見出し画像

That's all about what Education is - クルンボルツ

私がお世話になっているキャリア・コンサルタントの養成講座の教科書には、覚えるべき学者さんが50人以上のっています。

講座では軽く論旨を紹介されるのみなので、「この人はどうしてこんなことを言ったのかな?」「この人とこの人の言っていることはおんなじに思えるけど、何が違うの?」と、だんだん気になることが増えてきて、ついでに(それは私だけかもしれませんが)どんな顔をしているのか気にもなり始めるわけです。

キャリア理論自体がそんなに古いものではないため、20世紀以降の、主に米国の学者が多く、中にはまだご存命の学者さんも結構います。

その中から特に、色んな人に紹介したいなと思ったのが、御年90歳(2018年現在)、 スタンフォード大学の名誉教授クルンボルツ(John Krumboltz)の「計画された偶然性(Planned Happenstance)」理論です。

画像1

2019年5月追記:: 命を全うされました。寂しい。

クルンボルツの理論は、バンデューラと同じ社会学習理論の系譜にあるのですが、この予測不可能な世界の中で生きていくためには、

 好奇心(Curiosity)
 持続性 (Persistence)
 柔軟性 (Flexibility)
 楽観性 (Optimism)
 冒険心(Risk taking)

の5つのスキル(=ということは、つまりこれらは性質というよりも、学んで身に付けることができる技術なのです)が肝心だと。そのスキルを身に付けて、積極的に「プランド・ハップンスタンス」=計画された偶発性をむかえに行こうよ!というのです。

そもそも人のキャリアはコントロール不可能な偶然に支配されるとするものの、その前提をあくまでポジティブに扱うスタンスがいい感じです。

著書のタイトルからして、「Luck is no Accident(その幸運は偶然ではない)」とか、「Fail fast, Fail Often (さっさと、いっぱい失敗しよう)」とか、陽気ないきあたりばったり感、いいねえ!

数年前にバークレーで講演した動画も見つけました。

要約すると、すべての人が意味深く満足のいく人生を自ら創造できるよう、また、無意味な恐れを克服できるように支援するのが教育の目的だというメッセージです。That's all about what Education is.

英語OKの方は是非見ていただきたいのですが、終始ユーモアにあふれていて、聴講生たちにも愛されているあたたかい雰囲気が素敵です。

教科書には乗っていない背景も含めてクルンボルツの思いに触れた気がして、自分が人様のキャリア支援をしていくにあたっても、その精神を役に立てられそうな気がしてきました。

私は外資系企業を辞めてから幸いハッピーに仕事をさせていただいていますが、一点、英語を使う場がなくなったのが残念だなあと思っていたところ、少なくともインプットについては、しばらくはこのキャリコン関係の(なかば趣味的な)勉強で使い続けられそうです。

原語にアプローチできるとやはり見える世界が広い…

これも、計画された偶然性?かもしれませんね。

クルンボルツ先生!わたしも、好奇心と冒険心をもって、楽観的な未来を描きながら、現実に対しては柔軟に持続的に対処していきたいと思います!

表題写真は本文と関係ありませんが、最近食べた中でピカ一心に残ったラム肉とねぎの炒めもの by 羊香味坊 (ヤンシャンアジボウ)@御徒町

どなたさまも、ラッキーなライフキャリアを。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?