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「ほめる」って、How?

人を「ほめる」って難しいです。

特に子育て中の母ちゃんたち(あるいは部下とのコミュニケーションに悩む人たち)には共感してもらえるんじゃないかと思うんだけど、「(子供は)いっぱいほめて育てろ」という神話がある一方で、「無闇にほめてはいけない」という説もあって、どっちやねん!と思いません?

巷に溢れるほめ推しがイマイチ肚落ちしていないんだけれども子育てに自信がない私は、尊敬する平木典子先生の今年の講座のテーマが「ほめる」だと聞いて、これはとばかりに受講してきました。

ちょうど一年くらい前に初めて平木先生の講座に出て衝撃をうけたのですが、振り返ってみても、アサーションを知ってから家族との人間関係がずいぶん改善したなと思います。

そこで理解したことがこれまた自分が持っていた疑問に答えてくれる内容だったので、以下に簡単に紹介します。

まず、ほめるには「誉める」と「褒める」の漢字があり、漢字の成り立ちを辿れば、前者は対象のあるがままを肯定するのに対して、後者は何らかの基準をクリアしたというステータス、パフォーマンスを讃えるという意味にも読めます。

子供をほめるという時、そこにはまた二つの意味があって、ひとつは、人間は認められると気持ちが良いと感じる、そのストローク(やり取り)を覚えさせること。ちゃんと見ているよ、というサインを出すこと。

ヨーヨー(5歳)はしょっちゅう「ママ、見てて!」と言います。見てもらっているということ自体が、小さい子供にとってはなんだかすごく大事なんだなと思います。大人でも、「あれ、髪切ったね」と誰かに気づいてもらうと嬉しいですよね、別に「似合うね」とまで言われなくても。

もうひとつは、「躾(しつけ)」の機能。なすことの良し悪しを覚えさせること。この後者をしっかり捉えずに、ただただ無闇にほめては、子供はほめられるために行動し、ほめられるのを待つようになってしまいます。両方のバランスを取りながら、沢山言葉をかけてあげることが大事。

具体的には、何か指示したことを子供が出来た時、頑張ろうとしたとき、言われたことに取り組んだ姿勢をちゃんと見ていてほめてあげるのがよい。それは、ただ「ありがとう」という言葉がけでもほめることになるのだというわけです。

子供をほめることには誉めると褒めるの両方の要素が混ざり合っています。ほめるということについては、それが感情のことだけではなく、常に論理マターであるという側面も、分かっておくべきということです。

そうだな!と納得したので、わたしは、今後は自信をもって子供をほめていけるなって思いました。

沢山ほめられた経験のある人は、人をほめることも上手になると平木先生は仰っていました。確かにそうかもしれません。

ただ、講座の中でペアワークした相手の方が、部下育成に悩む会社員の女性でしたが「自分は全く褒められることがなかったから、こんな時はこういう言ってほしかったなあと思うことを人に声がけするようにしている」とおっしゃっていたのを見て、その気持ちと意図をもって他者に接する人は、褒められ慣れていて自分は人より優れていると考えている人よりずっとずっと褒め上手にもなるだろう、とも感じました。

本コラムのBGM:「How」by ジョンレノン :10代の時はぬるい曲だなと思っていたけど、今頃になって、染みる。

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