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日曜日が楽しみだったあの頃

2012年4月から2020年3月まで8年に渡り、日曜日の14時からNHK-FMで放送されていた『きらクラ!』という番組が大好きでした。
13時25分からテレビ番組『アタック25』を見たあと、そのままCDラジカセ(2012年当時はスマホを持っていなかったので、私はラジカセで聴いていました)の電波をNHK-FMに合わせて、『きらクラ!』を聞くというのがルーティンでした。私は番組開始当初、20代前半で遊び盛りの年齢ではありましたが、日曜日には予定を入れませんでした。そのくらい好きな番組でした。

番組が終了してもう3年以上経過していますので、番組のHPはなくなっていました。代わりにウィキペディアのページを載せておきます。
MCはタレントのふかわりょうさん、チェリストの遠藤真理さんでした。
偏屈なくせに繊細で、すぐにうっとりしたり感動しすぎたりするふかわさんに対し、一流のチェリストとは思えない(?)明るさと豪快さを持ち合わせた遠藤真理さん(番組内では真理瓶まりへい師匠とのあだ名もついた)のお2人の、陰と陽の掛け合いのバランスも絶妙でした。
クラシックは好きでしたが、聞くのは有名な曲ばかりだった私にとっては、この番組で初めて知った曲もたくさんありました。

ディーリアス作曲の『フロリダ組曲』第2曲『河畔にて』や

アザラシヴィリ作曲『無言歌』などは、この番組を通じて好きになった曲です。MCの遠藤真理さんが演奏されている動画がありました。一番左で独奏しているのが遠藤さんです。こちらの演奏はチェロのために編曲されたもののようです。この曲は、いつ聞いても泣けます。

あまりにもこの番組が好きだったため、ラジオレコーダーを購入し、番組開始3年目くらいからは毎回microSDに録音するようになりました。録音するとはいえ、やはりオンタイムで聴きたかったので、日曜日の午後はやっぱり家にいることが多かったです。スマホを手にした後は、ラジオアプリで外で聴くことも可能でしたが私はそれをしませんでした。このmicroSDは今でも大事に保管しています。

おそらく私が一番聞いた回は、きらクラ!の放送が100回目の回だと思います。この回は、番組スタッフではなく、MCであるふかわさん自ら、ご自身の好きな曲ばかりを選曲した『ふかクラ!』の回です。

・シベリウス「カレリア行進曲」
・ラヴェル「水の戯れ」
・フォーレ「シチリア舞曲」
・チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番第3楽章」
・ドビュッシー「夢」
・スメタナ「売られた花嫁」
・サン=サーンス「死の舞踏」
・アルヴォ・ペルト「鏡の中の鏡」
・アイルランド民謡「ロンドンデリーの歌」

きらクラ!100回目のセットリストより一部

リスナーを飽きさせないふかわさんの選曲のセンスの良さと、楽曲に対する愛情が噴出している回で、私は大好きです。DJふかわの本領発揮です。
(サン=サーンスの「死の舞踏」はこの回がきっかけで好きな曲になりました。タイトルはやや物騒ですが、緩急のある面白い曲なんです。)

とてもじゃないけど、頭にヘアバンドを巻いてネタやってた人とは思えない。(もしかしたらこれを読んでいる若い人にはこのネタが通じないかもしれない…!そして実は私も詳しくは知らない。)

最近、ちょっと気持ちが張りつめていることが多く、些細なことで悲しくなったりつらくなったりして、毎日へとへと気味です。好きなことや新しいことに興味が持てなくなっている今の状況が(とてもよくない…)と感じていて「そういえば、昔、好きだったものってなんだったっけ?」と考えたときに一番最初に思いついたのが『きらクラ!』でした。

レコーダーにmicroSDを挿し込んでスイッチを押せば、2024年の今でも、大好きな大好きな『きらクラ!』に出会うことが出来ます。
日曜日が楽しみだったあの頃を思い出し、いまの自分の心にささやかな栄養を与え続けているのです。


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