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名古屋には特に何もないが、日本モンキーセンターがある

こんにちは、他県民から「名古屋で観光できるところってある?」という問いに対し、無難に名古屋城や大須商店街と答えるしかなく、モヤモヤするタイプの人間です。

ところで、タイトルにある日本モンキーセンターというのは、愛知県犬山市にある霊長類専門の動物園のことです。現在(2019年12月3日時点)57種約850頭を飼育しています。

サル専門の動物園は日本でここだけです。オンリーワン。特別な存在です。だから、名古屋観光に来たときに行って欲しい場所としておススメしてもいいんじゃないか、名古屋から30分くらいで行けるしほぼ名古屋じゃないのか、むしろ日本にここだけなら胸を張って連れていくべきなのでは……? と思った次第。何を隠そう、私は日本モンキーセンターのファンなので。

日本モンキーセンターと聞いて、サルの動物園? それって面白いの? と思ってしまうかもしれません。大丈夫、面白いです。

ただ、犬山市に住む友人に「モンキーセンターを楽しむとかむずい」と言われたことがあります。確かに、そこまで動物が好きでもないなら、ただ漫然と行ってしまったら100%楽しむことは難しいです。

そこで! 日本モンキーセンターを100%どころか、200%楽しむ方法をご紹介いたします! 押しつけがましい記事でごめんなさい! でも日本モンキーセンターを知って! 行って! 楽しいから! という気持ちで書き上げました。愛しかこもっていません。長くなってしまいましたが、読んでいただけたら嬉しいです。

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(特に本文とは関係ないがすごくかわいいシロテテナガザルの兄弟「ジョージとジャック」)

日本モンキーセンターを楽しむ方法、その1

「SNSを見てみよう」

今の時代、下調べもせずいきなり行ってみるという人は少ないでしょう。営業時間や休業日、アクセスを調べるために公式HPを開きますよね? その時、トップページにあるTwitterのリンクを開いてみてください。開きましたか? 1時間か、少なくとも30分はツイートを見ちゃいますよね?

(日本モンキーセンター公式Twitterのリンク)

日本モンキーセンターは他の動物園と同様にSNSに力を入れています。なぜならお金がかからないからという事情は置いておいて、特にTwitterを重点にしており、他の園と違うのは担当が広報の人間ではなく飼育員さんだということ。

飼育員さんが仕事の合間に、リアルタイムでツイートすることに日本モンキーセンターはこだわっています。そのため、飼育員さんならではの視点や、担当動物への愛、魅力が伝わってきます。

かくいう私も、ぼんやりTwitterをしている最中にリツイートで回ってきたツイートにより、日本モンキーセンターへ久しぶりに訪れてみようという気持ちになり、あっという間にファンになってしまいました。

Twitterがなければシロガオサキのことはそんなに気にしなかっただろうし、チベットモンキーのザルバ様はただ大きなサルだとしか思わず、何より最推しであるワオキツネザルのチゴハヤは他の子と見分けがつかなかったでしょう。

ユーモアと動物の可愛さが雑妙なバランスである日本モンキーセンター公式Twitterを、ぜひ覗いてみませんか? 遠方でなかなか行くことができないとしても、サルたちの様子を毎日配信しています。いつでも見られますよ!

あと、Twitterだけでなくブログ「飼育の部屋」もおススメです。Twitterでは伝えきれないこと、ちょっと専門的なことなどを読むことができます。こちらも、Twitterと同じく時間泥棒ですのでお気をつけください。

(日本モンキーセンター公式ブログ「飼育の部屋」のリンク)

のっけから長くなってしまいましたが、次にいきましょう!

日本モンキーセンターを楽しむ方法、その2

「イベントに参加しよう」

日本モンキーセンターは年間を通して多くのイベントを開催しています。期間限定イベントと年中開催するイベントがあり、期間限定で直近のもので「たき火にあたるサル」が12月22日から開催されます。

「たき火にあたるサル」はニホンザルの仲間であるヤクシマザルの住むモンキーバレーというところでたき火をして、サルたちに暖まってもらい、芋を焼いて焼き芋を堪能してもらうイベントです。火を怖がるはずのサルがたき火にあたることができる理由、このイベントの成り立ちについては、現地に行き飼育員さんに聞いてみてはいかがでしょうか?

