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ビジュアルノベルに久しぶりに触れた話

「月に天国はある」

皆様はじめまして。新人Vtuberの浮足断と申します。
このnoteでは主に自分がプレイしたゲームの感想について記録を残していければいいなと思っています。

なお、感想部分以外は言及は避けるつもりではいるのですが、ネタバレ注意となっておりますので予めご承知おきください。

さて、皆様はビジュアルノベルというジャンルについてご存知でしょうか?
一時はビジュアルノベルと言えば覇権を取ったジャンルではあるのですが、最近はあまり表に出なくなってしまったこのジャンルに触れたことがない人も多いかと思います。
かく言う自分もビジュアルノベルはあくまで有名作や表面上をなぞっただけの浅い知識しかなく、プレイ本数も両手では少し足りないぐらいのにわかでしかありません。
しかし、自分の人生の中で摂取した物語の中で忘れられないモノもその中に含まれているのです。

ここから本題。

ゲーム紹介

今回私がプレイさせていただいたのは、
Kazuhide Oka氏制作の「ナツノカナタ」になります。

いいキービジュアルですね。こういうの本当に弱いです。
夏、海岸線、制服の女の子、レトロなバンと妄想要素たっぷりです。
気になった方はここから下は読まずにプレイしましょう。
なんと無料です。
やれ。

そもそもの発端として、なんとなく郷愁に浸りたいというアラサーにとって極めて自虐的な感覚からこのゲームを手に取ったのですが、結論から言うといい意味で裏切られました。
ボリューム、雰囲気、後半からの展開等々、久しぶりに物語を読む手が止まらなくなり連日ぶっ続けで喋りまくった結果喉が破壊されました。

でも面白いゲームだったからいいよね。

どんなゲームだったか

簡単な探索要素が含まれるビジュアルノベルで、探索部分も特にプレイしていて引っかかるような難易度の高いものではありません。
ストーリーに没入したい人向けに探索パートをスキップする機能もあり、それを使用した場合はクリアまで数時間は早くなると思います。
自分は配信で本編17時間、配信外でクリア後エピソード回収が3時間といった具合です。

肝心の物語の内容なのですが、端的に説明するなら『別世界の女の子と通信が繋がったと思ったらその世界は崩壊していた』といったところでしょうか。
ツンケンしているナツノという女の子が主軸となるのですが、彼女がお世辞にも真っ直ぐな性格をしているとは言い難く、それがまたいい味出してます。

言葉のナイフが鋭いナツノ

ナツノは生きるために各地を点々としているのですが、その旅の最中で出会う登場人物たちもまた個性的な人物ばかりです。
今思えば、彼女たちの原動力もまたこの物語の根幹として据えられている感情によるものだったのかもしれません。

推しの一人のシノ
Cat…?

しかもニクいところがクリア後にならないと彼女たちの本当に求めていたもの、そしてその結末が見れないというところ。
ただそれはクリア前までが半端な物語になっているというわけではなく、
「こ、この後の話まで読ませていただいてもよろしいんですか……?」
と思わず伺いを立ててしまうぐらいには完成度高いです。
具体的にはネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲ぐらいには完成度高いです。
無料なのでやれ



感情のままによる感想(ネタバレ有り)



感情のままに言い現すのなら夏でした。
群青の空、うだるような暑さ、蝉の声、そう聞いて脳内に蜃気楼のように見えて隠れる風景の数々。それこそがこのゲームの感想です。

結局のところ、このゲームは何も解決していません。
でもそれでいいのです。
それはゲーム本編内でも何度も語られているし、登場人物たちもそれは理解しています。理解した上でそれを受け入れる選択をしたナツノが主人公であり、画面越しの主人公(我々)はやはりどこまで行っても傍観者であり別世界の住人なのです。
この『物語』には筋道なんてなくて、全てが噛み合っただけ。
だからこそ偶然でよかった。

個人的にお気に入りな部分を挙げるとするのなら、各人の哲学がしっかりしていたところでしょうか。
特にイツカとミナモ、シノの三人がお気に入りです。特にシノは自分自身も田舎出身ということもあって価値観が近く、親しみやすかったです。
あとダサTがかわいい。
個性が立っているサブキャラ達もこのゲームの魅力の一つです。

まとめ

この文章を認めている現在(5/14)の話なのですが、どうやら来週から気温が三十度を超えるようになってくるとのこと。
夏の足音が一気にドタドタと喧しく聞こえてきそうな落ち着きの無さですね。

現実では汗もかくし、暑いし、虫はいるし、肌は焼けるし、熱でフラフラすることだってある。
けれどどこか嫌いになれない夏の音。
それは記憶の片隅、どこかに置いてきたナツノカナタ。
少しだけ先取りして、夏を覗き込んでみるのもいいかもしれません。

公式MV


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