乗馬でレベルアップしましょう(初心者向け1)

はじめに
乗馬とは、馬をコントロールする事を目的としたスポーツです。
その目的を達成するために様々な基本や、応用と呼ばれる技術体系が長い年月をかけ、作られ現在も発展しています。

目的を達成するための手段は、いろいろな方法がありますから、教える人や、乗った馬によって相反する扶助を求められることもあります。これが、中級者位までのライダーを惑わせます。

しかし、前述したように目的を達成するための方法は1つではなくたくさんあるのです
このことについては、後述することとして、まずは基本となる大きな柱について書きます。


基礎・基本

基本は応用と違い、いろいろあるわけではありません。枝葉の応用の技術を数多く覚えて上達したような感覚を持つより、基本を高い精度に磨いてゆくことが本当に技術を上げると言うことです。

練習の際には、そのことを心がけながら行うようにしましょう。

さて、その基本ですが、簡単な言葉で言えば”まっすぐに乗る”事です。

乗馬は 馬に指示を出し、そのことで馬をコントロールするスポーツです。
馬に対して 常に動かない騎手が指示を出す事により、
馬に勘違いさせる事の無い指示が伝わります。
ですので、バランスを崩す事無く 常に”まっすぐに乗る”
事ができれば、馬に対して的確な指示を常に出し続けることができるようになるのです。

”まっすぐ”とは、馬に対してのことです。
直進しているときでも、回転運動をしているときでも馬に対して変わらない関係が保てれば、馬の状態の把握もしやすくなり、的確な指示が出せます。

常にバランスを保ち、馬に対して真っ直ぐにいる
大変難しいことですが、このことが乗馬をする上での大本・基本になります。

そのうえで、この基本をうまく行うための騎乗姿勢について次項で記してゆきます

騎乗姿勢

乗馬は、バランスが重要なスポーツなので、正しい騎乗姿勢を身につけることが、上達への近道になります。そこで、どういった姿勢が理想的なのか見てゆきましょう。

上半身の姿勢

上半身は、重たい頭があるために、もっともバランスに作用するところです。

基本となる姿勢は、胸を開いて背筋を伸ばします。そのとき、腕の力を抜いてだらんと下げたときに足の付け根に手がくるくらいの角度で体を起こします。

そして、頭の真下に腰が有るように首の後ろを張って軽くあごを引き、目線は地面に対して水平になるようにします。

どちらかというと、重心を下げようとはせず、胸のあたりに重心を置いておくような意識で地面に対して垂直に高く姿勢をとろうとするとうまくいくと思います。

このように意識することで、自然と反動のとれるきれいな姿勢を保つことが可能になります。
そして、きちんと上半身の姿勢をコントロールできるようになると、その程度により馬のコントロールできる割合が増えてゆきます。

腕と拳

拳は、馬をコントロールするために大変重要な役割を持っている手綱を操らなければならないところです。馬に指示を出すためには、手綱・バランス・脚の3つをその用途に応じて使い分けなければなりません。

その大切な手綱を扱う拳はどのような形をとっていればよいのでしょうか?

まず、手綱の長さですが、肘を体に付けた状態でたるむことなく、引っ張っているのでもない範囲で短く持ちます。手綱は馬との意思を疎通させるための重要なツールですから馬と会話するつもりで優しく扱ってください。

手綱は小指と薬指の間を通して親指で押さえるのですが、親指の力だけで押さえておけるように練習しましょう。

馬の反応を感じるところは薬指です。拳を握りしめてしまうと反応がわかりにくくなってしまうので柔らかくしておきます。多少手が開いているくらいの方が反応がつかみやすく細かい操作もできるようになります。

腕は、軽く上体に接しているようにし、肘から馬のハミ迄一直線になるようにします。拳はおへそに手のひらが向くようにし、10㎝ほど離します。大きなボールを胸の前で腕に乗せているようなかんじです。

拳は立てるようにと練習時には教わると思います。
拳を立てると 二の腕の後ろ側の筋肉が使われるようになるので、手綱を支えようとしたときに 背筋を使って上半身全体で支える事が出来ます。

逆に 拳を寝かせると 二の腕の前側の筋肉が働き、肩に力がかかり、上半身が前に引っ張られてしまいます。
その為、拳は立てるように教わります。
ですが、拳を寝かせる事により、スムーズに拳の位置を前後に動かす事が出来るようになるのです。
その為、障害飛越を行う際には、ライダーは拳を寝かせています。
馬を抑える時には拳を立てて全身で手綱を引きます。
このように、乗馬ではちょっとした姿勢にも意味があります。それを理解した上で練習する事により、馬とのコミュニケーションがより深まるでしょう。

次回は 脚の使い方について解説したいと思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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