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Dear Insanity...COLORS/Don't Go Insane編

しつこいくらいの前回のおさらい↓
グリーンとピンク、ゴールド、ブルー、パープル
と、色分けされて使われるエフェクト。Mr.Insanityの相棒やこの世界のピンクの住人、グリーンやピンク、ゴールドに光る目、いろんな色の蝶や光る虫や色のついたモヤなど。
日本語の靄(もや)は英語だとmist、hazeのニュアンスが近いと思う。
全体を通して、この世界(The Other Side)はグリーンのモヤが立ち込めているんじゃないかな。バッドマンのゴッサムシティのようなやたら街に煙や霧が立ち込めているようなイメージ。基本の色がグリーンだからあちらこちらでグリーンのモヤがかかっています。

蝶や妖精のように光る虫(以下妖精)、スパンコール
ミュージックビデオで繰り返し使われている表現なので、見てると
あ、次何か起きる前兆だな。とか、これピンクの蝶だからこうだなとかが理解できてきます。
グリーン:The Other Sideの世界のベースカラー。味方の色ですがどちらかと言うとノーマル、狂ってないしMITOの状態でもない。でも何かしらこの世界の力が働いているので、そのパワーが発揮される前に光ったり目がグリーンになったりします。エメラルドシティにMITOの街がありますがMITO自身はモノクロがメインカラーです。
ピンク:The Other Sideの住民の色。滞在時間が長いほど狂っていくので住民の彼らは真っピンクです。グリーンとは対照的な立場。全てが敵という訳ではないですが、攻撃的なのはよくわからない変なものが侵入してきたから排除しようとしているだけかもしてません。行動が狂ってる時とか躁の感覚を表していて、その後起こる事を暗示してます。
ゴールド、パープル:Mr.Insanityの色。The Other Sideにいるのでベースがグリーンなんだけど、ゴールドとパープルが彼の色って事かな。
スパンコール:キラキラと舞ってるエフェクト。Mr.Insanityの時によく見られるエフェクトなので、これが舞っている時は彼の状態か、彼になりそうな時なのかなと思います。


MVの感想はこちら↓

歌詞/訳はこちら↓

イアンが色の意味について話した内容をまとめた記事↓



今までも様々なダンスチャレンジが流行って、まさかイアンの曲が選ばれて流行るとは思ってもいなかったけど、実際韓国のアイドルが拡散に一役買っていてすごい勢いで再生回数が伸びています。
私はダンスを習った事もなければもっぱら観ているただのオーディエンスにすぎませんが、それを見た個人の数少ない感想としては、ベルトを首に巻いてまるで奴隷のような?振付だけが唯一嫌です。ダンサーには何の落ち度はないし他はとっても素敵だと思う。きっと首に紐状のものをキュッとして首を絞めるような表現が本能的に嫌なのかも。(ネクタイは首を絞めてるわけではないからそういう感情にはなりません)ただ、イアンの曲がダンス経由でも世界に広まっている事は本当にうれしいです。
このミュージックビデオに参加したダンサー、振付師、その他各専門のスタッフ達の努力が報われますよね。


さて、それでは"Don't Go Insane"の色の変化を追っていこうと思います。
私の考えるタイムラインはこうです。

1 Famous Last Words
2 Welcome To The Other Side
3 Peanut Butter & Tears
4 Don't Go Insane
Don’t Go Insane TEASER
5 So I Danced/Bad Cold(同時期かその前後)
6 Violet Crazy

"So I Danced"のエンディングで、テレビに映った未来のMr.Insanityはこの
"Don't Go insane"に出てくるので、順番おかしいじゃん!となりますが、
後付け言い訳のようですが、この世界には1本の世界線だけではないんだと思います。
意識の各扉を通り抜ければ通り抜けていくほど狂っていくと説明しましたが、この曲の彼はまさにどんどん狂っていってる経過にしか見えないし、実際そういうタイムラインなんでしょう。
この先に待っている"LIMBO"へむかって。

MVのおさらいもしていきます。暗い部屋で鍵盤を奏でるイアン。
I spent my nights on melting snow
Just turning my sorrows into pure gold
(僕は雪解けの上で幾晩も過ごした ただ悲しみを純金に変えて)
歌詞だけみるとMr.Insanityの言葉ですが、MVでは鍵盤を弾くごとに照明が変わり、人格の変化を表しているようにも見えます。

