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夏休みがもし1か月あったなら、母と愛犬と過ごすでしょう。

齢47男、メーカー勤務、実家暮らし、真っしろの独身、父母と兄家族と愛犬マルちゃんと同敷地内で同居、病気はしてますが心身の健康状態は良好、、、といきなりスペック?披露してしまいました。

いえね、あー長い休みかぁ、と考えた時、僕は家族と愛犬のことがあたまに浮かんだんですよ。この5日間くらい、他のことも考えてはみたのですが、帰ってくるのはここでした。

自分がどうしたいこうしたい、どこ行きたい何やりたいって、そりゃあありますよ。好きなことも多いほうだと思いますし。でもなんでしょう、母親の余生に僕も混ぜてもらって、仕事がある日々以上にいっしょに過ごしますかね。

僕の母親は16年前の今日、長男を亡くしています。僕にとっては上の兄になります。電気工事士でした。仕事中の感電死。即死でした。母と僕の人生でこんなことがあるとは。もちろん母と兄だけのことではありませんでした。妻と娘ふたりをよく愛していました。丈夫な体を持ち、親思いで兄弟思いなところもありました。

器用なほうではなく、武骨で、でもやわらかく、優しい人でした。よく食べ、バスケットボール部ではキャプテンをつとめていました。高校ではインターハイに進んだこともありました。社会人のバスケットクラブで義姉と出会い、二人のあいだには、ふたりの娘がうまれました。

ふたりの姪は、すくすくと、にこにこで、きびきびと、そして、うららかに育ちました。僕がプレゼントした本を喜び、面白がり、本がスキになって、25才と21才になろうとしています。高いの空にいる父を、今でもそこにいるように仏壇では話しかけていると聞きました。

38才で亡くなった兄の歳をとうに追い越した47才の僕は、一番悲しんでいた母と、今でもさみしいような思いをしている母と、家業の農家を守り抜いてきた母と、足腰が弱っても長生きしてくれている母と過ごす濃い夏休みにします。

兄ちゃんを思い出して、涙みたいなものを肌に感じていると思ったら、やっぱり僕は泣いていた。


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