【夢の話】

私は、ここに以前来たことがある。
それはそれは美しい島で、
大洞窟の中に1匹の大きなドラゴンがいた。

その島は、ある岬から出ている船が行ける場所の中でいちばん遠い。

私は、何年かぶりに小学生の友達と訪れることになった。

その岬のフロントは、崖の上にある。
見晴らしも美しい。
その場所よりも低地の丘に、
大金持ちが住んでいるらしい大きい屋敷とその庭がある。
フロントの窓から一望できた。
桜が咲き乱れていた。

友人のA子は、医者になっていた。
小学生の頃は長い髪をポニーテールにしていたが、
白衣を着てボブにしていた。
地黒の肌に赤い口紅。
そしてタバコを咥えていたのが印象的だった。
もう一人のB子は何をしていたかは忘れてしまった。スーツだった。
そして、私もスーツだった。
私は記者をしているらしい。

受付に並んでいたら順番になった。
大人ひとり300円。

私は、受付のお姉さんに顔を覚えられていた。
そして、記者だと知ると私に名刺をくれた。
私は、まだ名刺の受け取り方も分からなかった。
愛想笑いを浮かべてぺこぺこしていた。

やがて、島についた。

あの時は独りで来た。

洞窟の中から見る海は黒く、空は青い。
ドラゴンはあの時に飛び立ったのだから、もういない。

なんとなく物悲しかった。
そして、美しかった。

私は、カメラを持っていた。

愛していた人の写真を眺めていた。

そんな夢でした。

雨螭

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