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映画「大怪獣のあとしまつ」は何から何までもったいない映画だった。

6億年ぶりくらいにnoteを更新する。更新してなかったのは忙しくなったとか別にそういうことではなく単純にめんどくさかったからですハイ。クソ映画も全然見に行ってるし。ここ最近だと実写版おそ松さんは最悪だったなあ。

いや~~~~~シンウルトラマン、公開初日に観にいったんですがさいっっこうでしたね。ホンマに。ネタバレしたくないので多くは語りませんが是非!いろんな人に見てもらいたい大傑作ですよホンマに。

・・・ということでこの記事ではシンウルトラマンの3ヶ月前に後悔されてしまった大怪作「大怪獣のあとしまつ」についてだ。後悔当時にいろんな人が散々ボロボロに言っているし今更感あるがシンウルトラマンを見た感動を胸に秘めた状態でなんか書きたくなってしまったのだ。俺は糞映画喰いだぞ。

こんなクソ映画のクソ感想記事読む暇があるなら今すぐシンウルトラマンを見よう。

これほどまでに溜息が出る作品も中々無い

そもそもの話として倒した怪獣がどうなるのか?というテーマ自体はそこまで目新しくも無い。今までの特撮作品でも結構やってきている。それをあたかも今作が初めて着目しましたみたいな宣伝はそれなりに疑問符がつく。

だが、怪獣の後始末そのものをメインにした作品というのはかなり斬新ではある。10年前とかだったら「そんな題材メインにしても面白いんか?」って思われたかもしれないけど数年前に公開された名作「シン・ゴジラ」が大ヒットしたおかげで怪獣を巡って政府があーだこーだするのが面白いと広く認知されたため、発表当時は面白い題材やんけ~って事でそれなりに期待感もあったと思う。

が、いざスクリーンに映し出されたのは怪獣をどう後始末するかというのはほどほどにあんまり面白くないギャグのオンパレード、本筋に一切絡まない不倫描写だ。げんなりするよもう。そもそも制作陣はコメディとしてつくったらしい。なるほど。ならシリアスな物語を期待した俺が悪かった。

やりたい事が面白さにつながってますか?

見てて本当にげんなりしてしまったのは政府首脳陣の描写だ。インタビューで権力者は愚かだということを描写したいみたいな事をいってたのでまあそれはいい。にしてもやることが愚かというよりはただのバカみたいなんだよ。怪獣の後始末の責任の押し付け合いは全然良いとは思う。結構リアリティあるし。でもその押し付け合いの最中にしょうもない下ネタぶっこんだり話の腰を折ってくだらねえコント始めるのはなんか違うだろ。今の政治に不満があったりするのはわかるが流石にここまでバカじゃないと思うよ権力者。

怪獣の死体から出る匂いをうんこの匂いと言うと聞こえが悪いから銀杏の匂いって発表したり、怪獣の死体に危険性がないことを死体の上でアピールした政治家が滑って落ちて怪獣の死体に犬神家の一族みたいな突き刺さり方して体液まみれになったり・・・とか。もう少しマシなギャグシーンにならんかったもんかね。

不倫描写もなんか「これあとしまつっていう本筋に関係あります?」ってなる。痴情のもつれで物語が大きく動く・・・ってことも特になし。強いて言えばヒロインの夫が浮気相手からちょっとした情報提供せてもらうくらいか。制作陣はこの不倫描写もやりたかった事の一つに挙げていたがだったら何も特撮じゃなくて不倫をテーマにしてドロドロの恋愛映画やればよかったのでは・・・ちょっと的外れな批判だけど。

良いところもあるけど台無しにされてる感

ダムを爆破し、その時の水の流れで死体を海まで押し流すという作戦が展開されるのだがここは中々面白い。退役したはずの爆破のプロである主人公の先輩兼ヒロインの兄貴が復帰して・・・という一連の流れはベタだが良い。いざダムを爆破するという場面でドローンをつかってダムをプロジェクションマッピングするのはかなりカッコイイし見栄えも良い。最終的に先輩が危険をおかして手動で爆破しにいくというながれもこれまたベタだが良い。

が、作戦はものの見事に失敗に終わる。重症をおった先輩もなんかムダな気分にさせられるしやるせない。

最後は主人公が一人でなんとかしようとするがそれも失敗する。万策尽きたと思ったそのとき、なにが起こるかというとまさかの主人公がウルトラマンのような巨人に変身して宇宙に怪獣の死体を持っていってしまうというものだ。

考えうる限り最悪レベルのオチだが劇中ではわかりやすく伏線はってあるので予想はできる。そもそも序盤で怪獣を殺したのが光の巨人っぽいなにかだというのを示唆するシーンがあるし、デウス・エクス・マキナという単語が何回か出てくるし、主人公も若干謎多き人物として描写されてる。

シン・ゴジラのように人間が知恵を絞ってギリギリでなんとかする・・・というのを見たかった俺は本気でがっかりした。結局、人間は絶体絶命のピンチは神様のような存在に頼らないとどうしようもないという事なのかな。

総じてなんかもうかなり勿体ないなと感じた映画だ。シン・ゴジラがつくってくれた土台にピッタリとマッチする題材の映画なのに中身は下品なコメディ映画というのはどうも・・・予告からコメディ映画と察せなかったオレが悪いと言われればそれまでだが、シリアスに死体処理をしようとするシーンはかなり光る物も多かっただけにホント勿体ない。俳優陣の演技もかなり良いし。

まあでも、この映画観てグチャグチャになった感情はシン・ウルトラマンで綺麗さっぱりあとしまつできた。再三言うが本気で傑作なのでシン・ウルトラマン、オススメです。


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