年が明ければサルたちに飼育員さんが愛情込めて作ったおせちをプレゼントする「サルおせち」があり、少し先の5月には「チンパンジーフェスティバル」、夏には飼育施設ごとに所属動物の魅力をアピールし合う「甲子猿」、10月は「キツネザルフェスティバル」など。ひとつひとつの楽しさを説明するだけで1つの記事になってしまいそうなので、それはまた今度。

甲子猿についてはこの動画を見てどんなものなのか知ってください。個人的にすごく白熱した試合です。

期間限定イベントだけでなく、毎週末に様々な体験イベントが開催されているのでぜひ参加してみてください! 日本モンキーセンターのスタッフの皆さんが考え尽くしたイベントのため、お子様からその付き添いの大人、動物園マニアまで幅広く楽しめます。

そして! 日本モンキーセンターは参加体験型のイベントだけでなく、勉強会もあります!

京大の研究者やその卵の方が研究内容を紹介してくれる「京大モンキー日曜サロン」というものが、月に1〜2回開催されています。

これは、日本モンキーセンターが京都大学霊長類研究所の附属機関だからこそできることです。サルのことが好きになり、もう少し詳しく知ってみたいという方にオススメです。内容も難しすぎず、長すぎないため気軽に参加しやすいですよ。

しかも参加費無料。大人になると何かを学ぶ時、講座を受ける時、かなりのお金がかかってしまいます。なのに無料。事前申し込みも必要ありません。本当にありがたい講座だと思います。

日本モンキーセンターを楽しむ方法、その3

「飼育員さんに話しかけてみよう!」

なんかいきなり難易度高くね? って思われるかもしれませんが、大丈夫です。むしろ飼育員さんの方が「モンキーセンターのスタッフはおしゃべり好きが多いのでぜひ話しかけてください!」と公言しています。

日本モンキーセンターの特徴として、スタッフがとてもフレンドリーなところがあげられます。

他の動物園はスタッフに声がかけ辛い雰囲気のところもあります。これは園によりけりですが、いくつか行った動物園の中で1番スタッフに話しかけやすいのが日本モンキーセンターです。

ある時、スポットガイドで飼育員さんに質問したところ、その時は「わからないです」という答えが返ってきました。それに対してそっかー、飼育員さんにわからなければ私にわかるはずないよなーという気持ちで終わってしまいました。

ところがその後、しばらくぶりにその飼育員さんにお会いしたところ開口一番「あれから調べたり、色んなスタッフに聞いてみたんですが、やっぱりわからなかったです」という言葉をもらいました。

マジかと。マジでかと思いました。私もふとした疑問だったし、調べてもわからなかったので駄目元で質問して、わからないと答えが返ってきたのであーやっぱり、くらいの気持ちでした。マジで調べてくださったんですか、マジですか。ありがとうございます。

その一件があり、日本モンキーセンターが好き、日本モンキーセンターを推したいといいう気持ちはますます強まりました。

日本モンキーセンターで働いているスタッフの皆さんは飼育動物が大好きです。私がとても好きな個体が最近どうしているか聞くと、とても親切に教えてくれます。めっちゃ助かる。嬉しい。推しを見ることができないので、近況を教えてくれる飼育員さんにはむっちゃ助かっています。いつもありがとうございます。

なのでサルのこと、疑問に思ったことなどを飼育員さんに質問してみてはいかがでしょうか?話しかける時は常識の範囲で、マナーを考えてくださいね!

日本モンキーセンターを楽しむ方法、その4

「写真を撮ろう」

こんなタイトルですが、日本モンキーセンターの一部はめちゃくちゃ写真が撮り辛いです。特にTwitterで人気のシロガオサキのモップくんがいる南米館の表、同じくTwitterで人気のチベットモンキーのザルバ様がいるアジア館の2箇所はマジでめちゃくちゃ難しいです。ベリベリハード。

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(シロガオサキのモップくん。バチクソ難易度の高い檻なので私の腕ではこれが精一杯)

カメラ好きで動物園で写真を撮っていたなら一度は思ったことがあるんじゃないでしょうか「檻がクソ邪魔だな」と。

カメラの性能やレンズ、撮る人の腕によっては檻がないように撮影することができますが、私のようなカメラ初心者には難しい話です。なので、取りやすいところを紹介します。

日本モンキーセンターの中でも、リスザルが放し飼い状態になっているリスザルの島と、ワオキツネザルが同じく放し飼いになっているWaoランドは写真を撮るのにおススメです。

両方とも檻やガラスなどがない状態で、かなり間近でサルを見ることができます。そのため、いい写真がめっちゃ撮れる。

生まれた頃から放し飼い環境に慣れているため、人間に警戒心がなく近くまで寄ってきてくれます。時には踏み台にされたりしますが、触ったりびっくりして振り払ったりしないよう気をつけてください。

