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転職したいとき、私が使うべき転職サイトはどのサイト?~得意・不得意が転職サイトにもある!その2~

読者の皆さま、お疲れ様です。齋藤亜瑚です。

先日、「転職したいとき、私が使うべき転職サイトはどのサイト?~得意・不得意が転職サイトにもある!その1~」として、リクナビNEXT、マイナビ、エン・ジャパンをご案内しました。

人材紹介会社にとって、スカウト媒体は命綱ともいうべき存在。どのスカウト媒体を使うか(どの釣り堀に糸を垂れるか)によって、売り上げがある程度決まってきてしまうからです。

自社が独自に保有している案件や、所属しているキャリアコンサルタントの得意領域とスカウト媒体とがマッチしていないと、転職者の皆さまも転職先が決まりづらいし、人材紹介会社は売上が立たない。事業運営が厳しくなっていくわけですから、選定時は必死です。

「主だった媒体を全部使えば満遍なく転職者を集められるのでは?」と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、スカウト媒体には(お安くない)一定の使用料がかかります。全てを使うというのは現実的ではないんです。

媒体ごとの得意・不得意を知ることは、転職者の皆さまだけではなく、キャリアコンサルタントにとっても必要不可欠なことでした。


◆日経キャリアNET


日経新聞社グループの日経HR社が運営しているサイトです。このサイトの一番の特徴は何といっても「日経新聞を読んでいる層」が多く会員登録していることです。学生時代に就職活動を始める時、一番最初に就職課の先生に言われたことは「日経新聞を購読して毎日読み込む癖をつけなさい」ではありませんでしたか?

日経新聞購読者がエントリーしやすい導線が仕込まれているサイトなので、自然と「金融業界」×「高学歴」の会員が多かった印象があります。また、現在在籍している企業自体が大手だったり有名企業だったりで、いざ本当に転職する。となると腰が重い方も多かった印象があります。

また、他社と少し違うのはスカウトメールの流通数を制限していたこと。一定条件の転職者に一律にスカウトメールを配信する「一斉配信」ではなく、1対1のスカウトメールを打ってもらい、【スカウトメールのジャンクメール化を防ぐ】という意図が込められていました。

日経キャリアNETの印象は、【半期に一度大物が釣れる】(ハイスペックで高年収の人材の決定が出る)というものでした。熱心に経理財務の勉強をしているITエンジニアを会計系コンサルティングファームへ。とか、経営企画部門の若手を日系シンクタンクへ。というような。あまりたくさんのエージェントを渡り歩いているような転職者も少なかった印象があります。現職がお忙しいので、そこまで何社もエージェントに登録に行けない。というご事情もあったのではないかと思います。

年齢層は高めです。

【ここだけの話】日経キャリアNETは、専任の販売代理店の営業さんが売り込みに来ていました。他の媒体よりもいい意味で「営業」っぽくなくて、あまりガツガツしていなかったです。また、他の転職媒体の営業よりも「担当者の交代が少なかった」という印象です。たまたま私がご縁があった方がそうだっただけかもしれませんが…一方、いち早く「PCではなく今後はスマホでみんな転職活動をするようになるので、スカウトメールの見栄えもスマホでの見え方を意識しましょう」という提案をして来られて、勉強されているんだなぁ。という印象でした。


◆BizREACH(ビズリーチ)


テレビCMでかなり認知度が上がった印象がある「BizREACH」。他のスカウト媒体との大きい違いは、日本で初めて有料にしたこと。「転職者からも月額料金を取る」代わりに「高年収(年収1,000万円目安)の案件のみの取り扱い」という特色を打ち出していたことでした。

現在、ビズリーチの会員は大きく分けてスタンダード(無料会員)とプレミアム(有料会員)の2つで、会員種別ごとに月額料金が異なります。

プレミアム会員も「タレント会員(月額約3,300円)」と「ハイクラス会員(月額約5,500円)」とに分かれています。かつては「現在の年収」が750万円以上の方がハイクラス会員、750万円未満の方がタレント会員と明記されていましたが、現在は審査基準は明示されていません。運営側が独自に選別しているようです。

