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乳首解放運動 inイタリア

「Free The Nipple」、日本語だと「乳首解放運動」。
7月上旬に1週間ほど行ったイタリア旅行で、この「Free The Nipple」を実体験した感覚があったので忘れないうちに記録(イタリア旅行記の第一弾がまさかのこれ)。



乳首解放運動とは

「女性たちの乳首を開放せよ!」というスローガンを掲げて、女性も男性と同じようにトップレスになる権利が認められるべきだ!と訴えるムーブメント。
最近私の周辺でよく聞くなぁと思って少し調べてみると、2012年頃にニューヨークから始まり、そこからセレブリティの支持も受け広がっていた運動で、意外と10年以上の歴史があることなのだと知った(ELLEELLE girlの記事が分かりやすかった)。

そして、記事を読んでいてびっくりしたのが、過去に男性のトップレスも禁止されていたこと!

アメリカでは1930年代まで男性も人前でトップレスになる事が違法でした。しかし「トップレスでビーチをエンジョイしたい!」と思った男性たちが抗議運動を始め、逮捕者が出たりしながらも1936年にその権利を勝ち取ったそうです。

ELLEより

禁止だったということは、男性のトップレスの姿も現代の女性のトップレスと同じように、ある程度「性的」な対象だったのだろうか…そこの感覚が気になる。

イタリアで見た乳首たち

7月上旬、イタリア旅行に行った。
先にお断りしておくと、女性がトップレスで堂々と歩いていました!トップレスの女性がたくさんいました!ということでは全くないので悪しからず。

連日様々なTVでも報道されている通り、オーバーツーリーズムの波はイタリアにも例に漏れず来ていた。私はフィレンツェ、ミラノ、ローマの主要な観光名所を周ったのだけれど、どこもかしこも人だらけ!特にローマのコロッセオやバチカン市国はすごかった。イタリアに来ているツーリストのほとんどは(話す言語や外見からだけの判断だけれど)ヨーロッパ圏や北米からの方のようだった。アジア人は10%にも満たない印象。

私が行ったイタリアの街は連日昼間は35℃以上の猛暑ということもあり、女性の、特に若い女性のツーリストは大体がタンクトップやキャミソールにデニムのショートパンツ。マダムな年齢層の女性でもキャミソールドレス1枚という格好が多かった。そして彼女たちの多くがナチュラルに「Free The Nipple」なのだ。

つまりブラもしない、カップ付きでもない、ニップレスもしていない。私は思わず心の中で羨んだ。35℃の真昼間の炎天下、かたや自分の胸の周りにはブラ+キャミ+Tシャツで3枚(ブラを考えると3枚以上か)の布地が重なってるのと比べて、彼女たちは涼しそうな布地1枚!いいなぁ!

上品さと下品さの狭間

と、同時に、このまま露出が増えていく方向性になったときってどうなるんだ?とも考えた。
乳首を解放しよう!好きな服を着よう!という昨今の運動と全く反対の方向になってしまうけれど、やはり露出度の高い服やバストトップが明らかに見える服装は、上品か下品かというと上品ではないかも…と感じてしまう自分もまだいた。
この「品」というものは、文化圏や時代でも異なるから一概にはいえない。けれど、昨年話題になったフローレンスピューさんが「ヴァレンティノ」のショーの際に着ていたドレス(これもELLE記事で特集されていた)に対しては私は品があると感じたから、すべての露出が品がないわけではないかも、とも思う。もしかしたら品に関しては乳首そのものは関係なくて、ファッションスタイルや態度の方が重要なのかも?

日本で乳首は解放できる?

「Free The Nipple」は女性にとって最高だし、平等だし、素晴らしい活動だと思う。ただ、現代の、こと日本でいうと「男性得」にしかならない気がして、結局この意義ある活動も性の消費対象になってしまうのでは…という恐れを抱いたりする。ゲームやアニメでも度々巨乳の女の子が出てくるし、見たくもないのに大量に出てくるエロ漫画のウェブ広告などでも乳首は完全な性の消費物になっている。
私は恋愛対象が男性だから、女性の乳首にどうとも思わないけど、恋愛対象が女性の人の場合が気になる。

夫に聞いてみた

唐突に「彼女たちの乳首ってどう思う?」と夫に聞いてみたところ、「あんまりどうとも思わないかも。ただ魅力的だなと思う人の場合はちょっと違うかも」と少し居心地が悪そうに教えてくれた。ふむふむなるほど。
その人自身のことが魅力的に感じた場合、その人の乳首も魅力的(つまり直接的にいうと性的に興奮する)に映るということか。n=1のアンケートだけど、他の男性陣からも同じ回答が来そうな想像ができる。そうなると、やはり今の現状だと男性が解放された乳首を見て「おっ」と思う可能性はゼロにはならないか。

守りたいし解放したい

「解放せよー!」という声を応援したい気持ちと、大丈夫かな…という気持ちがやっぱりないまぜになる。一度性的な対象になってしまったものが、その役割を背負わずに済む世界がくるのにどれくらいの時間が必要なんだろう。下着をつけるつけない、両方選べるといいな。かわいいランジェリーはやっぱりかわいいし、でも暑くてそんなこと言ってられん!ってときもあるし。

イタリアで乳首のことばかり考えてしまった。


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