私は幼稚園生の時、この日本モンキーセンターでリスザルが肩に乗り顔を触ってきたのでギャン泣きし、それ以来しばらくサルが嫌いになりました。なので、お子様連れは特に気を付けていただきたいです。喜ぶか、トラウマになるかはその子次第です。

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(リスザルの島では間近でボリビアリスザルを見ることができます)

ワオキツネザルが放し飼いされているWaoランドで写真を撮るのにオススメの時間帯は午後一、夕方の2つです。ご飯を食べている姿が見たいなら午後一、ジャンプしているところが見たいなら夕方といった感じです。暑すぎず寒すぎない暖かい日であれば、活発なワオキツネザルの姿が見られると思います。

また、Waoランドで暮らすワオキツネザルは4つの群れがあるので、その日出ている群れに注目してみてはいかがでしょうか。午前と午後で違う群れを出していたりします。どの群にも個性的な子がいるので、お気に入りの子ができたらその子のことを飼育員さんに聞いてみるのも楽しいですよ。

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(午後一にお昼ご飯を食べるワオキツネザル)

他にもヤクシマザルが約160頭暮らしているモンキーバレーもおススメです。ここは山が背景になっているので、秋に来るとサルと紅葉の写真が撮れます。また、今年生まれの赤ちゃんが3頭いるので見つけて写真を撮ってみるのもいいと思います。

ただ、モンキーバレーは広大なので遠くの個体をしっかり撮るには望遠レンズを持っていった方がいい場所です。

そして、動物を撮る時はフラッシュを切ってください。アフリカセンター内は少し暗いため、ゴリラのタロウさんやマンドリルたちを撮る時にフラッシュが焚かれてしまうことがあります。明るくても暗くても、屋内でも屋外でもまずはカメラのフラッシュ機能が「切」になっているか確認してから撮影してください。

そして、日本モンキーセンターではアフリカセンター内と南米館の夜行性のサルのコーナーでは許可がない限り撮影は禁止です。夜行性動物の撮影は園によって許可されていたりされていなかったりするため、現地の表示に従ってください。 

マナーを守っていい写真を撮りましょう! 日本モンキーセンターのタグを付けてSNSに投稿していただけたら宣伝になるなー嬉しいなーと思っています。君も日本モンキーセンターの広告塔にならないかい!?

(12月7日、夜行性のサルの撮影を推奨するような書き方をしていたため、訂正しました。誤った内容を公開してしまい誠に申し訳ございません)

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(モンキーバレーに暮らすヤクシマザル中で第一位のオス「タイマツ」)

はい、長いどころかクソ長くなってしまいましたが、いかがでしょうか。もうここまで読んでいる人なんていませんでしょうが締めと、注意事項などを最後に書いていきます。

注意事項として、ルールとマナーを守って動物園に行ってください。これは日本モンキーセンターだけでなく、すべての施設に当てはまることです。

・触っていい場所以外で展示されている動物に触らない

・必要以上に大きな声を出さない

・ガラスを叩いて動物の気を引こうとしない

・チンパンジーが手を叩いている時は騒がず見守る

など。全部大切ですが、最後のチンパンジーに対する注意事項はマジで守ってください。チンパンジーが手を叩くのはディスプレイという強さを誇示するための行為です。楽しいから手を叩いてるわけじゃないんです。

なので、人間が手を叩いてしまうと威嚇された! と感じ、ディスプレイを必要以上繰り返したりストレスになったりします。

あまり知られていないことなので、動物園に行く際には知っていて欲しいなと個人的に思うことです。チンパンジーに対して手を叩かない! マナーを守って気持ちよく楽しみましょう。

そして最後に、日本モンキーセンターはお金がありません。

残念ながら年間入園者数は年々減っています。赤字の上、施設の老朽化などで家計は火の車、多分。

なので、日本モンキーセンターは支猿をお願いしています。クラウドファンディング、Amazon欲しいものリストの公開、中古でもいいので欲しいものリストの公開、被服費を稼ぐためにユニクロでTシャツを販売するなど様々な形での支猿を募っています。詳しくはこちら↓

特にクラウドファンディングは今年12月末に第一期が締め切られてしまいますが、目標金額は8.9%しか達成していません。(2019年11月30日時点)なので、私はただのファンですがご支猿をお願いします!

サルたちがよりよい環境で暮らせるようにクラウドファンディングにご協力お願いします!

これが本当に最後となりますが、この記事を読んで日本モンキーセンターに行きたいと思っていただけたら幸いです。とても大切で、好きな場所ですので、それが伝わったらいいなと思っています。

名古屋には観光名所が乏しいけれど犬山まで足を伸ばすと日本モンキーセンターがあります。愛知県にお越しの際は、ぜひ日本モンキーセンターまで!










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