この媒体は、早くから「ダイレクトリクルーティング」に重きをおいていて、企業人事もキャリアコンサルタントと同様に直接スカウトメールを送れる仕組みです。転職エージェントとしては、他社と勝負するだけでなく、企業人事の直接スカウトとも戦わなくてはいけないので大変です(苦笑)

ビズリーチでスカウトした転職者とお会いした印象は、良い意味でも悪い意味でも「転職慣れ(転職エージェント慣れ)している方が多いかな」ということでした。高年収の層としては、前述の日経キャリアNETと被る部分も多いはずですが、こちらのサイト経由の方たちのほうが「キャリアコンサルタントをこちらで選別しよう(お金を払っているのだから)」という目線が透けて見えていたように感じました。

英語がお得意な方が多かった印象もあります。外資系企業への転職で現年収よりもさらに上の年収を目指す方が、外資系転職サイト(Daijob.comやキャリアクロス等)と並行して利用していたようです。

ビズリーチが若年層の取り込みのために立ち上げたのが、「キャリトレ」です。20代に特化しており、こちらも今後テレビCMが増えてくるのではないかと思います。

【ここだけの話】ビズリーチの創業者は、モルガンスタンレー⇒楽天という転職経験をお持ち。楽天から次の一手を選ぶ際の転職活動時に感じた転職エージェントへの「違和感」をベースにビズリーチを立ち上げたと仰っています。数年前何度かビズリーチ社内の勉強会にも出席してみましたが、この創業者社長の考え方に賛同した社員が多く集まっていて、体育会系気質とベンチャー気質が溢れた企業だな。という印象を持っています。


◆イーキャリアFA


こちらは、ソフトバンクグループであるSBヒューマンキャピタル社が運営しているサイトです。昔は、「ソフトバンクグループ」だけあって、ITエンジニアも一定数集まっていたサイトだったのですが、現在は販売職、接客職が多い印象です。また、他の媒体と比較すると「正社員」ではなく、「アルバイト・パート」「派遣社員」の会員が多い印象がありました。

会員の年齢層は、マイナビよりも上でエン転職と同等くらいです。両方に登録している方、3つともに登録している方も多いです。

このサイトを使う一番のメリットは、「会員登録が簡単」であることです。必須の入力項目が少ないので、30~40秒で登録が完了します。

メリットはデメリットの裏返し。転職エージェント側は、少ない情報から転職希望者の意向を想像してスカウトメールを配信するので、受け取った側は「なんかズレた提案だな」「希望とは違う案件ばっかり送られてくる…」と思うことになりかねません。

月額使用料を低く抑えているので、大手ほどの資金力のない中小の転職エージェントが参画しやすく、「みたことがない社名の転職エージェントからスカウトが来る」ことも多いです。が、見たことがない転職エージェントは優秀ではない、とも限らないところがこの人材業界の面白いところです。大手の流れ作業では到底手が届かないきめ細かいサービスをしてもらえる可能性もあるので、イーキャリアFAを使うのなら、「最初は少しズレたスカウトだと思っても、ピンときたキャリアコンサルタントとはまずは面談しておく」ことをお勧めしたいと思います。

キャリアコンサルタントとしては、イーキャリアFAさんにはもう少しSEO対策をしっかりしてもらいたいな。という希望があります。最近、ロンドンハーツ1号2号の田村亮さんをCMキャラクターにしたようで、その集客力に期待したいところですね。(少し上の年代をターゲットにしようとしているのかしら…)

【ここだけの話】イーキャリアFAの営業さんだけでなく、転職媒体の営業さんは数年で別の事業会社に営業として転職したり、人事として転職したりすることが多いのですが、こちらの営業さんはご自身の転職もきちんと成功されている印象がありました。


いかがでしたか?

また、その3 についても書いていこうと思います!

齋藤亜瑚

よろしければサポートを是非お願いします。現在医療介護系の人材会社に所属しつつ、これまで経験してきたことを「転職しようと思ったこともないひとたち」「転職活動したことがないひとたち」が「転職せざるを得なくなってしまった」ひとに還元できるようにしたいと思い活動を始めました。