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アウトドア環境下でのサトウのご飯の温め方

Twitterでバズったので、こちらで詳しくご紹介しておきます。

前提として、電子レンジがない環境でハードタイプのパッケージに入った同商品を温める方法はこれまでも幾つかありました。しかし、どれもあまり効率的とは言い難く、既存の方法だとパッケージごと湯煎するか、中身を別鍋に移して再加熱するかの2択でした。対して今回の方法はパッケージ自体を蒸し器として活用することで、少量の水と小さい鍋での時短調理が可能となっています。

下からサトウのご飯、コンビニ惣菜、重しのポテトサラダ


以下、既存の方法で感じていたデメリットを記しますが、キャンプなら許容範囲でも、登山や数日のハイキングには当然不向きでした。

①湯煎する場合
大きい鍋が必要
お湯が沢山必要
時間がかかる(推奨15分)

②鍋に中身を移し替えて少量のお湯で温め直す場合
手間がかかる
鍋が汚れる
食感が変わる
(おじややラーメンの締めには向いている)

他にはアイラップに中身を移して湯煎する方法もありますが、本質は①とさほどかわりません。

今回ご紹介した方法は幾つかの課題を1度に解決できる点で優れており、それゆえSNSで大きく話題になりました。皆さん同じような不満を抱えていたのが良く分かります。商品自体の魅力や可能性はやはり大きく、これでやっと積極的に山に持っていくことが出来ますね。

メリットを整理すると
1、鍋のサイズは小さくて良い(パッケージより鍋の径が小さい事が重要)
2、お湯は少なくて良い(残った湯を即席スープに使う場合は160cc以上)
3、加熱時間の短縮(湯煎だと沸騰後15分だか、こちらは5分で完了)
4、燃料の節約(沸騰させる湯量が少ないのでその分燃料も少なくて済む)
5、おかずも同時に加熱可能(多様なコンビニ惣菜が使える)
6、食事時間が短い(アルファ米が戻る頃には食べ終わっている)
7、登山前の準備が楽になる(コンビニで調達可能、低コスト)
8、アルファ米より美味しく、入手性も格段に良い

パッケージよりも鍋が大きいと蒸気が漏れる(写真はエバニュー600)

実生活においても冷えたご飯を温めなおす場合、蒸籠を使うほうが電子レンジよりも食味は優れています。我が家では電子レンジが壊れた際によく蒸し器を使ってご飯を温めていました。今回のアイデアはそのアウトドア版と言えるでしょう。

※写真はイメージ

手順
①お湯を沸かす
②パッケージに十字の切り込みを入れる
~Point~
パッケージは下に向け、下段となるサトウのご飯には表裏両側に切り込みを入れる(蒸気が上に抜ける)。上段の惣菜には表面のみ切り込みを入れる(蒸気を滞留させ余計な熱を外に逃がさない)。
③お湯が沸騰したらパッケージを下に向けた状態で鍋に重ねる
④温まったらおかずのパッケージにご飯を移して食べる
※サトウのご飯だけを温める場合でも表裏両面に切り込みは入れたほうが良いでしょうね、蒸籠の構造もそうなっていますので。

十字の切り込み
裏面にも(蒸気を貫通させるため)
おかず側は表面のみ切り込み


twitterの意見と私の所感
散見されたのは、「温めたご飯が柔らかくなって下に落ちないのか?」でしたが、加熱時間がオーバーしない限りその心配はありません。バーナーの種類や鍋の素材についても気にしなくて大丈夫です。その代わり火力調節ができないアルコールストーブは不向きです(炎が外に漏れないカルデラストーブなら大丈夫かもしれません)。2段にした場合の熱の伝わり方については、当然下段は熱々、上段は程よく温かい、といった感じです。多少おかずがぬるくても、熱々のご飯と一緒に食べるのでむしろ丁度良いです。上段のおかずに熱が回らない場合は頃合いを見て上下を入れ替えるなど工夫してください。おかずのチョイスに関しては蓋がプラスチックではなくフィルム状のパッケージなら問題ないでしょう。汁気の多いおかずは液体が下に漏れる場合もありますが、ごはんが吸ってくれるのでさほど心配しなくても大丈夫です。コンビニ惣菜でいくつか試しましたが、麻婆豆腐は少し液だれしましたが許容範囲です。チンジャオロースーやレバニラも許容範囲。餃子やから揚げなどは大丈夫でした。別に用意した器に移す必要もなく、パッケージのまま食べるので何も汚れません。デメリットは商品自体がアルファ米等と比べると重くかさばる点と、ゴミが多く出ることくらいです。長期縦走にはあまり向きませんが、装備全体の重量が抑えられる方、なおかつアルファ米が苦手という方は食糧計画に加えて良いと思います。ちなみにサトウのご飯には200g、150g、130gのラインナップがあります。アルファ米は乾燥時100g/仕上がり260gです。あとは各自で判断してください。

予想外の恩恵
何回か試している時に気が付きましたが、この方法だと蒸気が殆ど外に漏れない為、調理後のシェルター内に湿気が溜まらず、夜間の結露緩和に繋がるのではないかと期待しています。特に冬季テント泊時は効果があるのではないでしょうか。

私の場合
今回の手法をベースに調理器具のセットを組んでみました。積雪期のBCスキーを想定しています。食糧は山行直前にコンビニで調達するイメージです。おかず無しで生卵や納豆だけでも良い気もしますが。。

■調理セット
鍋 TOAKS 550(ハンドル無し/蓋つき)
ストーブ 中華製ガスストーブBRS-3000T
カトラリー コンビニで貰う割りばし
その他 ライター、保温コジ―、スタビライザー、ゴムバンド
燃料 230サイズOD缶

既存の冬季ストーブセットよりも小型化

■食糧
サトウのごはん 200g
レバニラ炒め 
オニオンスープ

レバニラの容器の蓋はプラスチックなので熱が伝わりにくいです
餃子定食!
冷凍食品もイケると思います、蓋がフィルム状のタイプは熱が伝わりやすい


2024.3.1 追記
失敗するケース、よくある2パターンについて

①中心のごはんが鍋の中に落ちる
原因➡加熱時間が長すぎる。私の場合5分以上だと落ちる場合があります。4分から4分半が妥当。当然鍋の大きさやバーナーの火力、使用時の気温など、外的要因で条件が変わりますので、ご自分の使用ケースに合わせて何度かテストしてください。

②パッケージの外側のご飯が冷たい
原因➡十字の切り込みが不足。四隅に熱が回わらない。米の落下を恐れて切り込みが短かいと発生するケースです。切り込みが短かいと中心部に熱が集中し、ご飯の落下にも繋がります。加えて終始強火を意識してください。単純に熱量不足のケースも考えられます。

私の場合は低温下での調理時間を想定しています
何度か調整すれば失敗は防げますよ

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