須かすみ役相良茉優さんが役としてではなくどこまでも中須かすみとして二曲歌いきったところも大きいのかもしれない。前とは対極的に桜坂しずくを演じることで桜坂しずくを表現した前田佳織里さん、グループの中では一番背が小さくもその演技力でステージを完全に自分のモノとしていた。サビ終わりで傘を突き立てるところの堂々たるや。アカデミー主演女優賞。

いつかきっとオードリー 大丈夫さDon't worry

勘弁してくれ、大丈夫じゃねえよこっちは 

ラスサビの前でコートをグルリと脱ぎ去りオードリーを歌いきり、続く『あなたの理想のヒロイン』につながる演出には目の前の大女優に視界は釘づけになっていた。それは桜坂しずくが誰かを演じたうえであえて自分自身として歌うということ。こんな文脈にあふれた順番があって良いのだろうか。
まず曲の良さにやられ
キズナエピソードを踏まえてやられ
更にライブでの演出にやられ
私は3度オードリーに滅多打ちされたのだ。

今回の2日間のライブ、色んな内容があったが個人的MVPは間違いなく『オードリー』だったと1ヶ月経っても思う。まだまだ他に演じたい子のイメージもあると言っていた桜坂しずくとそれを演じる前田佳織里さんには今後も目が離せないし、虹ヶ咲がより大きく虹を描けることを願ってやまない。訳の分からない内容になった気がするけど良かったということが伝って欲しい。


最後にこの内容のツイートにこの画像を貼るセンスがすごくすきです。



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