オールカマー 神戸新聞杯 ピックアップ回顧
オールカマー
中山芝2200m右外C
馬場:良
ペース:スローペース
レース回顧
揃ったスタートからまずはアウスヴァールがハナに立ち、外からリカンカブール、サヴォーナと積極的にポジションを取りに来た馬が続く。道中はほぼ隊列が変わらずに緩いペースを刻み、レース後半はじわじわとペースを上げながらも隊列は特に変わることはなくアウスヴァールとリカンカブールのポジションはキープしたまま直線へ
後半加速しながらコーナーを消化したことで外から捲りに来る馬などもポジションを上げられずに前がそのまま残る展開も、直線ではレーベンスティールだけが内から狭い進路を突き抜け出し1着。2着にはそのままアウスヴァール、3着にはリカンカブールとなった
雨などが降ったものの馬場はまだまだ速く、ペースもかなり緩かった為内前に向く展開となり1,2番手にいた馬がそのまま馬券内に残るレースとなった。後方にいた馬達にはそもそもどうしようもないレース展開となり、特に割り引く必要はないだろう
出遅れ・出負け馬
・ニシノレヴナント
ピックアップ馬
レーベンスティール(1着)
エプソムカップ以来の競馬だがパドックでも馬体がパンと張って素晴らしい作り。レースでは序盤は馬込みで掛かるもすぐに落ち着き4番手辺りから前を見る形でスムーズに進める。コーナーから直線にかけて外に出すスペースがなく、内を突くような形にせざるを得ず相当なロスとなっただろうがしっかりと最後は決め手の違いを見せて差し切りV。おそらくコーナーから外をスムーズに捲り上がれていれば3馬身くらい突き放して勝てていたか。今後は秋のG1戦線に参戦するとみられ楽しみな一頭である。今回のレースは着差以上の楽勝と判断しても良いだろう
アウスヴァール(2着)
現在の中山の高速馬場を如何なく活かした競馬を出来た。ハナを奪ったあとは重賞としてはかなり緩いペースを作り出し、後半はじわじわと加速しながら捲りあがってこられないようなレースを巧みに作り出した。完全に内前の決着で終わっており、狙い通りのレースとなったことだろう。近走はかなり恵まれたレースが多く、信頼しすぎるのは危険だろう。出走するレースのメンバーをみてどれほど恵まれそうかをまずは検討する必要があるだろう
リカンカブール(3着)
外枠から積極的に前を取りそのまま展開にも恵まれて3着。軽い馬場で前からの競馬ということで、超高速馬場で中盤がかなりゆるんだ中山金杯と似たようなレース展開となり相当に恵まれたといえるだろう。その後のタフなレースでは結果を残せていないことから今回の結果で馬の能力を過信してしまうのは危険だろう。現状重賞で結果を残しているのは中山、超高速馬場、前に有利な緩い展開のみであり、まだ能力の成長を示したレースは無いと言える
ステラヴェローチェ
持っている能力的には上位なのは間違いないだろうが、今回のペースと馬場が絶妙に噛み合わなかった。もともと切れる脚は持っておらず、今回の馬場や展開を想定したら番手辺りに付けたいところだったが鞍上は馬なりで馬の気分を大事にする騎手なのでそういった面からもかみ合わなかっただろう。今回のレースでは持っている能力を全く出し切れておらず、割り引く必要は全くないだろう。ただし鞍上が横山典騎手である以上、こちらがどのように乗ってほしいなどと想定するのがおこがましく、軸として考えるのであれば心中する気持ちで気楽に買うべきだろう
アルビージャ
前走が2年2か月ぶりの超長期休養明けでしっかりと馬体も作っていたのだが、直線どん詰まりからの4着も光るものを見せていた。今回のレースでも後方からの競馬となり外を回して内前有利とは真逆の競馬をしたが5着まで順位を上げてきた。能力面を考えると今回のメンバーでも上位4頭以内に入るレベルにはあると考えられ、6歳ではあるが今回で11戦目ということで使い減りもしておらず今後も重賞戦線で楽しみな一頭であると言えるだろう。切れる脚を持っていることから広いコースでも対応できるだろう。これくらいの能力があるとルメール騎手や川田騎手などが乗り始める可能性は高いか
短評
サヴォーナ・・・前を取ったのは素晴らしい判断だが馬自身にそこから前を捉えるキレがなく一緒の脚に。現状では強みがなくなってしまっており、どのコースでも勝ち切れるようなストロングポイントがない
ニシノレヴナント・・・スタート不利最後方。外を回して上り最速を使い能力は証明。広いコースは合わない
