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昭和96年に公開された傑作映画「サイコ・ゴアマン」を観てくれ

※それなりにネタバレ含みます。

俺、基本的にはすんげえメジャーどころの映画しか観に行かない人間なんだけどこの映画だけは強烈に惹きつけられるモノを感じてしまい、観に行ってしまった。タイトル、ビジュアル、予告から溢れんばかりのB級臭と昭和臭。主人公っぽい女の子のとんでもねえくらいのクソガキっぷり。出てくる怪人共のデザインの良さ。脳みそだけになってる奴とかバケツに死体を詰め込んだような奴とか本当に最高だ。何故か終始日本語でしゃべる魔術師もいる。

公開翌日に観に行ったのだが、期待を裏切らない名作(?)だったと思う。兎にも角にも予告もサイコーなので観てくれ。絶対に劇場に行きたくなっちまうから。

宇宙・・・会議??テンプル・・・騎士団??考えるな。感じろ。

公開されている劇場がもの凄く少ないのが玉に瑕。でも遠征する価値はあると思うよ。

オフィシャルサイトで劇場をチェックしてね。

最強無敵のサイコ・ゴアマン!!・・・と最凶のクソガキ、ミミちゃん

簡単なあらすじをオフィシャルサイトから引用させてもらうと

太古より庭に埋められていた銀河の破壊者<残虐宇宙人>は、少女ミミ(8歳)により偶然掘り当てられ封印を解かれた。だが、すかさず容赦ない殺戮の限りを尽くすはずが、極悪な性格のミミに自身を操ることが可能な宝石を奪われていた。かくして無慈悲にして計り知れぬ力を誇る暗黒の覇者は、サイコ・ゴアマンと名付けられ少女にたいへんな仕打ちを受けることとなる。一方、残虐宇宙人の覚醒を察知したガイガックス星の正義の勢力<テンプル騎士団>は宇宙会議を開催、最強怪人パンドラを地球に送り込む――。

この短い文章にこの映画の魅力がギュッと詰まっている。普通はひょんなことから特別な力を手にするのは心優しい少年だったりするものだが、この映画は違う。宇宙最凶のクソガキに拾われてしまうのだ。しかもこの宝石は複雑な呪文を唱えないと封印がとけないハズなのだがなんか適当なノリでその呪文をピタリと正確に唱えてしまう。なんやねんそれ。主人公補正がここまで最悪に作用する作品も中々無い。

そんな宇宙最凶のクソガキに自分をコントロールする宝石を拾われちゃったものだからサイコ・ゴアマンももう大変。初登場シーンでは強盗を働いたチンピラ共を容赦なく惨殺しているのだが、その後ミミに宝石を拾われてしまっていた事が発覚してからが運の尽き。完全におもちゃにされてしまう。まず手始めにサイコ・ゴアマンとかいうクソガキセンス丸出しの名前をつけられてしまう。その後もバンドのメンバーにさせられ、着せ替え人形みたいに色んな服を着せられ、ミミの琴線にふれてしまった奴を殺させられ・・・

流石のサイコ・ゴアマンもウンザリしてあの手この手で宝石をミミから取り返そうとする。ミミの兄貴の夢の中に侵入し、宝石を渡すよう言ってくれと説得するがうまくいかず。隙をみて盗もうとするがミミは妙に勘がいいのでダメ。最後の手段としてかつての部下達を地球に呼び寄せてミミを殺してもらおうとするが、実はサイコゴアマンが封印されているうちにテンプル騎士団に買収されて裏切っていた。サイコゴアマンを殺そうと襲いかかって来たためこれもダメ。

サイコゴアマン自身はメッチャクチャに強いし更にはかなり残虐だ。惨たらしく殺すだけではなく、人間を現代アートみたいにした挙げ句、地獄の苦しみを味わいながら生き続けるようにするとかいう殺すよりひでえ事もする。人間をゾンビにして自分のしもべみたいにしたりもする。ゾンビにされた人もかろうじて理性は残されているようでしきりに「コロシテ・・・コロシテ・・・」みたいな内容のメッセージを残す。普通に悪逆非道なのだ。

しかし・・・そんな惑星を破壊できるレベルのサイコゴアマンも純粋無垢(?)なるクソガキに完全に操られてしまうというのが最高に面白い。サイコゴアマンの力を使って好き放題するシーンでのミミの笑顔がもう最高だ。

テンプル騎士団って名前適当につけただろ

もちろんサイコ・ゴアマンの対抗勢力も黙っていない。サイコゴアマンの復活を知ったテンプル騎士団がもう一度封印・・・いや今度こそ完全に息の根を止めようと立ち上がる。冒頭でのあらすじでもあった通り最強の怪人パンドラがサイコ・ゴアマン抹殺の為に地球にやってくる。こいつも正義の味方なんて感じではなく宇宙の秩序を守る為ならなんでもするという風の過激派だ。手始めに適当な地球人を宇宙会議の議場にテレポートさせ誘拐した挙げ句魔法でいきなり惨殺する。そしてその地球人の見た目をコピーするのだ。

パンドラの魔の手がサイコ・ゴアマンに迫る中、サイコ・ゴアマンの生い立ちやテンプル騎士団との因縁も語られる・・・が、ミミ達クソガキ共はろくにサイコ・ゴアマンの話を聞いてあげない。そんくらい聞いてやれよ。

パンドラもパワーでゴリ押すだけでは無い。ミミの家族達に入り込み、内部工作を仕掛けたりもする。家でぐうたらしてるだけのミミのパパにうんざりしているママ。それに子供は宇宙最凶のクソガキと・・・普通の男の子だ。日々のストレスが半端じゃないことになっているママをそそのかしたりする。更にパンドラはミミのママにとんでもない事をするのだがこれは実際に観て確かめてみてね。

裏切り者共を退けたはいいがかなりの深手をおってしまったサイコ・ゴアマン。好機とばかりに攻めてくるパンドラ。そんな宇宙の命運をかけたといっても過言ではない決戦をシッチャカメッチャカにする宇宙最凶のクソガキ、ミミ。それに巻き込まれる家族。最終決戦がどうなってしまったのか。サイコ・ゴアマンがミミ達と過ごして何を得て、どのような行動に出るのか。そしてテンプル騎士団が最後にくだした決断とは・・・?ラストの展開は本当に最高だ。俺はこんな終わり方をしてくれる映画を観た事無い。

夏休みにピッタリの娯楽映画

ここ最近はすげえ出来の良い頭空っぽで楽しめる映画が増えててすごく嬉しい。ゴジラvsコングはストーリーはちょっと難ありだったがそれを完全に帳消しにするほどの大怪獣アクションが最高だった。日本人が主演のハリウッド映画なのに日本だと微妙に人気が出なかったが世界的には超大ヒットした映画版モータルコンバットは今年ナンバー1の映画だったと思う。はやくBD発売してくれ。

サイコ・ゴアマンもその2作に負けず劣らずの娯楽映画だった。発送やデザインはトンチキだがそれなりにストーリーの筋を通ってるし、タイトルや予告から想像する「観たいもの」をどストレートでぶつけてきてくれるのも最高だ。終始ギャグっぽいテイストなのも観やすくてよい。劇場でも終始笑い声が響いていた。

ちょっとゴア描写がきつかったり、ミミの行動がちょっと笑えないレベルでヤバイシーンがあったりもするが胸を張ってオススメできる映画だと断言できる。公開されている劇場が少ないのが本当に惜しい。いまからでも公開規模超拡大できたり出来ませんか?




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