神が宿るもの。
日本各地に仕事のため訪れることがあります。
今回訪れたのは、岩手県。
梅雨の前、夏に差し掛かる頃の東北は気候も良く、青空を背景として木々の緑が太陽の光を元気よく反射している姿は見ていて気持ちがいいものです。
吹く風も穏やかで、これまで山々を吹いてきて、森の中を通り、ここまでやってきたのかと思うと、一瞬で吹き過ぎる風の中にも記憶が宿っているようでその情景に触れたような気持ちになります。
さて、岩手県ですが、私の中では、岩手県は瀬織津姫のイメージが強いです。
瀬織津姫は、あまりその素性がわかっていない神様で、大祓詞にわずかに出てきます。そのイメージは水を司り、龍神と共にあり、優しくたおやかな雰囲気を持っています。
今回訪れた先の一つに丹内山神社があります。
境内をずっと登っていくと一番上に、「アラハバキ大神の巨岩(胎内石)」と呼ばれる大きな岩があります。岩の上からは木が生えて、しっかりと根を張り、天と地の間に流れるエネルギーを取り持つような容貌をたたえています。
この岩、写真で見ても大きなことはわかると思いますが、現地で実物を見ると、写真で見る以上に巨大に見えます。この1,300年以上前から神社の霊域の御神体として祀られていたと、立て札には書いてあります。
数百年前、さらに1,000年以上前の人々が、山の中でこの大岩を発見した時にどんな感覚を感じていたのでしょうか。
森の中を歩いてきて、山の上の方に来て、上を見上げると目の前にこの巨岩がある。この巨岩、磐座と対峙すると、人智を超えたものの存在を感じ畏怖の念が自然に湧き上がってくる。自然への敬意の気持ちが意図せずとも生まれます。
ここ丹内山神社のアラハバキ大神の巨岩の前にて、ゆっくりとその場がもつ不思議な感覚を経験しました。丹内山神社の次は、早池峰神社。その御祭神は瀬織津姫です。
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