ラーグルフ・・・一瞬の切れ味は持っていないので内で前が溜めてる状況から覆す脚はない。早めに捲りながら前を捉えたかった。ステラヴェローチェとほぼ同じ感想。馬の能力的にはそこまで悪くないはず
ヤマニンサンパ・・・内で脚を溜め内を突いての着順なのである程度は恵まれておりそこまでの評価はせず
フェーングロッテン・・・強引に前を取りに行くかと思ったがそれすらも出来ないほど競争能力を失っている。これまでか
神戸新聞杯
中京芝2200m左B
馬場:稍重
ペース:M
レース回顧
まずはインテグレイトがすっと抜け出しゴージョニーゴーがそれに続くも、やはりメイショウタバルがじわじわと外から前を伺いハナを取り切る。道中は後ろを5馬身ほど離しながら逃げるも、全体的にある程度タフな流れとなり、レース後半はさらにペースが上がり消耗戦の様相に
後半でじわじわとペースが上がったことで全体的に消耗が大きく持久力勝負となり、レース上りはメイショウタバルの36秒で後ろの集団でも35.5秒ほどといったところだろう。メイショウタバルが終いは厳しくなりながらも粘りこみ1着、内枠からうまく競馬をして最後までタフに脚を使えたジューンテイクが2着、内目から抜けてきてしっかり最後まで脚を使ったショウナンラプンタが3着となった
馬場も雨でやや渋り気味になってきており、その中で平均ペースでの消耗戦になったことで持久力を問われる一戦となったと言える。その中で勝ち馬以外で上りが36秒台などで失速してしまった馬はタフなレースとなった際に不安を残す結果となったか
出遅れ・出負け馬
・オールセインツ
・ヤマニンステラータ
・ビザンチンドリーム
ピックアップ馬
メイショウタバル(1着)
浜中騎手会心の騎乗と言っていいだろう。皐月賞では押して促していってしまったため馬が暴走気味にハナを奪って制御が利かなくなってしまい、オーバーペースで失速した。今回はスタートから馬のスイッチを入れないようにじわじわと馬のペースでハナを奪い、出来る限り我慢をさせながら完璧な平均ペースを作り出した。ラスト1Fはさすがに距離が長いか少し垂れてしまったが強い競馬を見せつけた。気性面の問題からこれ以上の距離延長は厳しいと考えられ、ベストは1800~2000辺りだと考える。菊花賞に出たとしても今の気性ではさらにペースを落とそうとしても馬と喧嘩になりチグハグなラップを刻むことになりそうだ
ジューンテイク(2着)
内4番手くらいをしっかりと追走し、3コーナーを迎えるころには手ごたえもよく2番手にあがり逃げ馬を捉えようと最後までしっかりと脚を使った。展開的に勝ち馬が素晴らしい競馬をしてしまったが、本馬もメンバーの中で頭一つ抜けた持久力を持っていることを示し、菊花賞への手ごたえを覗かせた。しかし懸念点としてはスローから切れるような脚はあまりない事と、これまでのレースで内枠を引くことが多く、外枠からなどになってしまうとロスも生まれ好走につながらない可能性は十分あるだろう
ショウナンラプンタ(3着)
馬なりでスタートさせ、脚を溜めながら内目を追走しジューンテイクが抜けた後ろからしっかりと脚を伸ばした。ロスを出来る限り少なくうまく立ち回ったと言える内容であり、荒れている内を通ったとしても外々を回した馬よりもはロスは少なかったと言えるか。今回のレースからはそこまで明確は実力を示すことが出来たとはいいづらく、枠や展開、通ったコース次第で覆ってしまうくらいの能力だと感じる。もとより展開待ちの面が強い馬であり、馬なりで中団辺りのポジションをとれないと重賞などでは中々勝ち切れないことになりやすいだろう
短評
オールセインツ・・・これまではドスローのレースばかり経験していたのである程度軽視していたが今回のレースでもある程度は対応出来た。出遅れてポジションが後ろになったのは残念
メリオーレム・・・やや渋った馬場が苦手なのかもしれないが、1番人気になるほどの力は感じさせず。やや内目を通ってきた馬が上位に来る中を外目回しており距離ロスも痛かったか
バッデレイト・・・血統的にも渋った馬場は好きではないか。能力的にもタフなレースでは疑問
ミスタージーティー・・・万全の体制ではなかったかもしれないがそれでも負けすぎであり、明確に得意な条件を絞りづらい
ビザンチンドリーム・・・出遅れて外回して脚を使う。いつも通りだがキレ自体も良くなく馬場やペースが厳しかったか。外回しで展開は向いていないが能力面でもそこまで抜けてはいない
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