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ひとり出版社1年目日記⑨ISBNを取得して、裏表紙のバーコードを作る

今年3月にできた出版社 Studio K。年内に1冊、木下晃希さんの画集「KOKI ZOO」を出版することを目指し、着々と準備中です。その1年目の足跡を残すこのシリーズ、今回は、本の裏表紙に載っている「ISBN978-4……」から始まる長い番号、いわゆるISBN(Internarional Standard Book Number)を取得したことを。


ISBNの長い番号を分解すると……

ずらずら数字が並ぶISBNですが、分解すると次のようになっています(……と初めて知りました!)

978-4ーxxxxxxーyyーz

978は書籍を表す固定番号4は日本の固定番号(200カ国以上が参加しているそうです)、xxxxxx(6桁、7桁、8桁のどれか)は出版者記号、yy(2桁)は書名記号、zはチェック数字です。


ISBNは日本図書コード管理センターのウェブサイトで申請

ISBNを取得するには、日本図書コード管理センターのウェブサイトで申請します。

申請そのものはそれほど複雑ではないのですが、決めておかなければならないことがひとつありました。それは発行点数

さきほど、出版者番号には8桁、7桁、6桁があると書きましたが、それは、その出版者として何点発行するかによって変わります。

1点発行するだけなら8桁の「シングルコード」の取得を申請。7桁は10点まで発行可能、6桁は100点まで発行可能です。

何桁の出版者番号が欲しいかによって、申請料金が変わります。
8桁は11,000円、7桁は22,000円、6桁は40,320円(税別)。

私の場合、100点は今の時点では遠いけれど、10点ではこころもとないので(というか、もうちょっとがんばりましょうという意気込みで)6桁を取得申請しました。


書籍JANコードも一緒に申請

これに加えて、書店で流通させるなら書籍JANコードを取得します。ISBNと一緒に申請できます。ナントカコードがたくさん出てきて混乱してくるので、ちょっと整理しておくと……

日本の出版界では、国際標準ISBNに、日本独自の国内基準である図書分類記号と価格コードを付加して、「日本図書コード」として標準化しています。そして、「日本図書コード」を2段一組のバーコードにシンボル化したものを「書籍JANコード」と言い……(後略)

JPO 一般社団法人 日本出版インフラセンター日本図書コード管理センター

なるほど、あの2段バーコード! では、例として、現在作成中の本の造本の参考にしている、谷川俊太郎さん(詩)と沙羅(木版画)の詩画集『目に見えぬ詩集』の裏表紙を見てみると……

こういうことですね!

分類記号の探し方、書籍JANコードの作り方は、自分でどうやったかをたどりながら、以下に書いていきますが(私もこの時点ではわかっていませんでした……)とにかく必要なものなら、と一緒に申請。

こちらは3年ごとの更新制です。申請料は前年度の書籍の売上高合計で決まります。新規申請は10,000円。(心の声:何かとお金がかかる〜)


確認の電話、登録書類一式が郵送で届く

申請後、内容確認の電話がかかってきます。私の場合は翌日にかかってきました。その確認がすむと、決済用のURLがメールで送られてくるので、そこから支払い。

それから登録完了のお知らせがメールで届き、登録書類一式が郵送で届き(申請住所の確認の意味もあるらしいです)、そこに書かれている番号をもとに、ウェブ上で受領確認のボタンを押して、ISBN取得の手続きは終了です。

こんなリストが届きました。

郵送物には「13桁コードリスト」が入っていました。国番号+出版者記号に続く書名記号は2桁で、「00」から始めるようになっています。それに続く、最後のチェック数字は、国番号+出版記号+書名記号の数字をもとに算出されるもので、計算式もあるようですが、すでに計算されたものが入っているので、それを使えばOK。


「C」で始まる分類コードを決める

「C」の欄が空欄になっています。ここにくるのが分類記号(または Cコード)。分類記号は、書店でどこの棚に入るかの重要な情報になるらしいです(大事だわっ!)

決め方(というか探し方?)は、以下のサイトに書いてあります。

分類表を見ながら、出版する本をあてはめていきます。4桁の数字の最初は販売対象、2つめは発行形態、3つめは内容大分類、4つめが内容中分類です。

手持ちの本の「C」で始まる4桁の番号を見てみると、「こういう想定なのか!」なんていう発見もあります。

たとえば上にあげた『目に見えぬ詩集』の分類番号は 「C3070」。これを解読すると……

3=販売対象:専門
0=発行形態:単行本
7=内容大分類:芸術・生活
0=内容中分類:芸術・総記

なるほど。そこから考えると、今作っている本『KOKI ZOO』は

0=販売対象:一般
0=発行形態:単行本
7=内容大分類:芸術・生活
1=内容中分類:絵画・彫刻

だとして、「C0071」ということになりそうです。


価格コード

価格コードは「¥本体価格E」。最後の「E」はエンドマークだそうです。


2段バーコード、どうやって作るの?

と、ここまで解決したところで、大きな関門がやってきました。書籍JANコード——例の2段のバーコード——これはどうやって作れば……???

まずは数字から解読したいと思います。「目に見えぬ詩集」を元にすると、上のバーコードは13桁のISBN。これはOK。下は「1923070026000」?

推測では「3070」は分類番号、「02600」は価格。では、頭の「192」って何? 最後の「0」は?

と悩んであれこれ検索していると出てきました!「192」は固定。最後の数字はチェック番号で、計算式もあるようですが、とにかく、その前の分類番号と価格が決まっていれば、以下のサイト(↓)で出せることが判明。

そして、ここまでできたら、バーコードを作ってくれるサイト(↓)がありました(無料!登録などは必要なし)。この情報は、私のバイブル『ひとり出版入門 つくって売るということ』(宮後優子著)から(本当に助かります!)

と、ここで気がついたんですが、上記のサイトでは、さきほど解明した最初の「192」とか、最後のチェック数字とかなくても、ISBNと「C3070 \2600E 」など、日本図書コードを入力するとバーコードを作ることができます(なんだ〜という気持ちですが、まあ、意味がわかったので、よかったとします!)

というわけで、なんとか裏表紙に載せる情報ができました。慣れたらたいしたことないのかもしれませんが、こういう決まりごとが苦手なわたしにはほんとうにめんどくさかったです。でも、ひとつひとつ解決するしかないですね〜。


あらためて、用語のまとめ

もうほとんど自分のためですが、用語を整理しておきます!

ISBNコード :国際標準図書番号(Inernational Standard Book Number)。「ISBN978-4…」で始まる。その後は、申請するともらえる出版者記号(8桁か7桁か6桁)、書名記号(00 〜99の2桁、自分で管理)、チェック番号(表に計算済みの数字が記載されている)が続きます。

日本図書コード:ISBNコードと、日本独自の国内基準である図書分類記号(C+4桁)と価格コードをセットにしたもの。

書籍JANコード:「日本図書コード」を2段1組のバーコードにしたもの。

今回もお読みいただき、ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします!


参考図書


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