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普通になりたいあなた

もう、普通になりたい

そう言って、普通の服を買いに出かけるあなたを、いってらっしゃいと、今はただ見送ることしか出来ないわたし自身に、大きな胸の痛みを感じています。

まだ若くて、望めば何にでもなれるようなあなたが、普通になりたいと思うに至った経緯は、ひと言ふた言で済むような単純なものではないと、思っています。

わたし自身も、同じような気持ちになった事がありますが、あなたでないわたしが、その気持ちをわかるよ、と簡単に言っていいものか。
あなたでなくてはわからない深い痛みがあるように思えて、その言葉を口にすることは、できません。

あなたしか、あなたにはなれない。

あなたのその人生は、あなたにしか生きることは出来ない。

それが、どんなあなたであっても… 。

あなたがあなたであり、あなたらしく生きること。
そう生きるために、生まれてきたと言ってもいいくらい大切なことであると、今のあなたに言葉で伝えても、届かないでしょう。
あなたが、自分でそのことに気づくことが、大切なのでしょう。

聡いあなたは、きっと早くそのことに気がついてくれると、願うばかりであります。

どうか、ご自分の感情的なものに負けないでください。

月のように、あなたの暗闇をやさしく照らす存在になりたい。

あなたを暗闇の中、ひとりにしたくない。

ひっそりとそう思っています。

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