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ダムによる治水

俺はnoteを常にスマホで書いており、このサムネ画像もいらすとやからダウンロードして載せている。

先日の変態仮面もネットで検索して、アップした。

昨日娘の写真をLINEで送ると言うのでスマホを渡したら、

よりによって変態仮面画像が最新の為、それを妻に見られてしまった。

これは恥ずかしい。

日々リスクマネジメントを怠らぬよう励まねばならない。

さてそんなリスクマネジメントの中から、河川の治水マネジメントについて書いてみよう(唐突&強引)。

これからの時期、河川の氾濫が増えてくる。そこでどのような仕組みでそれ等を防いでいるのかを簡単に説明してみよう。


水系と河川、そして流域

川は単純に示すと一本の水の流れる線で表される。

しかし、実際には一本だけではなく、枝のように別れているものだ。

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元々利根川は東京湾に注ぎでいたが、家康が関東の湿地を広大な農地に変えるべく、今の茨城県方面に「お引っ越し」させた。この利根川は、接続する全ての川を大きなグループとして利根川水系と呼び、逆にその中の様々な川を河川と呼んでいる。

また雨は基本的に高いところから低いところに流れる為、山の尾根を境に河川を形成する範囲(流域)が、その水系を構成する。

利水

そんな河川の水は我々の生活には欠かせないものだ。飲水は勿論、田んぼや畑で使う灌漑、農業用水に、工場等で利用する工業用水、更には発電でも使用されており、今では利用頻度は落ちたが嘗ては水運にも利用された(水運は産業革命、特に鉄道や航空の発展以前の交通の中心)。

治水

とは言え、便利なものには大きなリスクがつきものだ。河川においては洪水、氾濫がそれに当たり、またそれとは逆のリスクで低水、渇水と言う問題がある。

あまり意識はされないが、低水により河川の生態系か崩れることによるリスクは漁業を筆頭に決して小さくはない。

ダムの役割

利水や治水を、人間がコントロールしようと発明された技術はたくさんある。運河や水路、下水もそうだが、その中でも特に治水面において特筆すべき設備がダムであると言える。ちなみにダムとは(主に人造された)堤体のことを指し、その堤体により貯留された水が作る湖は「ダム湖」と呼ぶ。

そんなダムの役割は、既に述べた治水を行う治水ダム、もしくは利水を行う利水ダム、そしてそれ等を組み合わせた多目的ダムの3種類がある。

例えば黒部ダムは、関西電力が管理する、発電の為の利水ダムであり、

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また治水専用ダムとしては、あまり知名度はないが益田川ダム(島根県が管理)がある。

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これは洪水時に手前の部分に貯留し、下流の水位上昇を抑える目的を持つダムだ。基本的に水を貯めてそれを利用する、と言うことをしない。

また、これ等を組み合わせた多目的ダムは、例えば悪名高き八ッ場ダムが挙げられる。また、最も一般的とも言える。

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八ッ場ダムはダムから注ぐ吾妻川(換言すれば、吾妻川に作ったダム)、そして下流の利根川の洪水調節、そして下流流域都県の水道用水をはじめとした利用が行われている。

ダム建設闘争

余談だが、ダムと言えば地権者との争いを避けて通れない。

何故こんなことになるかと言えば、そもそもダムを建設する場所が限られるからだ。

選定する上で考えられるのが、

・建設費

・土地買収費

・効果的な立地

である。立地は上2つ両方に関わる重要な問題だ。

そもそもダムを建設するには、

川が流れており、堤体を作る上で谷間が狭いところである必要がある。堤体を何キロも作るのはそれこそ非効率だ。また雨の降る地域でなければ貯水が大変であり、目的に適わなくなる。

そして必然的にそのような地域は人が住んでる地域になる。

また治水ダムが少ない理由は、建設、維持費が回収しにくいこともある。利水ダムであれば、水利権者から使用料を徴収できるため、費用面の問題が緩和できる。ただしその場合、治水で使用できる容量が減る為、治水効果は下がることともなる。

洪水調節と緊急放流

そんなダムの役割の中でも最も重要なのが洪水調節であり、その手段の一つである緊急放流や事前放流だ。

よく誤解されているが、治水ダムの役割は洪水、氾濫を無くすことではない。そんなことは不可能だ。あくまで河川の水位上昇を抑えること、そしてピークを遅らせることにある

河川が氾濫する速度を落とし、その間に避難してもらうと言うのが正しい使い方だ。

またダムに貯留し、河川のピーク水位を下げ、決壊や氾濫を防止すると言うのも目的ではあるが、当然限度がある。

またダムそのものにも限度はある。ダムはダムの貯水容量以上の水を湛水することはできない。

そう言う場合には、下流の水位が上昇することを承知の上でダムの決壊を防ぐ為、緊急放流を行う。と言っても緊急放流とは基本的に貯めている分を余計に吐き出すのではなく、流入してきた量に等しい量を下流に流すのだ。

また、近年は洪水頻発に伴い、事前放流が検討されているが、これもまた難しい話だ。

多目的ダムは、利水者がおり、その方々に貯水量を減らすことを合意して貰わねばならないし、そもそも予測が当たるかどうかも分からない。昨年令和2年の台風10号は、過去最強クラスと言われたが、直前に通った台風9号のせいで海面の温度が低下した上に、コースが微妙にずれた為、予想に反して雨風共に被害は少なかった。

また同じく昨年の熊本南部を襲った豪雨と球磨川氾濫についても、全く予想もしない線状降水帯により急な豪雨となり河川が氾濫した。

ちなみに、それまで建設反対のまま進んでいなかった川辺川ダムは、その豪雨を受けて少し建設に前進したようだ(ここも八ッ場ダムと共に当時の政権与党民主党に建設を止められたダム。昨年のそれぞれの豪雨で明暗がはっきりしたようにも思う)。

そして誤解を防ぐ為に繰り返しになるが、建設しても氾濫がなくなるわけではなく、河川水位のピークを少し下げ、時間的に遅らせることが目的だ。

外水氾濫と内水氾濫

最後に内水氾濫について触れてみたい。外水氾濫とはいわゆる河川の氾濫のことだ。河川の堤防から溢水(越水)し、市街地や田畑に流れ出るもので、内水氾濫は河川への水はけが悪く溜まってしまうことを指す。例えば鉄道の下をくぐる道路、アンダーパスや、河川よりも低い土地に水が溜まり、流れなくなるような場合だ。

これについてはダムでは対処不能であり、それ専用で排水路を作るか、ポンプで排水する必要がある。

これからの時期、洪水やその不安がつきものとなるが、それに対して国や自治体等がどのように対処しており、また限度があるのかを理解しておくことは、過度な安心や不安を防ぐ上で重要なことだと言えるだろう。

地域のハザードマップや、あと個人的に好きなのが、Google Mapや地理院地図で地形を眺めることだ。これで自分の地域の特性を把握するのは自分の身を守ることにも繋がるし、地域の歴史を知ることにもなり、愛着もまた増えるだろう。

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