バンコクでバイタクに乗って考えた

久しぶりにタイのバンコクに行きました。

片側6車線の道路にいろいろな車がひしめき合って大渋滞。

そんな光景が広がっていました。


今回、初めて「バイタク」に乗りました。

お客はバイクの後ろに跨がって、目的地まで運んでもらうバイクのタクシー。

バイクだから渋滞なんてお構いなし。車の間をすり抜ける。

実際に乗ってみて、最初のうちは良かったです。

おっちゃんが運転するバイクはとっても快適。


ところがです。渋滞ゾーンに入っていくと、例のすり抜けが始まります。

「あーぶつかる!」

日本の感覚では考えられないほど、狭い空間をすり抜けます。

両サイドには車の列。

どう考えても、左右から張り出してくる車のミラーが邪魔で通れない。

それでもおっちゃんは、攻めまくる。

バイクのハンドルを傾けて、張り出してくるミラーの下に僕らのミラーをくぐらせる。ミラーを3次元的にかわすテクニック。

ふと、いつかの教習所の教官の声が聞こえてきました。

「バイクの後ろに乗るときは、自分を荷物だと思いましょう」

下手に体重移動せず、運転バランスはドライバーに任せた方がよいというアドバイス。

「荷物、荷物、荷物・・・・」

と頭の中で繰り返し、座席の取っ手を強く握りしめ、必死に荷物になりました。


他人に命を預けるという感覚を味わったのは、初めてのことです。

しかも、見知らぬおっちゃんに。

世界に目を向ければ、きっと交通事故って多いんだろうなと思いました。

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WHOによれば世界で毎年約130万人が交通事故で亡くなっているそうです。

交通事故削減は世界の重要課題。

SDGsのゴール3の目標の中には「2020年までに世界の交通事故を半減する」と掲げられています。


日本は交通量の割に、交通事故死は少ない。

それは、道路管理者が安全な道路をデザインし、自動車メーカーがサポカーをつくり、保険会社はテレマティクス保険を開発するなど、いろいろな人の努力の賜物だと思うのです。

それでも交通事故はゼロにはならない。

行き着く先は、ドライバーの意識の問題だと思うのです。


「譲り合い」

それが大切だと考えます。

にこやかな道路空間が広がれば、交通事故はもっと減るはず。

一人一人の行いで日本の交通事故をさらに減らす。

そしてその事実が積み重なれば、世界の交通事故削減に役立つ日がくる。

そう思っています。

だから、僕は今、安全運転に励んでいます。


もちろん、バイタクのおっちゃんも安全運転だったのだろうけど。

お気持ちは誰かのサポートに使います。