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イギリスにいる日本人の家庭は土曜日が忙しい。日本語のお勉強は補修校か塾か

お父さんです。

このブログは地元の公立中高で学び、地方大学を卒業した庶民派お父さんがひょんなことから子供二人の都内私立小学校受験を経て、またまたひょんなことで子供たちがイギリスのボーディングスクールに合格するまでの道のりを綴っています。

今回の記事について                                      
今回の記事は、イギリス現地校に通う子供を持つ皆さん共通の悩みである日本語の教育についてです。そのままイギリスに永住する方は別にして、いつかは日本に帰国する予定の駐在家族にとって日本の教育をいかにキープするかは常に悩みどころです。それが日本の中学や高校受験に重なるとさらに悩ましいです。皆さんの参考になれば嬉しいです。


イギリスに駐在しているご家庭で、子供たちをイギリスの現地校に通わせている皆さんの共通の悩みは、土曜日の過ごし方だと思います。いつかは日本に帰国する前提の家族が多いと思うので、英語で学習するイギリス現地校に子供が通っている家庭は、子供たちの日本語、また帰国した際に日本の授業に付いていくための勉強をどうするかという事でみなさん悩み、大変忙しくされていると思います。ご多分に漏れず、我が家の子供たちも土曜日に日本語力および日本のお勉強を維持するための学校に頑張って通っていました。
この悩みは以前最初に書いたこちらの記事にもある通り、以下①、②、④の家族に当てはまる悩みです。

①イギリスの私立小中学校(Independent school)に通う家庭
②イギリスの公立小中学校(State school)に通う家庭
③日本人学校に通う家庭
④インターナショナルスクールに通う家庭

日本語ならびに日本の勉強をキープするには、大きく3つの選択肢があると思います。

①補習校に通う(日本人補習校)
②日本語の塾に通う(JOBA、ena、または早稲田アカデミーなど)
③自ら家庭学習する

①は、イギリスの現地校やインターナショナルスクールに通う日本人生徒のための補習校で日本のカリキュラムをキープする事を目的とした学校です。ロンドンにはアクトン校、ブレント校、クロイドン校の3つがあります。どこの校舎に行くのかは住んでいるエリアで決まっています。土曜日の半日を使って3コマの授業を受ける時間割です。以下を参照ください。
http://www.thejapaneseschool.ltd.uk/londonhoshuko/top.html

補習校のウェブサイト


一方で②はいわゆる塾です。日本の中学受験、高校受験、大学受験を前提として、そのために必要な準備をするのが目的です。我が家は日本にいるときは小学校受験(いわゆるお受験)を経て日本の私立小学校に通っておりましたので、戻った時にそれぞれの学校の授業に付いていけるように塾に通っていました。イギリスに渡る際に学校から「ぜひ日本語のフォローもお願いします」と言われていた事も現実的な事情としてありました。

塾に通われる皆さんは一般的には「帰国枠での中学・高校受験」を目指されるご家庭の数がもっとも多い印象です。日本の国立・私立中学校には海外に滞在していた子供のための「帰国枠」というものが一定数用意(滞在年数などの条件あり)されており、その枠を目指して一般の入試とは別の帰国枠入試を目指してみんな勉強しています。ちなみにこの帰国枠は、日本の小学校での学習カリキュラムの習熟は相対的に遅れているものの、逆に英語など日本にいる子供達よりも進んでいる科目の受験を追加で受ける事で、多様な生徒を確保する事を目的にしています。

昨今の多様性の拡大を背景に殆どすべての学校(国立、私立問わず)で帰国枠は設けられていて、だいたいほぼ全てで「英語」が追加受験科目だと思います。人気なのは東京においては、渋谷教育学園渋谷校・幕張校(いわゆる渋幕や渋渋)、慶応の湘南藤沢中等部(SFC)、洗足学園、頌栄女子学院、あと最近では広尾学園あたりでしょうか。当然ながら国立の筑駒あたりも大人気&最難関。この辺は中学受験情報がたくさんインターネット上にありますので、そちらをぜひご覧頂ければと思います。

ちなみに倍率ですが、10年程度前までは帰国枠の方が相対的に入学しやすかったと聞いてましたが、最近では帰国枠の方が倍率高いようです。ご参考までに渋渋の一般入試と帰国枠入試の合格実績を下記に。全体の合格率が約23%。帰国生の合格率が21%程度なので、昔のように合格しやすいという事は一切無く、狭くて厳しい門だという事が分かります。

渋渋中学の受験者数と合格者数。ウェブサイトより
https://www.shibushibu.jp/enrolled_news


またロンドン日本人学校の中学合格実績もいかに参考まで共有します。なかなかの実績です。皆さん優秀です。
http://www.thejapaneseschool.ltd.uk/nihonjingakko/page/sinrojokyou/sinrokjokyou.html


