中途面接での筆記試験は重要じゃないってホント?
これまで主に「面接をする際に気をつけておくべきこと」をまとめてきましたが、転職活動をするうえでは、面接だけでなく筆記試験を受けることもあります。その時に、「筆記試験はあまり重要視していない」人は、ちょっと危険かも。今回は、筆記テストに関して知っておきたいことをお伝えしたいと思います。
こんばんは。齋藤亜瑚です。
読者の皆さま、ご機嫌いかがですか? 少なくとも今週までは残暑が続くと言われていますね。だんだん夏の疲れが溜まってくる頃です。睡眠をしっかりとって、ステイヘルシーでこの残暑を乗り切りましょう!
さて、転職活動をしていると、書類選考や面接の他に、筆記テストを課す企業もあることに気付きます。筆記テストの内容は様々ですが、代表的なところは以下の通りです。
●言語処理問題
●数理処理問題
●適性検査(性格診断)
●一般常識・小論文
●専門知識を問う試験(エンジニアなら簡単なプログラミング、経理なら簿記の基礎問題)
などが挙げられます。
◆「筆記試験は参考程度」は間違い
「新卒じゃあるまいし、中途採用は経験や面接重視。筆記テストは参考程度でしょ?」そう思っている方はいませんか?
筆記テストの結果によって、即戦力であっても不合格にする会社は厳然として存在します。甘く見ていると痛い目に遭うので要注意。専門能力だけではなく、基本的な能力も重視し、転職者を多面的に判断しようという考え方の企業に多いのです。
「以前、筆記テストの結果が基準に満たなかった方を特例として採用したものの、結局長続きしなかったことがあるので、今は筆記の結果は結構重要視しています」と仰る人事の方もかなりいらっしゃいました。
社会人としての基礎がしっかりしている方のほうが、キャリアの積み上げがスムーズにいくものなのかもしれません。
せっかく書類が通って面接の手応えもあったのに、筆記テストでつまづいた! という転職者は本当に多いのです。特に、社会人になってからある程度の年数が経っている方に多い印象です。仕事上での実力は十分お持ちなので、非常にもったいない話です。
人材紹介会社をお使いの方は、自分が受験している会社の筆記テストはどういった傾向のものか、よくキャリアコンサルタントに確認してくださいね。
◆筆記試験もしっかりと対策! 集中力が試されているかも
今は、インターネット上にも筆記テストの出題傾向や模擬問題等もあります。もちろん対策本等も書店にはよく置いてあります。ぱらぱらと眺めてみるだけでなく、実際に時間を計って解いてみることをおススメします。
代表的な筆記テストで良く知られているのは「SPI」ですが、中途採用で行われる筆記テストとしては「CAB」をベースにしたものが採用されているようです。
(SPI…リクルートマネジメントソリューションズ製 CAB…日本SHL社製の筆記テスト)
CABの問題は暗算・法則性・命令表・暗号の4種類と性格テストで構成されています。
例えば【暗算】。何だか一見特別な準備も必要ないように思えますね。小数点以下の掛け算や割り算、分数等、小学生の時に習うものです。でも、実務では電卓にお任せしていて、実際自分で計算してみることなど、社会人になってからはめっきり減っている方がほとんどではないでしょうか。
例えば、下記のような問題を50問、10分間で解いていくことになります。
問題1 : 29×43
A:1127 B:1247 C:1317 D:137 E:1297
問題2 : 4256-7-513
A:3952 B:4082 C:3532 D:3736 E:4216
問題3 : 0.9×0.003
A:2.7 B:0.3 C:0.03 D:0.0027 E:0.27
問題4 : 76の30%
A:14.4 B:2.58 C:15.0 D:22.8 E:15.8
問題5 : 0.3÷0.0005
A:0.015 B:6 C:600 D:0.06 E:0.15 …
いかがでしょうか。
「わ、まずい…」と内心冷や汗の方、いらっしゃるのではないですか?
これらの問題を1問12秒平均で解く、ということになるので、ある程度の準備は必要になることはおわかりいただけたのではないでしょうか。
「こんな計算ができるからって何の意味があるんだろう。こういった処理はExcelでできるのに…」とか、「早く終わらないかなー」等と雑念が入ってしまい、集中力がきれる人もいらっしゃるようです。
後半に行くにつれ字の乱れや誤答も目立ち、「面接では几帳面だとアピールしていたのにどうもギャップがある印象だ」と評価されてしまった方もいました。
◆性格診断テストでは協調性やストレス耐性を見られている
また、性格診断テストは、その人の性格や考え方が結果として出てきます。組織に馴染めるか、協調性があるか、ストレス耐性があるかなどが判定されます。
「性格検査は、企業が望ましいと考えているように答えを書けば良いんじゃないかしら」と思う方もいるかもしれませんが、性格診断には「ライ・スケール」というものが存在します。自分を良く見せるための「嘘=lie」を見抜くための設問が仕込まれているのです。
ライ・スケールの代表的なものとして「私はこれまで一度も嘘をついたことがない」「私はこれまで一度も怒ったことがない」「私は絶対に体調を崩さない」等があります。ウソをつかない、怒らないことは美徳ではありますが、人間なら誰しも経験があること。これらを「一度も~ない」「絶対に」と強く否定する項目が出てきたら要注意です。
このようにライ・スケールには引っかからないように注意しなければなりませんが、意識するあまりに回答がぶれてしまう人も多く、結果として全体の回答に一貫性がなくなってしまい、評価が悪くなることもあります。結局のところ、性格検査を攻略するには、素直に解答していくことが大切なのです。
◆筆記テストに向けてもっとも大事なことは「頭の回転」を早くしておくこと
さて、今回筆記テストについてみてきましたが、いくら試験対策のために問題形式や対策法を学んだとしても、肝心の頭の回転が遅いと問題を解くスピードが遅くなり、ほとんど解答できずに試験が終了してしまう、という事態になります。
つまり、筆記テスト対策に一番重要かつ有効なこと、それは自分の「頭の回転を常日頃からできるだけ速くしておくこと」なのです。
頭の回転を常日頃からできるだけ速くしておくために、明日からすぐにできることがあります。それは、「ダラダラ残業しないこと」「時間を区切って作業をする癖をつけること」です。
つまり、日頃から「制限時間を守るために意識しながら仕事をする」ということです。
スマホのタイマー機能を使って、「このメールは5分で送信する!」「この会議資料は15分で」等と決めて作業をする。結構、良いトレーニングになるものです。
コツとしては、最初はちょっと頑張ればクリアできるギリギリの制限時間にして、クリアできたら次から更に30秒ずつ減らした制限時間にしていくこと。3ヵ月も続ければ成果が出てきます。ぜひ、お試しを!
それでは、またお目にかかりましょう!おやすみなさい。 齋藤亜瑚
よろしければサポートを是非お願いします。現在医療介護系の人材会社に所属しつつ、これまで経験してきたことを「転職しようと思ったこともないひとたち」「転職活動したことがないひとたち」が「転職せざるを得なくなってしまった」ひとに還元できるようにしたいと思い活動を始めました。