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自然が偽造する素晴らしき取引

先週の帰省は法事が主題だったが、ヨーヨーに田舎の夏休み的なのを体験させたくて予備日をとっていた。

しかし、連日の猛暑カンカン照り。クーラーの庇護下から出るのが怖い。

いやしかし、滅多にないチャンスだからと気持ちを奮い起こし、少しでも涼しい午前中のうちにとヨーヨーを連れて行った、地元の海洋博物館は、平日だったこともあって、狙い通り、ガラガラだった。

50円で魚の切り身を買って、のんびりと海ガメさんたちに餌をやれるし、飼育係さんとアザラシさんと観客の子供が同じ頭数というほぼかしきり状態ででんぐり返しやバイバイ等の芸を見せてもらえたし、ヨーヨーはまんまと大喜び。

しかも隣接の海水浴場もとても綺麗で、海の家の釣り遊びの魚の質も、そのまま唐揚げにして食べられそうなカレイやエビなのだった。(サイズはちっちゃかったから、キャッチ&リリースしたけど。)

もちろん、日焼け止めに加えて日傘とサングラスとマキシワンピで完全防備していったよ。でも、屋台の釣りが案外難しくてマジになってた数分の間に、裾からちょっとのぞいた片足首を直射日光に晒してしまっていたようで。気がつけば赤く熱を持った肌が夜になって痒くなり、無惨な日焼けかぶれになってしまった。

気温が高いだけでなく、紫外線も凶度を増してるのかな。自分が子供のころに比べると、確実に5度は気温が高いもんね。

それとも自分が年取ってお日様に対抗できなくなってきてるってことかとくよくよしながら東京に戻ってきたら、道路に陽炎(かげろう)がたっていた。

熱帯かと思って携帯のニュースのヘッドラインみてたら、東京の高速道路を地下化する計画がある、というのが出ていた。その脆弱な仕組みの維持のためにどれだけの追加のエネルギーを注いでいくつもりなのか。人間、追い込まれてる。

地上で暮らせなくなって地下にもぐるなんてやだな。手塚治虫の描く未来か。すごくやだなあ。

暫く不在にしていたマンションの部屋は蒸し風呂のようになっていて、クーラーつけても1時間以上、ちっとも冷えなくて閉口した。

今年にはいってから、今の便利至極な町住まいではなく、海や山などの自然にもっと近いところで暮らしたいという思いが、自分的にどんどん高じてきている。

もともと田舎者で孤独耐性が高いけれど、それだけではなく、このところ続く異常気象に、作り込まれた都市システムの限界がチラチラ見えてきていて、生存本能がからだの奥で目覚めて焦ってる感じ。

…とかって難しい理屈つけなくてもこの暑さだもの。わたしだけでなく、みんな参ってるよね。

移住ってそう簡単になせるものでもないし、小さな列島(あるいは惑星)のなかでちょっとくらい尻の付け所を変えたからといってどうにかなるレベルでもない気がするが。

In a tower of steel, nature forges a deal to raise wonderful hell - "isobel" by Bjork

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