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宝塚記念 岡田軍団と吉田兄弟と横山親子

明日26日は宝塚記念である。春シーズンの最後の大一番、それにふさわしい豪華メンバーが揃った。岡田軍団揃い踏み、吉田兄弟、横山親子対決などつながりが深い関係者の対決となる。横山兄弟で人気を分けあり、父は後方から参観、吉田兄弟はガチ対決、どういう結末となるのだろうか。

コースと展開

コースは阪神2,200m、内回りであるが、このコースは直線が短いだけに3−4コーナーからの仕掛けと直線進入の位置どりが鍵を握る。但し、ゴール前には坂が待っており、ラスト1Fからはペースがガクッと落ちる。従って、3コーナーから追い出しにかかり、ロングスパートから最後坂を克服できるだけのスタミナが要求される。さらにG1ということで、決め手も求められる。総合力がないときついコースとなっている。

今回の阪神開催は、2週目ということもあり、馬場状態は良好。ハゲる馬場ではあるものの、基本的に先行・内枠が有利となりそう。本日の芝のレースでも先行有利であり、後方から大外に出して差しというタイプはやや不向き。時計は標準よりはやや速いタイムでの決着で、今日の4Rの未勝利戦で2分00秒6。

展開はやはり速い。先行馬がひしめき合うメンバーとなっているが、パンサラッサがハナを切って飛ばしていく形は大方の予想通りかと思う。前半1,000m通過タイムは59秒は切ってくるだろう。後続と離して単騎逃げで行くことはほぼ確実。ここでポイントは、59秒を切るとしても57秒台という超ハイペースで逃げるのか、あるいは58秒台中盤から後半で行くのか?ということになる。前者であれば後方勢はスロー気味に推移するので、流石に4コーナーで後続に並ばれてからはキツくなりそう。一方、後者ならどうか。3コーナー手前から早仕掛けに出た馬にかなり脚を使わせて、自分は悠々マイペースで逃げている中、後続がバテて自らは残ってしまう。強力な逃げ馬が繰り出す戦法がはまる、すなわち肉を切って骨を断つ、そういう可能性もある。

番手はタイトルホルダーもしくはアフリカンゴールドだが、ここは横山和Jは主張するだろう。パンサラッサだけ行かせておいて、あとの馬群の主導権は譲らない乗り方をする。その後に最内枠を引き当てたオーソリティ、アフリカンゴールド、ステイフーリッシュ、ウインマリリンが先行、先行勢を見ながら直後にエフフォーリア、ポタジェ、ヒシイグアスが続き、それらの後ろにデアリングタクトが追走という感じだろう。

内、先行有利であることから、ラスト4コーナーから直線の入口では、多くの馬が先頭に立てるポジションを取りたいと考えるので、ひしめき合う形となる。一方、溜めて直線勝負にかけてくる馬もいるだろうが、前が総崩れにならないと出番は回ってこない。

有力各馬の評価

オーソリティ

中長距離では安定感が武器。府中やドバイで好走しているように、左回りで結果が出ているような感じであり、右回りの阪神コースの克服が鍵となる。但し、右回りが全くだめ、という感じではなく、昨年の阪神での天皇賞で大敗したのは距離と位置取りが影響したようにも見える。自在性とレースセンスの良さがあり、先行勢を射程に入れながら立ち回り、最後まで持続できるスタミナもある。強力なライバルがいる中でも安定性があるのは心強い。枠順と馬場の利を活かす競馬ができれば。

エフフォーリア

大阪杯はよもやの大敗。理由がよくわからないだけに評価が定まらない。昨年の年度代表馬を取った時とは明らかに違っていた。道中も前進気勢に欠け、らしくなかった。調整過程も万全とは言えず、1週前追い切りでは走っておらず、関係者からも弱気なコメントが聴かれていた。しかし、今週の最終追い切りではブリンカーを装着。前進気勢が戻り、巻き返しに期待を持たせる内容ではあった。ブリンカー装着により仕掛けどころで前進していけるようなら強いエフフォーリアの競馬もできようが、馬具矯正でうまく行くかは未知数で、マイナスに出ると折り合いを欠いてしまう懸念もある。

