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タムタム爆誕記念日

今日は俺のバディの話をしよう。
生誕25周年なのよ。



当時3歳だった、美幸少年は
チワワサイズの小型でさえも
怖がって人の家に勝手に逃げ込むという事件を起こしていた。
何度も続く不法侵入を心配した親が、
犬を飼おうと決めたのだ。


今考えると美幸家の教育方針は、
近くにいたら好きになるだろうという、
すごい体育会系でマッチョイズムな教育だよな。



そのタイミングで近所のおじさんが飼っている、
サムが子犬を出産したという報告があった。
その子犬を姉ちゃんが引き取りに行くと言う。
犬嫌いのはずの美幸少年は、
何故かウキウキしていたし、
少し不安もあった。


晩御飯を食べたあと、姉ちゃんは子犬を引き取りに、
俺はじいちゃんとお風呂に入っていた。




湯船に浸かっていると、じいちゃんから
「名前どうする?」
と言われて
「タムタムにする」
と美幸少年は答える。
(見た事ないやつの名前を勝手に命名する度胸はすごいと思う)

因みに、タムタムは楽器の名前で
ドラムについている太鼓の事だったりを指す。
(基本的にハイタム、ロータム、フロアタムってドラムにはあるのよ)
でも正直な事言ったら何かのキャラクターの名前がタムタムでそれが好きだったから付けた。



美幸少年と子犬タムタムの初対面の後、
何故か、俺の記憶はタムタムが少し大きくなった
3ヶ月後ぐらいからしか残ってない。



その後も色々な事件が起きた。
脱走すると、戻ってくるのはじいちゃんちだったり、
野良犬に餌を提供していたり、
車に轢かれたり、
台風でタムタムの家が浸水して
そこから港町に住んでるくせに
水が嫌いな犬になってしまった。


春になると、毎年同じメス犬と交尾をするため脱走をしてたけど、
一途なのか、タムタムにとってお手軽な女だったのかは知らない。
(飼い主と似るとは良く出来た言葉だと思う)





俺が高校生になった時、
タムタムはいい歳の老犬になっていた。

散歩の時間は少なくなってきて、
実家のバルコニーで一緒に昼寝をする事が増えた。
タムタムを枕にするのが最高に気持ちよかったけど、
起きた時、口の中はタムタムの毛だらけになっていたのを覚えている。




俺が高3の5月末、
文化祭の準備をサボって海でタバコを吸っていたら親から電話が入った。
ウザいなって思って2本目を吸い始めた時、
メールが入った。


「タムタムがやばい」
って内容だった。


急いで動物病院に行くと、凄く苦しんでいるタムタムがいた。
でも病院は閉まっている。
必死に連絡を取って先生に来て貰った。


どんな措置を取ったか忘れたけど、
その時は落ち着いたし、峠を越えたって言われ安心してタムタムの入院の手続きを済まし
家に帰った。


でも2日後の5/31にタムタムは亡くなった。
凄く天気の良い日だった






動物病院の先生が来るまで
痛みで我を失ったタムタムに噛まれて出来た傷は
微かにに残っているけど、良いタトゥーだとも思っている。






タムタムを引き取ったあの日
姉ちゃんは白い子犬を連れて帰って来たらしい。
「白だと汚れが目立つから」ってお母さんに怒られて、
茶色の子犬と入れ替えて貰ったと言っていた。


茶色の子犬を連れて帰ってきてありがとう。
その方がタムタムって名前がハマるしね。

ここで得た利益は全てアフリカの子供達と僕に義援金として寄付されます。