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40年前の3月24日

「三つ子の魂百まで」なんて言葉があります。小さい時の性格は年を重ねてもかわらないものよ、みたいな意味ですね。事あるごとに僕は、この言葉を思い出します。といいますのも・・・

僕は4人きょうだいの末っ子として生まれました。うかい家にとって8人目の家族でした。生まれた時のことなんて憶えてないけれど、家族のみんなは憶えてる。家族ってスゲーな。

という発見と、今日はもうひとつ。8人みんなが教育熱心というのか、教え上手といいますか、学校の勉強もできた人が多かったようなんですね。幼少期なんて、家族が世界のすべてみたいなところもあります。その影響を多大に受けたのでしょうねぇ、小学校の頃の僕は学校の成績がよかったらしく、成績表はいわゆるオール5でした。ガリ勉なんて言葉は知らなかったけれど、そんなタイプでもなく、きょうだいのおかげだったと思うんですけどね。

小学2年生の3学期の最終日。終業式のあとには恒例のあの行事。成績表渡し。2年生の成績を見てみると、なんとオール5。3学期ともオール5。あわわわわ、N先生、ありがとうございます。とその時です。

「うわーー!!うかいっちぜ~んぶ5や~~~!!」

仲の良かったクラスメートのKちゃんが叫びます。ビビりました。声の大きさに。でも怖かったのはKちゃんの声だけじゃなかったのです。Kちゃんの声をきっかけに、というか号令に、クラスの半分くらい。20人くらいでしたかねぇ、

「ドドドドドドドドッ!」

と駆け寄ってきて

「見せて見せて見せて見せて!!」
「うかいくん、すごいやんすごいやん!!」
「ええなぁ、ええなぁ、なんでなーん!!」

もう40年後の今でも映像として残っているくらい、うれしさゼロの怖さ100。生まれて初めて経験した種類の怖さ。みんなのうらやみとねたみの眼。ひがみとそねみの声の音。助けを求めようとN先生を見ると、、、アカン、にやにやしている。「ウフフ、よかったやん、うかいくん」てな顔。味方ゼロやん。。

「ターニングポイント」って変わり目とか分岐点という意味だそうですが、僕にとっては最初のターニングポイントでしたね。あの日、あの場所で、

「オール5やぞ~!どや~~!!」

という気持ちはホントになくって、

「嗚呼、もう成績なんて悪いほうがいいわ。こんな怖い思いするの嫌やわ。あ。勉強できひんほうが怖くないのじゃないのかな?ぜったいそやわ。そうなりたいわ。」

その時、その日、そのあとは、そんな気持ちだったと思い出しますね。今思うと、気弱で弱気な少年独特の感受性があふれ出ております。その弱気さは40年後の今も絶賛継続中。わるい意味でもいい意味でも僕の大切な個性となっております。

そして、勉強ができるとか、頭がよい、ということよりも「ユニークな感じで生きたいなぁ」という気持ちが芽生えたのも確実にあの日でしたね。その成れの果てが今の僕なわけですが、やっぱり僕は恵まれていますね。勉学とユーモアを天秤にかけたつもりはないけれども、ユーモアを選んでよかったです。結果的に性格に合っていた。生きていてたのしいしね。

ターニングポイントを振り返ってみると、僕にとってはユニークな記憶がいちばんの財産であり、ユニークな記憶のおかげで上がっていけると思っている47歳の初夏でありました。

#きっとあの日がターニングポイント
#みんなで書く部

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