少し話が脇道に逸れてしまいましたが、我が家の場合は、子供たちはまだ小学校低学年でイギリスに渡ったため、そこまで中学受験モードではないものの、日本の勉強もしっかりキープしようという事で、JOBAという帰国子女を専門とした塾に通っていました。https://joba-uk.jolnet.com/ 

JOBAのウェブサイトより

ちなみに、早稲田アカデミー(アクトン)やena(イーリング)もありますが、全体としては我が家の周辺ではJOBAに通っている方が一番多かったです。校舎もJOBAは3つ(アクトン、フィンチェリー、ウィンブルドン)ある事を考えるとそれぞれアクトンとイーリングにある塾よりも生徒数が多いのは間違いなさそうです。レベルがどうかという話については、我が家はJOBAにしか通っておりませんので分かりません。地理感は以下の記事をご覧ください。

JOBAでは、イギリス現地の公立高校もしくは中学の校舎をお借りして土曜日に授業が開催されます。そこに娘と息子がそれぞれ毎週土曜日の半日程度の時間を費やして通っていました。

具体的には、国語と算数の主要2教科が基本的な履修科目です。少なくとも小学校3年生までは2科目で十分で且つレベル分けもありません。これが小学校4年生からは少し様相が変わってきます。具体的には、

A:国語と算数がレベル別に分かれる。
B:サポート補習が加わる。
C:必要に応じて社会や理科が追加される。
  (ただ履修している生徒はあまり多くない印象)。

という感じです。Aについては勉強が得意な子や中学受験を早めに意識している子はAdvanceコース的なものを履修し、逆に基礎をしっかりと固めたい子は基本的なコースを履修するという感じです。これは良い悪いという事では無いと思いますが、日本語の国語や算数のカリキュラムを先取りで勉強し、中学・高校受験の準備を進めるという事と、受験をしない場合でも帰国した時にすぐキャッチアップできるよう準備を進めるご家庭も多いです。

ちなみに我が家の場合、先生から「算数はチャレンジだけどAdvanceコースで鍛えた方が良いと思います」というアドバイスを受け、娘はAdvanceコースを履修していました。一方息子についてはまだ小学校4年になる前だったのでクラス分けはありませんでしたが、漢字が本当に苦手だったのでサポートをするのに妻が本当に苦労しました。算数だけは得意でしたが、そもそもその前に問題文など日本語の意味が分かっていないのではないかという、そこはかとない不安がありました。

いずれにせよ、土曜日はこのような形で最低でも3時間。オプション補習を加えると4時間超の勉強時間となります。これに社会と理科を加えるとさらに3時間程度が加わり、7時間程度まで時間が延びます。当然学校・塾には親が送り迎えをする必要がありますので、土曜日は大人にとっても子供にとってもゆっくりと休むこともままならない忙しい1日となります。

「じゃあ英語で学ぶ現地校じゃなく、日本人学校に行けばいいじゃないか」

という意見もあるかと思いますが、現地でしか学べない事もあるので英語で学ぶ現地校という選択をしつつ、日本に帰国した後の事も考えないとならないとなると、このような選択肢しかありません。やむを得ないと言えばやむを得ないのですが、子供たちの土曜日は忙しいです。

ちなみに我が家の子供たちは、途中からJOBAに通うのを諦める事になりました。大きな理由はコロナ現地でのスポーツクラブの活動です。まずコロナですが、問答無用でイギリス全土がロックダウンとなり、オンライン授業に切り替わってしまった事が1つのきっかけです。もう一つが現地での地元のスポーツクラブチームでの活動が盛んになってきた事が大きな要因です。特に息子の場合はサッカーとラグビーを一生懸命やって、試合が土曜日の午前中から予定されている事もあり、「日本語の学校は嫌だ―」と言うようになっていきました。

私としては、日本語の勉強もしっかりとやって欲しかったのですが、一方では、小学校時代はチームスポーツなどで友達と一緒に体を動かすことをたくさんやって体を鍛えて欲しかった事もあり「まぁ良いか」と判断しました。
この決断が正しかったかどうかは分かりませんが、間違いなく息子の体は鍛えられた一方で、日本語能力(特に漢字)はかなり遅れてしまった事は否めません。。が、それでも後悔は特にありません。
イギリスに来る前に、日本で小学校受験に一生懸命取り組んだ我が家ですが、現地でしかできない経験を最大限できたという意味で良かったと思います。ちなみに日本で小学校受験に取り組む際にも「体を鍛えるのが優先」と私は密かに思っていた事もあり、イギリスではそれを実現できたと思っています。こちらの記事も参考までどうぞご覧ください。


今回も長々と書いてしまいました。いつも記事を読んでいただきありがとうございます。皆さんの参考になれば嬉しいです。





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