見出し画像

社会課題 - ハヴィガーストとエリクソン

キャリコンは心理職である。養成学校ではひたすら傾聴を叩き込まれ、想像以上の心理職っぽさに驚いたが(それは担当の先生の個性だったのかもだけど)、学科試験では、最近の社会情勢(統計)や主要な法令関係のほかに、各種発達理論が出題される。

ぶっちゃけ、ここまで社会人経験を積んでいると、社会情勢や法令関係はある程度常識で何とかなる。

座学の中でもわたしにとって新しくまた興味深かったのは、(心理学系・教育系のことを学んだ人にとっては初歩的なことでしょうが)実はいろんな学者さんが言っている諸説理論のパートであった。

とはいえ養成コースは3か月完結なので、授業では駆け足でメジャーな発達理論・意思決定理論・組織論・カウンセリング手法を索引的に説明するにとどまる。

それでは経年劣化した頭脳に情報が残らないため、いろいろ裏を取りながら、実践で使えそうなレベルに肚落ちするまで自分で調べた。今日はその副産物で、発達理論についてちょっとまとめたことを紹介する。

発達理論の事始めは、なんといってもフロイトの心理性的発達理論(リビドー論)だが、それは1905年産のものだし、フロイト自身がいろいろ変な(と言ったら失礼だけど面白い)存在なので、いつか機会があれば別の切り口で紹介したい。

試験のために覚えるべき発達理論は、ハヴィガーストの6段階、エリクソンの8段階、スーパーの5段階、シャインの9段階、あー、あとはレヴィンソンの4段階あたり。みな何段階っていうのからしてバラバラで嫌になっちゃうが、そこでくじけたら負けである。

試験に絶対に出そうなのは、より職業にフォーカスしているスーパーとシャインなのだが、本日はあえて(キャリア云々以前の、基本的な)ハヴィガーストとエリクソンの発達段階を紹介する。

キャリコン勉強中の人で気に入ったひとは勝手に使ってください。学者マップも、合わせてどうぞ!個人的な勉強用のまとめだから商用展開はご遠慮ください。

ハヴィガーストもエリクソンもだいたい似た年齢で区切っているけど、この表のポイントは実は右端の「日本の現状」だったりする。

そう古い理論ではないのに。その年齢の課題と日本ナウとの乖離に着目だよ。

みんな「大人になるのが遅い」くせに「長生き」しちゃうんだから。

 高齢化社会ヤバい!

若者の離職率や非正規雇用格差の問題は悩ましいし(この表には入れていないが、厚生労働省の定義では15歳~34歳までが「若年者」、「地域若者サポートステーション」の対象は39歳までで)。そして、これからの老年期の課題は、死の受容の前に長寿の可能性との対決じゃないか。

それこそ、キャリコンが国家資格とされた理由ってところ。みんな、どうやってこの高齢化社会を幸せに生きていけばよいのか、考えちゃうよね。

これから受験する人は、これに照らして自分のことを振り返ると、整理して覚えられると思う。

例えばわたしの場合、ハヴィガーストの課題に照らすと、そもそも自意識的なものに目覚めたのも相当遅かった(小学校低学年のときに発達遅延を疑われたとか)。しかしある意味、受験戦争に勝ってしまって官僚養成学校に行き、職業意識希薄なままに社会に出た。結婚も出産もすべてが一段階ズレかけた。それは時代の影響でもあるが、性別の役割に関する認識形成も遅く、無敵感を持ったまま突き進んでこられた個性は、この時代においては結果オーライだったのか。

一方、エリクソンの課題に照らしてみると、こちらは抽象的なので、割といい具合に各世代の課題をクリアしてきたと言える。「各年代の課題をクリアすれば幸福度が高い」らしいというのはあっている。

今のわたしの課題は、ジェネラティビティ(エリクソンの造語…あえて言うなら次世代観、思いやり?)…まさにそうだわ。

あー、目下は試験、今週末だけど。

発達課題の出題は、これで間違えないよ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?