この時はイアンかも。頭上に白く光る妖精が飛んでいます

照明のスイッチングでイアンとMr.Insanityを表現してるよう。

この時がMr.Insanity。妖精が白い雪に変わり降っています

そして狼の遠吠えを聞いて何かを感じるイアンの目はブルーグリーン。

イアンが持っているカラスの羽の色

どうしてこの色なんだろう?と思って羽ペンと同じ色に気が付きました。
暗いブルーグリーンの羽。これってカラスの羽ではないでしょうか?
カラスはバックダンサーが扮してるし、"LIMBO"にも出てきます。
一般的には真っ黒だと思われているカラスですが、光の屈折によって美しく色を変えます。ちょうどこういう色。また、カラスが象徴しているのはMITO。彼らしい描写はないけどこの世界は彼も住んでいるので影響がないわけがない。青はインサニティが引き継いだという意味。インサニティの影響下にいるイアンという事です。

長い廊下を進んでいく後ろ姿が見えますが、ここも意識の扉を開けたその先で廃墟のようです。

ピンクに光る目。メイクからMr.Insanityです
グリーンに光る目と黒いモヤ。黒いのはMITOの影響を感じます 
Insane(狂ってる)I'm sane(僕は正気だ)と交互に目の色も変わります
後にも出てきますがTheHybrid

自分が狂っていくのが怖ろしく、コントロールもできない。手から出てくる黒いモヤを見ているとグリーンの手が横から出てきてその場所から連れ出してくれました。

次の瞬間墓場で起き上がるMr.Insanity。グリーンに光ってはいますが、目の色はゴールドです。
〈悪夢が過ぎ去る時にはそばにいて〉と歌っていて、傍にいてほしいのはイアンですが、そこはピンクの住民しかいません。

ここは"Calico"。キャリコゴーストタウンを再現した街ですね。実物はもっとボロボロで
細かい部分が違うので、ゴーストタウンを再現したんだと思います
スパンコールが舞っているのでヤバい事が起きそう

ピンク達に追い詰められるシーンでは農具を武器にして持つ手にピンクの稲妻が走っています。お前は何者だ?!この世界に何しに来た!

ピンクの蝶とピンクの稲光

違うんだ、何かの誤解だ。待ってくれ、僕は敵じゃない。追い詰められる彼の手から、意思と反して出てくるグリーンや黒のモヤ(パワー)でピンクも混乱。やっぱりこいつは私たちに危害を与えようとしているじゃないか。

追い詰められている彼の顔は汚れていませんが

次のシーンでは捕らえられてしまったMr.Insanityが十字に縛り付けられ、火あぶりされようとしています。そして彼の顔、怪我しています。
きっと殴られたんでしょう、口の横には血の跡が。

ここで脱線しますが、そもそもどうして彼は十字に縛り付けられて火あぶりという拷問処刑をされようとしているのか?ただ処刑するだけなら
絞首刑でもいいと思いませんか?大まかなストーリー構成には宗教的な意味が含まれていますが、それはイアンの生まれ育ってきた環境で構築されたイメージや考え方が元になっていると思います。
私はキリスト教徒でもないので、よく映画を見ながら、
魔女っていうレッテルを貼られて公的に拷問され迫害されていく女性達の無念さと、それを実行してしまう人(自分の信じている宗教が全て。異教徒は完全悪という思考)の愚かさと人間の未熟さってどの時代も形を変えて残るんだな~という感想を抱いていました。火あぶりは対象者にとっての苦痛、見物者にとっての見せしめ、実行者にとっての自己満足だと思います。そこに宗教的な意味合いを乗せているように思う。
調べていてとても興味深い論文がありましたので興味があれば読んでみて下さい。↓宗教は年月を経て意味や内容が変化していきます。それは思考する信者(人間)がいるから。

「魔女」に対する拷問と処刑ー関西大学学術リポジトリ
溝井裕一氏

PDFです。コピペして検索してください

墓から生き返ってきたというのも、そこに骨が埋まっていたからで、火あぶりによって骨まで塵にして、二度と復活できないようにしたという解釈が強いようです。
というわけで、Mr.Insanityはピンク達に魔女のような異端なものとして扱われ、こういう状態になったんですね。

