薬歴の記載方法
今回は趣旨をかえて薬歴の書き方について記載します。
もちろんがん治療に関する内容にも関連する内容についても記載していきますので是非ごいちどくください。
そもそも薬歴とはなに?
あくまで私個人の考えになりますが、
『薬歴とは患者のこれまでの治療歴が書いてある歴史書』
だと考えています。国がいう通り、薬歴とは医師から見たら「カルテ」と同じ扱いになります。病院薬剤師先生はご存じかと思いますがカルテには関係者や緊急時の連絡先、今までの治療内容は記載されています。
薬局でも薬歴はカルテと同義の記載が求められることからもこれらの記載が必要ではないでしょうか。
より詳細の算定要件については以下のURLに分かりやすく記載されていますのでそちらをご参照ください。
https://stu-.nichiiko.co.jp/store/mpi_documents/file/b86dae1c7f265c03614c021fac83b9fd.pdf
参照;日医工行政医療行政情報
薬歴=SOAPではない!!
若手薬剤師が勘違いされていることが多いんですが、
『SOAPと薬歴は同じもの』ではありません!!
これ、めっちゃ重要です!!
どういうことかというと
SOAP:その時だけの対応内容のまとめ
薬歴:今までの内容を踏まえた内容の表書き更新
となります。つまり、SOAPだけ記載するのは
『その時だけの内容のまとめ』で、過去の記録を踏まえた内容が反映されていないのです!!
例えば関東厚生局の求める内容を簡潔にいうと
『表書き、記載されていますか?』
ここが重要です。
例えば今回副作用が起きた事例でいうとSOAPにだけ記載すると1-2年後薬歴を見たときに負えなくなってしまうので患者の健康被害につながってしまいます。これを回避するためにも恒久的に確認できる表書きに内容を記載するよう必要があります。
先ほど書いた通り薬歴は『患者の今までの歴史書(本)』です。
反対にSOAPは『その時限りの一時メモ』です。
もし皆さんが患者さんの情報を見る時に上記で言う薬歴とSOAPどっちが重要だと思いますが?聞くまでもなく薬歴の方が治療経過を追う上で重要だとわかりますよね??
忙しい店舗ほど起こりうる問題ですが
「SOAP書いたから薬歴おーわり♪」となることが多いです。
ただし、その内容だけでは次回の薬剤師が
「以前の内容わからねー!」となって結局適当な服薬指導になってしまうことがあります。
結局どうすればいいの?
色々書きましたが、結局のところは
①治療の開始時期とその理由
②有害事象が起きたらそのCTCAE評価
③服薬できないときにはその原因
これらを記載する必要があります。
これをSOAPだけではなく薬歴(表書き)に記載することで恒久的にあとから服薬指導する薬剤師が内容を安易に把握できるので患者の不利益を起こすことなく治療を行うことができます。
参考書籍
以下に私が読んでて参考になった書籍を紹介します。
気になったら是非購入のご検討をお願いします。
だれも教えてくれなかった実践薬歴
薬歴の書き方に困っている方は是非とも一度読んでいただきたい書籍です。私も薬歴記載方法で悩んだときに読み直して
『アセスメントってどうかくの!?』
『SとPのつながりがわからない!!』
といった悩みが解決されました。
がんだけではなく若手薬剤師で薬歴記載方法に困った際にはぜひご一読ください。
関連書籍ですとこのような書籍もあります。
こちらの方が中級者向けのないようだと感じますので実践薬歴を読んでさらに深く勉強したい人向けです。
薬局で使える実践薬学
この書籍は対話形式で問題点を解消している書籍なので読んでて大変頭に入りやすいです。特にこの書籍のいいところは
「普段のなんで?」を対話形式で図表付きでわかりやすく説明してくれている点です。
調剤薬局で7年勤務していますが改めて読み直しても新しい発見があるような書籍です。
少しお高めな金額に感じるかもしれませんがこれ1冊で2-3年勉強できる本だと考えると2000円/年と大変お手頃ではないでしょうか。
さらいいうと、学生実習の時にこの本を用いるとかなり評判が良いです!もし学生さんが実習に来るような店舗さんでは一冊手元に置いてみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は一般的な『薬歴』についての内容について簡単にまとめてみました。
次からはがん治療に準拠した内容に応じて薬歴の書き方について記載してきますので是非ご覧ください('◇')ゞ
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