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羽光師匠への50の質問

こちらの落語会の特別企画
せっかくですので、こちらにまとめてみました。

『羽光師匠に50の質問』


Q1:覚えてみたい古典はなんですか?

A1:今、『宿屋仇』を口伝の稽古に行ってます。いつO.K.出るかわからないので、一年後位のネタおろしを目指します

Q2:覚えるのに苦労した落語はなんですか?

A2:七度狐、土橋萬歳は、上方の師匠が東京来る度にちょっとづつ分割して教えて頂きましたから、一年以上かかりました。

Q3:途中で挫折した落語はありますか?

A3:『たちきれ線香』は、稽古していただく約束までして覚えはじめましたが、若旦那の演技が難しすぎて挫折しました。

Q4:もうすぐ50歳ですが、今後の目標ありますか?

A4:創作者にはリミットがあります。僕があと何年何かを作り続けられるかわかりませんが、刻一刻と終わりは近づきます。僕は落語を進化させたい…と考えています。まだ皆さまが見たことないような落語を作りたい。

Q5:春風亭昇羊についてどう思いますか?

A5:僕より20歳近く若いです。僕もあんなに若くて才能あれば、あんな事もこんな事も出来る…と羨ましく思います。そして昇羊はきっと落語を進化させます。僕が到達出来ない境地にきっと昇羊は到達するだろうとも思います。

Q6:落語家として悩みはありますか?

A6:2018年渋谷らくごで生み出した「ペラペラ王国」を超える作品を4年経った今も僕は作られていません。表現者とは、自分を超え続けるべき存在だと思います。僕は常に何かを作り続けたいと考えます。

Q7:尊敬する落語家は誰ですか?

A7:自分の師匠鶴光を一番尊敬しています。
でも自分の師匠以外で、影響受けた人は三遊亭円丈師匠です。亡くなった今も常に僕の背中を押してくださってる気がします。

Q8:忘れられない恋はありますか?

A8:僕は粘着質な男なんで、Facebookで高校時代好きだった人の名前を検索しています。

Q9:お酒はどんな種類が好きですか?

A9:大体何でも。尿酸値と血圧の薬を飲んでるのでビールやワインは控えてます。ウイスキーや焼酎は体質に合ってるようです。でも一度高級なブランデーを飲んでみたい。何故ならよく英国のドラマや映画で飲んでるのを観るから。

Q10:好きな映画は何ですか?

A10:ティム・バートン「エド・ウッド」    
サム・ライミ「死霊のはらわた」シリーズ    
J=L・ゴダール「気狂いピエロ」    
吉田大八「桐島、部活やめるってよ」    
山下敦弘「リンダ リンダ リンダ」

番外編 春風亭昇羊さんに聞いてみました。
Q:笑福亭羽光師匠についてどう思いますか?

A:柄シャツと腕時計の人だと思います。ですが、それより真っ先に思い浮かぶのは面白くて優しい先輩、ということですお会いするととても優しくしてくださいますし、私のような未熟な後輩のお喋りにも、いつも大笑いしてくださいます。後輩のための新作落語の会も開催してくださったりと、とても面倒見がよく、私もお世話になっており、感謝しかありません。

Q11:三島落語会のついでに立ち寄れそうなおすすめスポットありますか?

A11:三島大社が、駅から徒歩圏内にあります。有名です。

Q12:私小説落語の聖地巡礼がしたいです。ファンがこっそり行っていい場所ありますか?

A12:大阪高槻市に遊びに行ってください。降りたったら、サンスターと明治製菓のにおいが多分します(私小説落語青春篇1より)

Q13:落語の中で好きなキャラクターは誰ですか?

A13:上方版「不動坊」に登場する幽霊役の講釈師です。人に頼まれていたずらする部分が僕に似ています。

Q14:初高座の思い出を教えてください。

A14:末廣亭で「手紙無筆」を前座の時口演しました。今まで漫才やってたので、座る事の安定感を感じました。

Q15:神様を信じますか?

A15:信じたいです。ドストエフスキーは、神が居るなら何故この世に悪が蔓延り、悲しみが満ち溢れているのか…と書きました。その答えを僕も私小説落語で問い続けたいです。

Q16:好きな漫画は何ですか?

A16:【サルでも描けるまんが教室】相原コージ、竹熊健太郎による日本の漫画。「ビッグコミックスピリッツ(小学館)」にて1989年46号から1991年18号まで連載。

Q17:好きなミュージシャンは誰ですか?

A17:RCサクセション、ガガガSP、ゴーイングステディ。最近パンクバンドが好きになりました。

Q18:羽光師匠のオススメの小説ありますか?

A18:初心者に読みやすく実は泣ける小説を紹介します。
ジョン・スタインベック「二十日鼠と人間」
遠藤周作「悲しみの歌」
スティーブン・キング「スタンド・バイ・ミー」

Q19:スティーブン・キングのどういう部分に魅力を感じますか?

A19:ホラーやサスペンスの中に淡い青春物語を内包してます。行った事無い米国メイン州のデリーはどことなく高槻市に似てるように感じ、その要素は僕の描く【私小説落語】シリーズの参考にしました。

Q20:ロシアのウクライナ侵攻と、日本の進む方向についてどう思いますか?

