余談① TQMのイメージ



日本品質管理学会のTQMイメージ
「品質/質を中核に、顧客及び社会のニーズを満たす製品・サービスの提供と、働く人々の満足を通した組織の長期的な成功を目的とし、プロセス及びシステムの維持向上、改善及び革新を、全部門・全階層の参加を得て、様々な手法を駆使して行うことで、経営環境の変化に適した効果的かつ効率的な組織運営を実現する活動。」
品質管理用語 JSQC-Std 00-001-2018

文言をみると、当たり前に重要と認識できる文章である。しかし、具体性に欠ける。加えて、それぞれの要素の関係性を読み解き、実務への適用には、各組織、経営者なりの解釈を存分に取り込まなければならないだろう。
 よく言えば、非常に包括性のある考え方と言えそうである。以下で、わたしなりの解釈をグラフィックにまとめた。


私なりのTQMイメージ

ポイントを下記に示す

  1. 重視する品質を明示的に区分している。区分することで、思考領域の焦点を絞って、品質要素を検討できる。

  2. 各品質要素の繋がりを意識する。プロセス→プロダクト→サービス。良いプロセスで良いプロダクトを。良いプロダクトを良いサービスでステークホルダーに提供し、良い体験、成功、信頼の獲得。

  3. 解釈する上で発見があったのは。継続的な事業発展、ミッション達成を支えるのは、顧客満足というレベルにとどまらず。ステークホルダーが成功に至ること、成功により信頼獲得。
    そして、この成功を生むにはステークホルダーと事業のコンタクトポイントが必須である。このコンタクトポイントにはサービスの品質が架け橋になると考えた。

  4. 上記の品質を支えていくのがQMSであり。これらの要素として、様々なテクノロジー、継続的改善、革新、組織の価値観、文化、人々のオーナシップを基盤に置いた。本来のTQMの「全員参加」を、オーナシップを持って事業に携わることとした。オーナシップは参加を包括する。かつ、全体最適を志向する上での重要な視座となる

  5. QMSへのインプットに、経営環境の変化に加えて、ステークホルダーの声を追加した。顧客に留まらないことが、長期的な成功の一要素と考える。

  6. QMSにリスクマネジメントの要素を入れ込みたい気もあるが。QMSの一部かな?と思いつつ、プロセスの下に。ベーシックな思考の基礎として据え置く。

  7. 本来のTQMだと、プロセスの維持向上を区分しているが。その点は改善に含めてしまう想定。日常管理そのものが維持向上である

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