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ゲームのオフイベは効果があるのか?

オンラインイベント意味あんの?

数字が見えないのは怖くね?

Web広告に投下した方がよくね?


ゲームのマーケティング現場ではよく出てきがちな話題です。

こんにちは。フリーゲームプロデューサーのうきょうです。

上記の話、私も何度も経験してきました。

クソ食らえです。

特に数字が見えないものを極端に毛嫌いする経営者やマーケティングマネージャーなどは数字が見えづらいことに対しては極端に懐疑的だったりもします。


果たして、オフラインイベントは効果があるのか?


今回はこのテーマについてお話していきたいと思います。

と、その前に、ここでいうオフラインイベントと、効果の定義について触れておきたいと思います。

オフラインイベントの定義
この記事ではファンやプレイヤー、ユーザー参加型とします。企業が一方的に発信するタイプの発表会などは含みません。
効果の定義
この記事では費用対効果を意味します。特に売り上げ、利益についてです。


どんなイベントにも意図と目的があって実施するわけですが、ここでのオフラインイベントと効果の定義は上記のものとして、話を書いていきます。

一言で言うとファン向けのイベント。

ではこのイベント「実施する効果がある!」と開催前から声を大にして言えれば苦労はしないのですが、そう簡単にはいかない。

では「どのように「効果あり!」と見せるのかが、プランナーとしての腕の見せ所なわけですが。


業務内容と効果は
決済者が納得できる理由を用意する


まずはこれがすごく大事かな。当たり前ですけどね。

すべて自分のお金、自分の最良でイベントが展開できるならば自己責任ですべてが行動できますが、大方実施するためには説得する人が絡んできます。そしてお金もそこそこ使います。

プロジェクトの業績はインセンティブ報酬(ボーナス)にかかってくるので、上層部の人ほど死活問題になりがちなため、できる限りリスクは抑えて効果を最大限得やすい方にシフトすることも当然ですよね。

そんなわけで、代表なり上司なり、お金を出す人や許可を出す人(=ここでは決済者と呼びますが)、この決済者を納得させなくては進められないし、納得していただくのは至極当然かというお話でございます。


そこで、ここからはその決済者を納得させるためのロジックなりを一緒に考えてみたいと思います。レッツ シンク!

余談:家庭内決済者は奥さんの場合が多いでしょうから、ご機嫌さえ取れればなんとなくうまくいくことは多いでしょう。そんなことはない? それはご愁傷様です


決済者の脳内は結果がすべて
工程で自分が面倒かどうかもポイント


「オフラインイベントをやる」この場合、まず決済者ではこういうことが脳内で発生します。

A・面倒くせぇ。自分に何かメリットあるのか?
=売上が上がって結果自分のボーナス増えるん?
B・シンプルに費用対効果が薄そうだ。これはちょっと怖い
=費用が増えると利益下がるやん
  自分のボーナス減るん?いややん
C・低予算でテスト的にできるならばいいけれども
=失敗しても自分のボーナスが減らないならいいか
 でもそれ大丈夫なん?
D・面白そうやん、好きなタレント呼べたりする?
=自分のやりたいこともやれるんやったら勝負するのもありやな。結果スタッフも喜んでお客さんも喜んでくれたら嬉しいやん

A〜Cは基本的にはその決済者都合なんですけど、これ、いずれもとても重要だし、ありきたりな理由でもあるんですよね。

そして「D」は半分私情が入っていますけど、結構これもよくあるケースだし、大事なことなのよね。


いずれにしても変わらない事実はこれ

①費用は間違いなくかかること

②準備業務とイベント当日の業務が発生すること

②に関しては、どうしても物臭な決済者の場合は、一切業務負担はかけませんと言うしかないですね。


広告効果を計算して比較する


①に関しては、いずれにしてもやるからには効果を上げたい。それは誰しも同じ。たとえば広告費が月に100万円しかないとする。

その広告費を投下してオフラインイベントをやるのか?