A20:日本が戦争しないといけなくなっても、僕は50歳だし体力無いし、戦争に行かなくて済むかも知れません。でも僕の中三の息子や僕が学校寄席で会った子ども達は逃げ切れませんだからもし戦争に行くのなら50歳以上の人限定という決定なら納得いく。選挙では、若者は年寄りの票に勝てず、日本の政策は戦争に行かないで済む人に有利に働いてると感じます。

Q21:自分で買ったもので一番高かったものは何ですか?

A21:二ツ目の時作った黒紋付きです。袴と羽織のセットで30万しました。

Q22:いけてると思う私服は何ですか?

A22:つなぎです。

Q23:高級な物で身につけてる物はありますか?

A23:立川文都師匠に貰った腕時計です。ロンジンというブランドらしいです。

Q24:好きな食べ物はありますか?

A24:牡蠣です。写真は東北に行った時、僕と小笑兄さんが一晩で食べた量です。

Q25:人の仕草でキュンとする仕草があれば教えてください。

A25:女性が縫い物をする仕草です。理由は現代ではあまり見られない女性像だから。

Q26: 何をしている時が一番幸せですか?

A26: 読書と映画鑑賞です。

Q27: もし宝くじが当たったら何に使いたいですか?

A27: マンション買います。

Q28: 自分を動物に例えたら何ですか?

A28: ねずみです。妻の実家で夜中に食べ物をこっそり食べますし。

Q29: 旅行で行ってみたい場所はどこですか?

A29: 常に、石巻、気仙沼に行きたいです。毎年行ってましたが、コロナ禍になってから行けてないので。

Q30: 休みの日は何をして過ごしてますか?

A30: 買い物で安い半額食材を買ってきて料理してます。一食を500円以内に押さえます。

Q31: もし生まれ変わるなら何になりたいですか?

A31: また僕になりたいです。

Q32:誕生日に欲しいプレゼントは何ですか?

A32:ウイスキーやブランデー等のアルコール類です。焼酎や日本酒、ワインでもうれしいです。

Q33:都内でおすすめの居酒屋はどこですか?

A33:六本木一丁目の【ゆにおん食堂】です。落語会もやっています。
※残念ながら2023年1月で閉店されるそうなので皆様行くなら今のうちです!!

Q34:好きなテレビ番組は何ですか?

A34:【100分で名著】です。今まで知らなかった本を、この番組で沢山知りました。

Q35:落語会を開催しようと思うのですが、会場はお店でも良いのですか?

A35:はい。居酒屋でも喫茶店でも公民館でも何処でも落語会は出来ます。

Q36:羽光さんが最近興味を持った事は何ですか?

A36:哲学者ドゥルーズの思想です。二項対立で世界を認識しない考えが気に入りました。

Q37:世界はこれから良くなると思いますか?

A37:誰かにとっての良い世界は、誰かにとっての悪い世界だと思います。そういう均衡の元に世界は存在しています。だから僕は楽しい事があっても心の底から喜べない時があります。

Q38:人生の転機となった日本の出来事は何ですか?

A38:バブル崩壊による就職氷河期です。あの時、就職してもどうせ人生やっていけないと思い、芸人になりました。

Q39:どうやったら人は幸せに生きられますか?

A39:月並みな言葉ですが、誰かを愛してください。

Q40:今までで一番印象に残っている夢は?

A40:いつも見る夢があります。古い山の家屋に住んで居ます。床下には僕が殺した父の死体が埋まっています。僕は人が来る度にバレるんやないかとビクビクしています。

Q41:無人島に1つだけ物を持って行けるとしたら?

A41:何か難解な本です。

Q42:好きな数字ありますか?

A42:12です。

Q43: 辛い事があった時、羽光さんはどうやって乗り切りましたか?

A43: 乗り切らず逃げて生きてきました。勉強嫌で受験諦め、就職活動辛くて芸人になり、芸人辞めるの嫌で落語家に転向してきました。逃げ続けた人生でも死ぬよりましです。

Q44: 最近の世間に対してどう感じますか?

A44: 同調圧力が、一番怖いです。SNSが持っている見えない力は世論を動かし、戦争に導きます。

Q45: 下ネタを得意とされていますが、厳しさが増すコンプライアンスにどう対抗しますか?

A45: テレビ等のメディアは不特定多数が不快にならない表現をすべきです。でも寄席やライブは、わざわざお金を払って足を運ぶので、かなり責めても良いと思います。

Q46: 死ぬのがかなり怖いそうですが、どうやって恐怖を紛らわせてますか?

A46: 自分がいなくなった世界を想像します。僕が落語を稽古した後輩が生きてたら、その中に僕の一部が存在していると感じる事が出来るので、出来るだけ多くの生の断片を残して恐怖を紛らわせます。

Q47: 生きているのが虚しいなぁと感じる時、元気が出るような落語ってありますか?

A47: 「らくだ」です。

Q48: 落語にはどんな魅力を感じますか?

A48: 芸能人や政治家の不祥事を、世間はやっきになって叩きます。人(僕も含め)は正義を貫く時、快感です。またSNSで悪口言ったり、引きずりおろす時、自分が大きな力を持ったように感じます。でも、他人を許せた時、もっと幸せを感じると思うのです。落語は〈許し〉〈寛容〉の芸術だと考えます。

Q49: 異性との新しい出会いを求めていますか?

A49: 常にモテたいと思います。ツイッターにDMください。

Q50: 50歳とは羽光さんにとってどういう意味を持ちますか?

A50: 母も49歳で、落研の先輩立川文都師匠も49歳で亡くなりました。自分が生きてこられた事を感謝します。


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