トライアングルストラテジーが傑作だった件
アドベンチャーとシュミレーションの両方にしっかり魂が入った傑作、トライアングルストラテジーをエンディングまでプレイしたので感想を書きたい、書かせてください
ネタバレは少なめにしたつもりだけど画像も貼ったので多少は出ちゃってます。
良かったところ
・分岐の作り込みが異常
プレイヤーの選択肢によりストーリーが分岐していくが、それによって各話で戦う相手はもちろんバトルフィールド自体も全く別のものになる事がある。ルート分岐のためにクリアまで1度も使われないバトルフィールドも当然あるし、同じバトルフィールドの再使用も少ない(再使用時はギミックが追加されているパターンが多い!)印象でとにかくリッチな仕上がりになっている。
また、分岐の多いストーリーにもかかわらず、そのほとんどがフルボイスというのはもはや狂気を感じる。
・バトルの緊張感は最後まで
難易度ノーマルでプレイしても終盤まで緊張感が残る絶妙なレベルデザインは他にはない本作の魅力かもしれない。
この手のシュミレーションゲームでもストーリー終盤になると味方の強さがインフレして無双状態になり、殲滅こそ最大の防御になるパターンが多い
「無双稲妻突きどーん」とか
「かのぷーが高台取って半分射○しました」とか
そういうのが本作にはあまりなく、終盤でも敵兵1体を倒すのに三撃程かかるケースが多かった。
その結果
「ちょっと今処理できないから暗闇だけかけとこう」
と言ったからめ手もしっかり機能してくる絶妙なバトルバランスになっている。
また、戦闘周りの仕様としては
・敵は集中砲火して味方を落としにくる
・蘇生手段は限られていて、何度も使えない
・倒されたまま戦闘終了でもキャラロストなし
というバランスになっている。
全員生存にはこだらわなくて良い分、手心もあまりされない。
高難度シュミレーションが嫌だ、という人は難易度very easyもあるのでそちらでプレイするのがおすすめ、アドベンチャー部分だけでも傑作だからやってみて欲しい。
好みが分かれそうなところ
・どちらも楽しめる人用?
バトルは超真っ当にシュミレーションしてるし、ストーリーも真面目にアドベンチャーしているのでどちらかだけ楽しみたい人には向かない作品になってしまっている。特にストーリーパートは必須ではないサイドストーリー(これが意外と面白いんだけど)まで含めると結構な量で、なかなか次のバトルが始まらないとヤキモキする人もいるはず。
ただシュミレーションのバトルは一戦すると結構疲れるのでストーリー部分を楽しめているプレイヤーにとってはちょうどいい箸休めになってくれるという側面もある。
・アンナキャスティングボート問題
重要な選択を迫られた時に多数決によって方針を決める【信念の天秤】システム
プレイヤー自身には投票権がなくて味方を説得して投票を操作していくわけだが、この多数決はいつも味方票が真っ二つに別れ、少数が態度保留になっている状態からスタートする。
そう、結局態度保留の仲間だけ説得できれば良い、とアドベンチャーゲームとしての難易度はかなりマイルドに調整されている。
ルート分岐のストレスを軽減するのが目的だろうが、反対派を説得してなんとか賛同を得なければならない!という熱い展開は実際にはほとんどない。
感情移入の為にも「結局アンナがキャスティングボートを握ってるじゃん」というのは一旦頭から消し去って全員説得にチャレンジしていこう。
・ほんとうに緩やかなインフレ
本作のステータス変化はFEシリーズもびっくりなほどとっても緩やかになっている。特に序盤で上位職へクラスアップする時のボーナスなんかは物防だけ+1とか、誤差レベルのステータス変化しかない事も多い。その他アクセサリや武器強化などのカスタマイズ要素でのステータス変化も少なめになっており、効果の実感もかなり難しい。
「クラスアップした仲間がいきなり無双し始めた」という現象がないのは爽快感に欠ける要素ではあるがゲームバランスとしては健全とも言える。個人的には好印象で丁寧な作りだなぁーと感心した。
・キャラではなく部隊をカスタマイズする
本作の武器は各キャラクター専用のものになっていて、防具の概念はない。装備品としていじれるのは2枠あるアクセサリだけになっている。
そのため装備品によるキャラカスタマイズの幅は狭い。
武器には多少のカスタマイズ要素はあるが、最終的にキャラクターの使用感をガラリと変えるレベルではない。
その一方で味方キャラは多種多様の魅力を持っていて、このステージならこのキャラを出そう!とか相手やステージによって出撃メンバーを変えていくというのが本作の楽しみ方になっている。
ちなみにこの記事を書いている人はキャラに多様性があるゲームが好きなのでそういうゲームはめちゃくちゃ贔屓します。
悪いと感じたところ
・RPGパートは…
最初に弁明しておきたいけど、RPGパートがある事自体は悪くないと思っている。
シュミレーションゲームで意外と苦痛であった戦闘開始直後のバトルフィールド確認作業だが、本作ではこれを上手いことRPGパートに落とし込むことによって作業感が薄れるようになっている。
ここまでは最高に良い調整だった…
問題はRPGパートの操作性と探索を強いられている感にある。
・段差vsセレノア
RPGパートではこの手のゲームのバトルフィールドに欠かせない高低差がストレスとして襲いかかってくる。
なんと段差に当たると滑らかな移動ではなくなり、【段差を登る・降りる】という動作になって、わずかな時間だが操作が効かなくなる…例えば
「いや、そっちの段差が登りたかった訳じゃないんだけどなぁ」
みたいに思ってもほんのわずかな時間だけど1段登るのを待たないといけないシステムになっている。
実際に触ってみないと何が不便なのか分かりにくいと思うし、これだけだとそのくらい別にいいでしょ…と思われるかもしれないが、この後説明するもう一つの要素と絡み合う事で独特の風味を帯びてくる。
・カチカチカチカチカチカチ
もう一つの要素はRPGパートでフィールドに落ちているアイテムにある。
一度出たら戻れないRPGパートのフィールドにはアイテムが落ちており、まぁ回復アイテムやお金なんかは取りこぼしても気にならないが、なんと貴重な武器進化素材や非売品のアクセサリまで落ちているのである。
しかも、落ちているアイテムは時々光るだけ…という非常に視認しにくい形式を取っている。
という事で結果としてプレイヤーはAボタンを高橋名人しながらフィールドを駆け巡るようになる、みんなそうなる
そしてこれが段差の多いフィールドだと…
せっかくアドベンチャーの聞き込みとシュミレーションのマップ下見を上手く融合させるべくあるRPGパートなのに、細かなストレスのせいで
「もうRPGパート要らなくね?」
とまで思えてしまうのは残念なポイントだった。
・なんでユニット一覧見せてくれないんすか?
細かなUIは初シリーズの作品としてしょうがない所もあるだろうし、あんまり言うと野暮な気もする。(蘇生切札のアレ?これ、えっと…そうじゃなくて…はみんなやったかもしれないレベルだが)
ただタクティクスオウガとファイナルファンタジータクティクスの両方にあった戦闘中にユニット一覧が見れる画面は残して欲しかった。というより詰所や出撃前は見れるのになんで戦闘中だけ見れなくしたんですか?
まとめ
トライアングルストラテジーはアドベンチャーとしてもシュミレーションとしても高品質でタクティクスオウガやファイナルファンタジータクティクスにも全く負けてない傑作だった
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