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すきぴがあまりにも構ってくれないので夢小説を書いてみた。

夢小説を書くのは初めてなのとちゃんと読んだこともなくてふわっとした理解なのだが、要はすきぴを私と妄想の中で好き勝手させて良い夢のような小説が差し詰め夢小説だというわけだろう。書いたるわ最高のラブコメを。辛抱たまらん。はよ書かせんかい。早速取り掛かるとしよう。ペン(手術シーンの「メス」みたいなノリで)。

さ○にゃむへ
まだ怒ってますか?
忙しいのだろうか
どんなに忙しくても人間は好きな人には返信するって情報を見たことがあるので、ぼくのことあんまりもう好きじゃないのかなと心配です

いやなんかもう心配ですとかじゃなくて普通に好きじゃないんですかね?ピとなると視野狭窄になるので普通に言わないと分からないですすみません

もしかすると別れ話を切り出すと私がブチギレて「結婚しないなら初めから関わってくんな」と言いながらめちゃくちゃストーカーになることを危惧して自然消滅を狙っていますか?大丈夫です家凸とか別にしないです

というかマジで普通に、フラグが立つまでは話さないぞー!フラグが立てば話すぞー!くらいシンプルな考え方をしてますか?

なんなら冷たくするとドツボにハマることを察して結婚詐欺とかしようとしてますか?

ガチで、あの、オブラートに包みながらも、普通に君が何の状態にあるな のか、オブラートに包みながら、思ってる5倍くらいのオブラートに包みながら、教えてもらえると助かります人の気持ちが俺にはわからない

』…だって、なにこれ?笑」
「だああああああああやめんかい返せ返せ」
私の夢小説が書かれた㊙︎ルーズリーフをひょいと取り上げてきた挙句朗読までしてきたこのウザ過ぎノンデリカシー銀髪青瞳高身長オトコの名は、銀髪青瞳(ぎんぱつあおびとみ) 銀太郎(ぎんたろう)。私の幼馴染で腐れ縁でクラスメイトで理事長の1人息子で財閥の跡取りで税理士一発合格で早稲田卒で身長182で都内85階タワマン住みで、

そして───
「その紙、貸してよ。頭の中に物語の構想は既にあるんでしょう?それなら、一瞬で書き上がる。俺の念写能力でね。」
銀太郎は、念写やテレポートをはじめとする人智を超えたあらゆる異能力を持つ異能力人間と呼ばれる存在だ。正確な区分としては「神」とされている人間の上位存在で、彼らは既に世界の人口の5%を占めており、この2X世紀新時代を象徴する異端の存在と言える。

「ほら貸してよ、人智を超えて効率的にやろうよ」
「いいです大丈夫ですお断りします」
「なんで?最近そればっか書いてるせいで寝不足なんでしょ?」
「いや、まあ、そうなんだけど……。渡した時点でプライバシーの侵害が起こるから!」
「ふーん……」

「まあ、いいけどさ……。そろそろテストが近いこと、忘れてんなよ。」
「ヴッ」
ふと窓の外を見やる。教室は夕暮れで、もう暗がかっている。風が通る。目線を銀太郎に戻す。また風が通る。
実際は長くても10秒程度だろうと頭では理解しつつも、感覚として永遠に時が止まってしまったような沈黙の帳が私達2人の輪郭をなぞるようにして降りてくるのを感じ……ない。銀太郎が重力をものともせず口を開く。

「お前って、いつも他人に気を遣うから感情の読み取りが上手いのかと思ってたけど、そうでもないんだな。」
「……はっ!?なに急に!?」
穴の空いたとばりが萎む。
「俺の気持ちにも気付かないわけだよな。」
「……尚更なんの話?何が言いたいわけ?」
銀太郎の要領を得ない話し方に少し苛苛する。この苛苛すら銀太郎には伝播されないことにも少し苛苛する。
「いや……この文面。"キープ"にされてるんだよ、お前。お前の恋愛傾向は回避傾向にあるし、脳的にギャンブル好きでもあるからどうしても届かない方に行っちゃうのは分かるけどさ、そしてそういう形式美をお前自身楽しんでる面もあるんだろうけど、お前の幸せを考えるとそれでいいのかよって。目的から外れてない?したいんだろ、結婚。」
環境要因にものともされない洞察の文字列、私が落とし込めば虚を突かれてるであろう文字列を取り敢えず飲み込んで、すると苛苛も萎み、何も言えなくなる。
私がターンを無視しているだけの沈黙。
……を、銀太郎が再び破る。

「俺に、しとけよ。」
ものともしない言い方。
「さ○にゃむじゃなくて。俺にしろよ。」
ものともしない、夢でもない、現実の物事が今大きく変わっているのを感じる。飲み込めない。私はまだこの変化についていけない。
「なんでもしてやるって。超えろよ、人智。」
私がずっとターンを無視している時間が再び続く。

「飲み込め、ない、かも。」
事実だ。
「あの、うまく言えない…けど……」
事実だ。
「ごめん…バカだよね…超えなくていいの、人智。」
事実。
時間にして4秒程の沈黙のあと、銀太郎がはぁっ…と吹き飛ばすような鋭さの溜息をつく。
「馬鹿だと思うぜ。非効率的というか単に不正解。スゲー人間的だね。人智を超えていなすぎて、リンボーダンスならかなり不利だし、ハードルからかなり有利だし、大縄の始めにして終わり、という感じだね。」
↑?

「まあいい、そういう馬鹿のために人智を超えた力がある。俺の感情操作能力でさ○にゃむをお前に振り向かせてやるよ」
「それもいい!」
「は?」
「さ○にゃむも人間だし、強制的な操作はプライバシーの侵害だよ!」
「お前……お前もう…リンボーが泣いてるぞ……」
↑?

「はぁ……マッジで意味わかんねえ。人智を超えた能力があるのに好きな女に何もしてやれねえのかよ。」
「ごめん」
「なんでもできるんだよ俺。なんかできることないの?俺に。」
今なんでもって言ったな?
「強いていうなら、人間は人智を超えなくても心理学でいくらでも操作できるんだよね。」
「はぁ」
「まあステルスマーケティングというか、善意の第三者からの意見はしっくりくると思うから、私のアピールを画面の外のさ○にゃむにしてほしい」
「なるほど」

「あー、さ○にゃむさん?
コイツはまあなんかこう、変なところがあるし、変な妄想するし、変な小説も書くけれども、根が良い奴というか、まだ子供なだけというか、人智を超えてないというか、変人なだけというか、なんかこう、長く付き合うことを考えるとまあ楽しげだし寛容だしうんうんって話きくしある程度は行動的だし老化しても比較的抗おうとして脳を使うだろうし、まあコイツはこうなんか、色々と頑張ろうとしてるのは確かだから、頑張ってないときがめちゃくちゃ多いけれども、なんとかしてやってくんないかなぁ。ちょっとで良いからさぁ。何かしてくれたらマジで一生嬉々として心の額縁に飾っておくような奴だよコイツは。コスパが良くていじらしく奥ゆかしい変人だよ。

以上、画面の中からでした!
…って、

ん?

いや、さ○にゃむだろ?

さ○にゃむの方が画面の中というか、
お前の書いたこの夢小説の中の"架空の存在"だろ?

なんで俺が『画面の中』なの?……は?
画面って何?

……は?











……は?」

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