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5月はじめのハーブたち(前編)

5月に入ると、畑のハーブたちのエネルギーも一気に上がってきます。
眩しいくらいの、弾けるエネルギー。
その一部をご紹介です。

コリアンダー(胡荽/コエンドロ)


花盛りのコリアンダー。
可憐な白い小花も、
つき始めた緑色の若いサヤも食べることができます。

「パクチー」の名前で知られるコリアンダー。
葉っぱは生のままアジア料理に使いますが、花が終わって付く丸いタネは、カレーに必須のスパイスとして広く活用されていますね。

ハーブとスパイスの定義ってあいまいだなーと思っているのですが、私の中では、「葉っぱや根っこ、お花を使うときはハーブ、タネを利用する場合はスパイスと呼ぶ」という、なんとなくの定義があります。

ハーブの多くはそうなのですが、コリアンダーも、葉、根、花、種のすべてが美味しく利用できる、ありがたいハーブ&スパイスです。

お花が満開のこの時期は、お花をブーケに使ったり、エディブルフラワーとしてお料理に使ったりと大活躍します。

ただ、コリアンダーは一年草で、タネを付けると一生を終えてしまいます。

グリーンカレーなど、コリアンダーの葉っぱが欲しい!という夏の時期には消えてしまうのが残念なところ。

今年はグリーンカレーにもりもりのコリアンダーをのせたいので、時間差で種まきをしてみています。

チャービル(茴香芹/ウイキョウゼリ)


上のコリアンダーのお花ととてもよく似ている
チャービルの花。

「このお花はコリアンダーでしょ?」と思ってしまいそうなほど似ている、チャービルのお花。
チャービルの花も緑色のサヤも食べることができます。

チャービルは別名を「美食家のパセリ」と呼ばれるほど美味しいハーブです。
ケーキの上の飾りとして葉っぱを使うことも多いですね。

うか spice+ではいつも、チャービルは秋にタネをまいているのですが、暖かくなって「さぁ収穫!」と思った矢先にすぐに花を咲かせてしまうのですね。
コリアンダー同様、これからの季節も少し楽しみたいなと思うので、春のタネまきもしてみようかなと思います。

フェンネル(茴香/ウイキョウ)


緑色のフェンネル。
うか spice+で育てているのは
根元部分の茎が肥大するフローレンスというタイプ。

チャービルが茴香芹なら、こちらは茴香。フェンネルです。

噛むととても甘みのあるハーブ。
繊細な形の葉を刻んでポテトサラダなどに加えるととても美味です。

根元の茎が肥大するタイプのフェンネルは、欧州では葉よりも肥大した茎の部分を野菜として利用します。
セロリのような味がするので、刻んで炒めて食べるようです。

根元から切り取ってしまうのがもったいなくてなかなか切れないでいるのですが、一度食べてみたいので、今度、花が咲く前に野菜として食べてみようと思います。

そして、コリアンダー同様、フェンネルも、タネになるとスパイスとして扱われます。
インド料理のお店に行くと、食後の口直しに出てくるところもありますね。
フェンネルは、口臭予防にもなるので、食後に…というのも理にかなっているのでしょう。

そのほか、フェンネルには催乳効果もあります。
母乳の出をよくするので、授乳中の方にも良いかもしれませんね。
(母乳が出過ぎて乳腺炎などになりやすい方は控えてください。
その場合は、母乳の出を抑制する効果のあるコモンセージがおすすめです)


ブロンズフェンネル


きれいな赤紫色のフェンネル。
緑色のフェンネルと同じように利用することができます。

赤紫色をした、その名もブロンズフェンネル。
緑色のフェンネルと同じように、お料理に使うことができます。

ハーブブーケに加えると、この渋い色で全体を引き締めてくれるので重宝しています。


オレガノ(花薄荷/ハナハッカ)


空に向かって腕を広げているかのようなオレガノ。

地面にペタッと張り付くロゼット状態になって冬を越したオレガノも、暖かくなってぐんぐん伸びてきました。
現在、30〜40センチほどの高さです。

オレガノは、生でお料理に使ってもおいしいですが、ドライにするほうが風味が引き立つといわれるハーブです。
もう少ししたら花も咲き始めますので、葉のみずみずしい今、たっぷり収穫をしてドライにしておきたいところです。


スイートマジョラム


なんとも言えない良い芳香の
スイートマジョラム。
一日中嗅いでいたい。

オレガノの仲間のスイートマジョラムですが、オレガノの香りとはずいぶん違うなと感じます。

栽培に関してもオレガノより繊細で、場所を選ぶようなところがあるため、植えても消えてしまうことが多いです。

オレガノたちは、水っぽいところが苦手です。

写真のスイートマジョラムを植えた場所は、少し水はけが悪いところだったので大半が消えてしまったのかもしれません。

生き残った子たちから増殖させて、乾燥している場所にもうひと畝、用意して比べてみようと思います。


ハーブにとってのコンフォートゾーンを探る


「ハーブ栽培教室」でもよくお伝えしているのですが、ハーブがどんな場所を好むのかは、植えてみないと正直わからないという面があります。

ハーブの本を見たり、ネットで調べたりしても、大抵の場合は「日当たりがよく、水もちと水はけがよい場所」と書かれています。
ストライクゾーンが広すぎ。笑
そんな場所なら、だいたいのハーブは育ちます。

でも、ハーブそれぞれに微妙に好みの場所が違っていて、ハーブの種類によってはストライクゾーンがとても狭い子たちもいます。

ハーブたちが快適に成長できるコンフォートゾーン(居心地の良い場所)を探るには、やはり植えてみて、ハーブたちに聞いてみるしかないのですよね。

植えてから、梅雨の湿気を経験し、夏の暑さと日照りを経験し、冬の寒さを経験してはじめて、その場所が合っているかどうか、そこでずっと育っていけるかどうかがわかる。
さらに、年によって寒さや暑さも少しずつ違うので、「去年は冬を超えられたのに、今年の冬は寒すぎて越えられなかった…」ということも起きてきます。

最終的に判断できるまで、少なくとも1年。
長ければもっと。

時間をかけてハーブたちの様子をうかがいます。

そうやって対話すること、意思の疎通を図ろうとすること、それこそが、ハーブを育てる大きな楽しみだなと思っています。

これからは、ハーブたちが、彼らの言語でわかりやすく語りかけてくれる季節に入ります。

打てば響く、楽しい季節です。

少し早いのですが、9月からスタートする「秋のハーブ栽培教室」の受付を開始しました。

月曜クラス
火曜クラス
木曜クラス
土曜クラス

各クラスの日程をご確認の上、オンラインショップよりお申し込みくださいね。

オンラインショップ
「2022 秋のハーブ栽培教室」https://ukaspice.com/items/626fe1fee3bbd108b022cf7f



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