タイトルホルダー

天皇賞は自らペースを作り、道中息を入れながらも仕掛けどころでは後続を引き離し、直線では持ち前の心肺機能の高さを武器に他馬を圧倒した。今回は距離が短縮する点と、強力な同型がいることがポイントであるが、距離の短縮については問題なさそう。一方、後者については、パンサラッサの動向でリズムが狂わされ、道中行きたがる素振りを見せてしまう点はやや留意が必要でここが唯一の心配点。このメンバーでの地力はトップだし、天皇賞馬へのリスペクトは必要で、天皇賞の反動は追い切りを見ている限りにおいてはそれほどなさそう。

デアリングタクト

前走のヴィクトリアマイルでは、故障から1年ぶりの復帰戦となり、懸念されていた点は多かったものの、馬場が良くない最内から33秒台で伸びてきていた。これこそが三冠牝馬であり、その強さには感服させられた。今回は追い切りでは物足りない内容となっただけに出来はどうなのか、さらにピッチ走法の馬であるだけに距離延長も引っ掛かるし、詰めて使うとテンションが上がってしまうところもある。しかし、この馬はどのような条件、状態でもそれほど崩れず、走り切る地力の高さがある。軽い評価はできない。

ヒシイグアス

中距離なら安定感がある。中段前めに構え、前を射程に入れながら直線で差し切るタイプ。大レースでも安定感が出てきた。追い切りも伸びており、調子は良さそう。直近は折り合いも付いてきており、ここでも馬券から外せない。

パンサラッサ

逃げてなんぼ、とにかく行くのがこの馬の身上。福島記念からこのスタイルでG3、G2を勝ち上がり、一気にドバイまで制してしまった。歴代の強い逃げ馬とは、類い稀なるスピードで他馬を圧倒、自らのペースに持ち込んで、勝負所では後続に脚を使わせて逃げ切りを図るのだが、この馬もそれに該当する。距離はギリギリというところで、ラストの坂も克服しなければならないが、それでも前述の通り、自らの展開にハマれば勝ち切ることもある。サイレンススズカもここを勝っている。

ウインマリリン

フレグモーネでなかなか追えず、大阪杯では大敗を喫し、不振からは抜けだしていない。しかし、今回の臨戦過程では徐々に復調の気配が出てきている。状態が良い時は、特に非根幹距離で強みを発揮するタイプ。昨年の天皇賞・春で5着にきているなど、阪神内コースのロングスパートにも対応できる。まだまだ回復途上ではあるが、大阪杯とは違ってきている。

アリーヴォ

小倉大賞典で目を見張る末脚を繰り出し、大阪杯も後方から徐々に進出し、最後は猛追し3着確保。安定して差し競馬ができるタイプであり、前が総崩れになれば頭もある。武豊Jも、前が速くなるので、後方から脚をためて徐々に進出し、4コーナーで前が見える形に持っていくのではないだろうか。

ディープボンド

有馬記念で2着に食い込み、地力の高さを見せつけたが、天皇賞・春では仕掛けどころで和田Jが追い出しをかけていたのにも関わらず馬が進んでいかず、タイトルホルダーに完全に置いて行かれてしまった。終始馬場の悪いところを通っていて、スタミナ切れもあったかとは思うが、それでも2着を死守したのはさすがと言える。追い切りではストライドが大きく、抜群に動いており、天皇賞よりも状態は良いと言えるかもしれない。距離短縮で和田竜二Jの闘魂注入で激走に期待。おそらく想定よりも前目で競馬しそうなイメージがある。

ポタジェ

大阪杯では前をみる理想的な位置取りからレイパパレを射程に入れて抜けたところがゴール。大阪杯は、ややうまく行き過ぎた感はあるかもしれない。しかし、レースセンスが良く、控える競馬も前につける競馬もできるタイプ。大外は確かに不利ではあるものの、道中折り合って追走できればこの馬の持ち味が出てきそう。

結論

◎オーソリティ
○タイトルホルダー
▲ディープボンド
⭐︎パンサラッサ
△デアリングタクト
△ヒシイグアス
△エフフォーリア
△ウインマリリン
△ポタジェ






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