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2023 4月 尾瀬縦断Ski Hiking

毎春計画している奥利根県境スキーハイキングは悪天候のため中止。代わりに天候が悪くても楽しめる定番の尾瀬スキー旅に変更してみました。5日程の休みがあった為、当初は至仏山、景鶴山、燧ケ岳、会津駒ケ岳の4つのピークを繋ぐ計画でしたが、初日から悪天となり2日間の停滞、結果的に至仏山と燧ケ岳のみ滑走し、最後は桧枝岐村に抜け、バスと電車を繋ぎ、福島・栃木・群馬と経由して新潟の自宅に戻ってきました。5日間で滑ったのはたぶんトータル5分くらい。あとはずっと歩いてました。これもスキーならではの旅の形です。

DAY.1
越後湯沢から沼田まで電車で移動、沼田駅からバスで尾瀬戸倉まで。この時期はゲートから徒歩で3時間程かけて鳩待峠まで歩くのが一般的な尾瀬へのアプローチ方法です。最初から雪の上を歩きたければ富士見下から富士見峠を越えて尾瀬ヶ原にアプローチする方法もありますが、滑走目的で至仏山方面へ向かう場合はやはり鳩待峠を目指すのが良いでしょう。この時期入山する滑り手たちの殆どが自転車でアプローチしますが、今回は桧枝岐に抜けるため自分の足で歩くしか手段はありません。

装備一式。この時点では滑る気満々
電車とバスを乗り継ぎ午後1時にゲート前
分岐に着くころには雪、ゲートからここまで2時間

途中雪がちらつく中、3時間程で鳩待峠に到着。途中愛用の手袋を片方落としてしまいました。すでに嵐の気配がしているので急いで建物の陰にテントを張ります。今回は改造したドーム型テントのテストも兼ねており、天候悪化はむしろ絶好のコンディション。

風を避けて設営したつもりが、、
水は近くの川から汲めます。尾瀬は冬でも浄水器必須
納豆プデチゲ
テント内、この時点では超快適、風の影響も無し

ドームテントのテスト結果はこちらから

DAY.2
時折晴れ間も覗きますが、終日暴風雪の為、外には出れません。雪は吹き溜まりで40センチ程積もっています。停滞中は床下からネズミの攻撃を受けテントに穴が開きました。小屋で越冬している小さな姫ネズミの仕業だと思われます。食糧も一部齧られましたが尾瀬でのネズミ被害には慣れているので特に感情も湧かず、ただただ新品のテントに穴が開いたことが残念でした(後日メーカーさんに送り修理済み)。停滞2日目の深夜に風は収まり、夜明け前には行動開始。月光に照らされたブナ林を歩きます。

翌朝の光景、吹き溜まってます
内部は雪に押され、内張との間に結露もあり
外に出て掘り起こしました
外は晴れていますが爆風

DAY.3
3日目からようやく行動開始。当初の予定から景鶴山と会津駒ケ岳はあっさりカット、先ずは至仏山へ向かいます。途中の樹林帯はドパうだったので谷底に滑り下りたい気持ちをなんとか抑えて山頂を目指します。陽が登るとぐんぐん気温が上がり、山頂でのんびりしている間に雪が腐ってしまい、10時手前の滑走直前でスキーが下駄になっていることに気が付きます。気にせずドロップしたら猛烈なストップ雪の為、全く滑れませんでした。あと30分早くドロップしていれば問題なかったと思うのですが、それほど急激に雪質は変化したのだと思います。ほぼ直滑降でボトムまでラン。

ようやく行動開始、月明かりでヘッドライトも不要
日の出
登山道沿いを歩きました
小至仏手前
この時点ではサラサラのパウダー
色々と写真を撮っていたのが悪かったみたい
滑走直前
スーパーストップパウダー

陽が差し込んだ原生林は美しく、滑走への不満はすぐに消え去りました。小川を越え、登り返し、一旦テントのある場所へ戻ります。装備を乾かし、山の鼻へ。途中何度か川を渡り。尾瀬ヶ原へ出る頃にはすっかり春の雰囲気でした。雪はたっぷりあり、登山道に忠実に湿原を進みます。一応景鶴山の斜面を確認するため、ヨッピ川の吊り橋を渡り、下から斜面チェック。結構地形が出ており難しそうな印象。また機会があったらチャレンジしてみます。東電小屋の裏から再度橋を渡り見晴らしエリアに着くころには陽が沈み始めました。誰もいないようなので小屋の軒先にテントを張り、温水シャワーを浴びてから就寝。水は豊富に取れます。

