人様に見せるシナリオを書いてみた記事


クラシカルじゃないNPCたちの絵

「CoCTRPGクラシックシナリオ企画」というものがありまして、参加いたしました。

書き上げたものがこちらです。無料公開しております。


昨今の10時間とか20時間とかする背景がガチガチに固まったシナリオ、オンラインセッション用素材一式取り揃え、みたいなものとは毛並みが違うかもしれませんが、
冷蔵庫の余り物で作った名前のない家庭料理みたいなシナリオがもっと遊ばれてもいいじゃないかと私は確信しておりますので、えいやと投げてみた次第です。

私はその日一日で遊びきれるセッションが好きです。
気持ちがオフセ前提だからかもしれませんが、セッションは2~3時間のボリュームに収めて余った時間を歓談に使いたい。
そんな十年以上前に私が遊んでいた『クトゥルフ神話TRPG』をいま遊んでもいいじゃないかと思うところでございます(体力的に長時間連日セッションはもうできないし……)。

企画じたいが大きく広まったおかげですが、予想以上に多くの方にダウンロードしていただけまして、承認欲求が満たされました。
たくさんの方に興味を持っていただけまして、感謝の念でいっぱいです。

さて、まずは校正漏れについて。

セルフ校正のため多少の誤字脱字や不明瞭な日本語があることは覚悟していました。
しかし、「ルールブックに記載のないスラング」は徹底して排除したつもりです(たとえば「SANチェック」など)。

にもかかわらず、「対抗ロール」という謎ワードが残っておりましたこと、深くお詫びいたします。正しくは「抵抗表のロール」です。

以下、シナリオ『非存在の町にて』のネタバレを含む裏話をガンガン投下していきます。

『クトゥルフ神話TRPG』でのネタバレ配慮にどこまで意味があるのか私には分かりませんが、界隈に気にする風潮があるので配慮いたします。








いいですね?
『クトゥルフ神話TRPG』でのネタバレを気にしない方はさっさとスクロールしてください。









なんで『クトゥルフ神話TRPG』でこんなネタバレ配慮なんてしなければならないのかというOKIMOを抱きつつ、目指したところを記します。

まず、私はラヴクラフト原作を好んでいます。ろくでもない人物がろくでもないことしてろくでもない破滅を迎える。大袈裟な文章でごまかされてはいるものの、やっていることは割りとB級だよね、というのが私がラヴクラフト御大の作品に抱くイメージです。

『非存在の町にて』も同様に、破滅に向かって突っ走るろくでなしの不動ちゃんをどうにか探索者たちの手で日常に戻してあげる(あるいは盛大に破滅する姿を目撃して【1d10/1d100】の正気度喪失に遭遇する!)シナリオとなっています。
原典リスペクト、のつもりです。

ニャルラトテップの取扱いについては、自分で言うのもなんですが、かなりニャルラトテップらしくなったのではないでしょうか(ちなみに私は「ナイアルラトホテプ」という表記が好きですが、ここではあえてルールブックおよびシナリオ内の表記に合わせます)。

私の中の『クトゥルフ神話TRPG』インディーズシナリオメタゲームは「白い部屋クローズド」で止まっているのですが、「シナリオ真相はニャルの気まぐれ」については「外なる神のメッセンジャーがそんなことするかよ! いや人知の及ばぬ宇宙的気まぐれだから断言はできないけどさあ!」とモヤモヤを抱えておりました。

『非存在の町にて』において「これが“ニャルラトテップの悪意”だ!」という主張をしていきたい。キザイア・メイソンの横に立っているだけの謎の黒い男みたいなさァ、そういうニャル、いいよね……。

続いてオミットした部分の話。

私は体力と気力が常に不足しているため、セッションは3時間が限界です。頑張れば4時間できますが、『クトゥルフ神話TRPG』の戦闘は疲れますから、極力入れたくありませんでした。

不動宅で『郷愁の町にて』デジタル版を読む場面。デジタル版はデジタル版でニャルラトテップの意思そのものには違いないので、あそこでちょっとした戦闘をしても構いません。
小金沢くんあたりを犠牲にして【1/1d6】くらいの正気度喪失を挟んでも構わないでしょう。内山先生ならやる気がします。「モニターから黒いもやもやがこちらにせり上がってくるね」とかなんとか言いながら。

次いで不動の日記について。

失踪したNPCが日記を残していないなどということがありえるでしょうか。これは私がリアリティを優先してしまった結果です。駆り立てられるように文筆を続ける不動が日記やSNSなどするはずがないだろうという。
私のエゴで『クトゥルフ神話TRPG』らしさを損ねてしまった部分であると自覚しております。

ですが、熟練探索者であれば日記を探して〈図書館〉を振るのも当然のこと。事実、テストプレイでもそうした場面はありました。
甘木を不動の日記代わりに使っても構いませんし、『クトゥルフ神話TRPG』らしさにこだわるキーパーさんであれば不動の日記を用意しても構いません。

裏話はこれくらいです。
またどこかで骨董品みたいなシナリオが上がってくるかもしれません。

企画主催の薄花桜(@Felis252245247)さま、このたびは素敵な機会をありがとうございました。
私のシナリオをダウンロードしてくださった皆さま、たいへん光栄です。よかったら遊んであげてください。

以上。

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