そんなピンチを酒屋から出てきたグリーンが救い、2人で街中を逃げているんですが、グリーンが一瞬ピンクになってしまいました。

グリーンはピンクにもなりうるという事でしょうか。彼の今後も気になります
逃げてる最中にも
何かが起こる~

直後、カメラにぶつかる=限界にぶちあたる=限界を超え、アレになる。
出ました。The Hybrid(ハイブリッド)。
完全に狂気に陥ると彼になります。そしてこの状態になると何も見えなくなるのです。(ただし、このハイブリッドの見た目はインサニティを通したハイブリッドです)

この空間は白い煙が蔓延していて物理的に視界も悪いです。

もどってきて~

この状態になっても色の変化があって、

本人と蝶がブルー、他がグリーン
本人と蝶がグリーン、他がゴールドかな
本人がゴールド、蝶と他がパープル

The Hybridは、行き過ぎたHIGH(Mr.Insanity)と行き過ぎたLOW(MITO)混ざり合ったものです。イアンにとっては行き過ぎたMr.Insanityは何をするかわからないのでMITOより厄介。慣れているMITOの方がまだましというレベルです。
そしてこの2つが混ざり合ったThe Hybridになるといろんなバランスが壊れてしまいそう。実生活においてはいろんな面でサポートして彼を見守っているので大丈夫だと信じています。

さて、いよいよヤバいです。もう戻れないんだと思っていると、列車の中で我に返るMr.Insanity。The Hybridの時に漂っていた白い煙をせき込み吐き出しました。グリーンが心配そうにしています。街の中で逃げていたのにどうやってこの列車に乗ったのか?
完全に狂ってしまっている間の記憶がないのです。完全に戻れたわけではなく、The Hybridの影響はまだあります。
両指からグリーンのパワーを発射するThe Hybrid。

そのグリーンを両目に受けます
混沌としたイメージがMr.Insanityにながれてきます

〈一晩中ずっと待ったんだ 空のホタルを見上げながら
慎重に君のそばに近づいた その時明かりがついたら
君はまやかしだった〉
Mr.Insanityが狂ってしまう前の正気の自分を見つけたと思ったらそれはまやかしで、結局彼はずっと独りだった。

彼のこの表情。歌詞と相まって、もう一人の自分を反対側からじっと見ているようです

I'm sane(僕は正気だ)と歌う彼の最後のシーンには黒い蝶が飛んでいました。
彼はThe HybridだけどMr.Insanityでもある。(ハイブリッドの影響下にあるインサニティというのが正しい)
世界線が2つに分かれ、元に戻る彼と戻らない彼がいるように見えました。

列車の最後尾の扉はグリーン。ゴールドの蝶がとんでいます

そして狂気へと向かう列車から飛び降りるグリーンとMr.Insanity。
そこはどこかで見たことのある荒野。"So I Danced"でMITOに追い詰められた荒野のようです。
列車の最後尾の扉はここから抜け出す、次の意識への扉だったのかもしれません。今までのシリアスな雰囲気ではなく少しコミカルないつも通りの
2人。彼らの向かった先には何が待ち構えているのか、
この後"Don't Go Insane TEASER"に続き、”So I Danced"に続きます。
もしかしてこれらの曲の世界もループしてるのかも。
その理由はこのシーンです。↓

手から出る黒いモヤと、これから起こる出来事をおそらく垣間見ているであろうMr.Insanityの、何コレ?の顔。このシーンは"LIMBO”の最後のシーンにも使われているんですが、彼の、え?今見たのは未来なの?夢なの?
みたいな表情。
"LIMBO"も含めてループかもしれない…。

Butterfly collections in Don't Go Insane

ストーリーとしてはこのあと"Violet Crazy"でいよいよ"LMBO"に足を踏み入れるんですが、これまでの3曲ほどたくさんの色の変化はありません。
ここまで、MVで使われる色の意味を取り上げてきましたが、これは個人的な解釈です。皆さんはどう感じましたか?

そして"SKINS"と”LIMBO”は次のアルバムに入るとイアンが話していたので、
アルバムが出た時にでもしっかり取り上げる方がいいと思います。
その時にまたお付き合いください。

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