原生林、きらきら
スノーブリッジを渡る、雪が切れても小川なので問題なし
すぐに乾きます
齧られた穴を補修
山の鼻方面に再度下ります、途中何度か渡渉あり
浅い場所はスキーを履いたまま渡渉
山の鼻
尾瀬ヶ原、雪は程よくありました
橋もスキーを履いたまま渡れました
景鶴山の斜面、結構雪が少ないような
ヨッピ橋、スキーを脱いで渡ります
東電小屋
渡る
尾瀬の夕暮れ
お邪魔します
辛ラーメンプデチゲ

DAY.4
夜明前から行動開始。燧ケ岳山麓の緩やかな傾斜からハイク、徐々に傾斜がきつくなり植生も変わります。途中モモンガに遭遇し動画撮影。熊の足跡も多く、山の息遣いを感じます。樹林帯から抜ける直前は傾斜がきつく、一瞬アイゼンに切り替え。その先は登山道に忠実に歩きました。一部ショートカットできそうな箇所もありますが、初見なので慎重に行動。ピークに出ると桧枝岐側からのトレースを確認。滑走斜面に当たりを付けてから、一旦休憩。ランチ後、冷え待ちしながら帰りの交通手段を確認。桧枝岐村から最寄りの駅まで行き、なおかつ当日の帰宅に間に合う電車と接続するバスは1日1本、しかもお昼の便しかない為、翌日帰ることに決定。只見線で新潟に帰るのが理想でしたが、乗り継ぎが悪く、実現できませんでした。程よいザラメコンディションの斜面を2時半にドロップ。そのまま沢を下って沼山峠と御池を繋ぐ道路に接続しても良さそうでしたが、積雪状況が分からないので、トレースを頼りに御池方面に下りました。結構長いトラバースの末、何とか御池に下山。そこから国道沿いに雪を拾いながら七入りまでスキーを活用。七入から先は完全に徒歩。スキーブーツからシューズに履き替えて歩きましたが、ソールが薄い為、足裏にまめができてしまいました。日没後、ようやく燧の湯に到着。身を清めたらリバーサイドホテルにチェックイン。

行動開始
原生林
異種交配
モモンガー
熊―
燧の山頂手前、登山道をそのまま
藪が濃く、ショートカットはしなくて良かった
振り返ると至仏山
もうひと越え
爼嵓に到着
滑走する斜面を確認、右手に尾瀬沼
檜枝岐方面
本来向かうはずだった会津駒方面
とりあえず食事
冷え待ちしてからドロップ
広沢田代までは長いトラバースで時間がかかる
御池に到着
更に道路沿いの雪を繋いで下ります
最後はショートカットを繰り返し七入まで
水確保
浄水器はマスト
燧を振り返る
桧枝岐の集落
燧の湯
パスタ

DAY.5
桧枝岐村を散策。JAのスーパーや駒の湯が休みだった為、豪遊できず。開山(そば屋)のオープン時間までぶらぶら。開山ではかつ丼を頂きましたが、ソースカツ丼にすればよかったとどうでも良い次元で後悔。昼まで時間をつぶしてようやく来たバスに乗車。最寄りの駅まで移動。途中桜が満開でした。駅でおやつを買い込み、ローカル線の電車旅。ガタゴトとスキーも揺られます。旅は計画通りにいかないほうが楽しいよ。

リバーサイドホテル
子宝
縁切りと縁結び
桧枝岐のコロッセオ
由来を知ると悲しくなります
開店待ち
下山後はやはり肉
駅から来るバスが折り返すから昼の便しかないと知る
会津尾瀬口駅
帰ろ

装備について
冬季の基本装備から何を引き、何を足すか?
現在の私のスキー装備はざっくり3パターン分かれます
①厳冬期ビバーク装備
②残雪期長期縦走装備
③残雪期ベースキャンプ型装備
今回は②をベースにし、低山向けにアレンジしています。特に尾瀬は旅の要素が強くなり、高い山に行くときに持参する装備から不要なものを省き、逆に普段持たない物が必要になります。

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