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職業(Vocation)の本来の意味は「自分の使命を果たすこと」

ティール組織という本が最近ちまたで話題。でも、読んだ人に概要を口頭で説明してもらっても、うまくまとめたウェブサイトを読んでも、どうもわたしは「何を気迷いごとを言っているんだい」としか思えなかったので、実際に読んでみた。

そして確認できたのは、わたし自身について、これまで、まさに本書で言うところの「オレンジタイプ(達成型)」の組織の価値観のなかで生き抜いてきたんだなあということ。

今はどうか知らないけれど昔のAppleは軍隊的でアンバーな色彩を帯びていた。直近まで勤めていたGoogleは間違いなくわたしにとって「働きがいのある大好きな会社」であったが、とはいえコーポレート、その屋台骨はオレンジ。そこで仕事に愛着を感じていた自分は、まったくもってオレンジ(達成型)の人だった。次の段階とされるグリーンについてさえ、「ラブもピースもいいけど、そんな下から目線で事が起こせるかいな・・・」と、ちょっと異国情緒を感じていたところまで、納得の八卦。

アンバーとかグリーンとか、読んでいない人にはなんのこっちゃという感じだと思うが、興味のある人はちょっとググってみてください。ただ、本の言い分を理解するには読むのが一番だと思う。

で、丁寧にそれらのイデオロギーを説明したうえで、いちいち「…じゃなくって」「これからはティールだ」という。そして、オレンジ心にちょっとひっかかっているところ(例えば、仕事と人生がそもそも乖離しているから「ワーク・ライフ・バランス」って言葉になるんだとか)を突いてくるから、え、じゃあ、どうするの?って思う。思うじゃん?

その課題を解決するティール組織においては、そこに所属する全員の意思決定の基準が外的なものから内的なものへ移行するという。そして、経験のない意識の段階に進もうとすることは、非常に個人的で、独特で、やや神秘的なプロセスだという。

本書でその回答が明示されているかどうか、解釈は人により分かれるところだと思う。なにごとにも、ティール組織にも負の側面はある。それはすべての問題を解決する最終形ではない。でも人間は常に進んでいく。短い命を散らしながら。より良い世界を望みながら。なんにせよ、自分たちは次のステージに進化できると信じるほうが、楽しいよね。

本書がベストセラーになっているのは、経済的社会的成功を掴みながらも幸せになり切れない今時の働き手の現前と、多くの人が実は心の奥に持っているホリスティック(全体性)を希求する衝動とをつなげて説明しているところにあるような気がした。

わたし個人は、自分の来歴を俯瞰してみるとともに、今、これから実現しようとしていることを整理して考える参考になった。

読んでよかったので、とりいそぎ紹介。

チャオ!

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