月100万円、1ダウンロード仮に千円かかっているとする。

そうするとその月は、1000人の新規獲得者数が100万円で見込めるのに、その費用をオフラインイベントで使っちゃう?どうするっていう話が切実に出てくるわけです。

そしてその1000人の課金率5%で、月単価ARPPUが5000円、平均継続率4ヶ月だとすると、250,000円/月なので、回収までに単純計算で4ヶ月かかることになります。

ではオフラインイベントをやるとどうなるのか? はすぐには計算できないことになる。

そんなときは他のタイトルの参考数値があればいいが、ない場合は完全なフェルミ推定をすることになります。

例)コアユーザーの参加100名、ARPPU5000円のエンゲージメントを上げる。そしてその継続率を+4ヶ月持続するとする。=200万

など、新規広告を突っ込んだときとコアユーザーの持続した時の金額を比較してプラスになる可能性を提示したりすることも1つの手法。


PR効果を最大限に高める


それ以外では、シンプルにオフラインイベントを釣りにして、PRでの露出量とオーガニック流入を増やす方法。

オフラインイベントでのキャンペーンをPRネタの1つとしてぶら下げて、カムバックユーザー、新規顧客への露出を出して新規獲得数を計算したり、広告効果を算出する方法で資料をこさえることも1つの手法だと言えます。

できれば広告効果、収益期待は合算であった方が理想的です。


最低限の新規獲得フローは抑えつつ
時には赤字をちょっと出すこともあり


正直鼻から自分の保身や理解を示してくれない方には効果が薄いですが、月のWeb広告費を全部突っ込んでオフラインイベントをやるというのはできれば反対。最低限の新規獲得を途切れさせずにWebをやるのは必須。

どうしても捻出が難しい場合は、Web広告の一部を削ってオフラインイベント用にキャッシュをプールしておきつつ、オフラインイベントやるとか。

場合によってはその月は赤字でもいいのでWeb広告とオフラインイベントを実施してPR効果とエンゲージメント率アップの双方を行った上で効果を最大限にすることが大事。


といった感じです。

少なくとも業務に関しては負担を書けないということを伝える。

数字に関する根拠はありとあらゆるデータを駆使して組み込んでいく。最低限仮定の数字は入れ込んでおいて、ちゃんと振り返りができるようにしておくことと、仮に微動だに数字が動かなかったとしても、リカバリーできる打開策は持っておくことがとても重要ですね。


最後に


よく「オフライン広告やオフラインイベントは効果が見えないからやらない」やってはだめだという人がいます。

こういう人が決済者の場合は実施がかなり困難ですが、その言葉の裏に何があるのかを質問することも重要です。

「Web広告と比較して効果が見えない」から、費用対効果が不明瞭である。という理由が一番大きいのではないかと思いますが、今はイベントの大きさはどのような手段でも実施は可能です。

試しにやってみればいいんですよね。それこそ有識者やコアユーザーの一部に声をかけて座談会などをするだけでもいいと思うんですよね。

実際私はTKPの会議室を借りて全部出し物も特典も自作で挑みました。

具体的な数字はここでは明かせませんが、結果的には参加者のリサーチをした結果、半年で書けたコストの8倍以上の収益の貢献になっていた事実もありますので、確実にオフラインイベントは効果があったことをここに書いておきたいと思います。

やり方次第でお客様はより楽しんでいただけますし、関係スタッフも当事者として関わることができてモチベーションもアップするのでオススメです!


補足:
オフラインでの数値計測の仕方は色々あります。よくあるのがイベント参加の応募時に情報(ユーザーIDやゲームID)を登録してもらい、以後調査する方法。特典を配布して、その入力してくれた方の経過観察など。SNSの発信情報などを見るなど。

いただいたサポート費は還元できるように使わせていただきます! 引き続き読んでいただけるような記事を書いていきたいと思います。